第十八話 ロウバイ
ああ......まただ......あの時と似た場所で......同じように......
僕はリーバが連れてかれたあと、その場でずっと夜まで座って膝を抱え込んでいた。
「リーバ......」
リーバを追いかけようと、路地裏から街に出ようとするが、
「ひっ......」
足元に雪が一粒落ち、路地裏に戻った。
「リーバ......おじいちゃん......」
リアラは今いる場所よりも物凄い遠くの街で生まれた。
しかし、リアラを産んだ両親に愛はなかった。
生まれてからずっとろくな食事もできず、一日のほとんどを家のベランダで放置されていた。
その街は雪の街だった。
年中雪が降るため、リアラはずっと寒そうだった。
そんな状態が何年か続き、元の髪色や目も雪に包まれ、白色になり、リアラは何も着ず、家のゴミ箱にある捨てられた食材を食べていた。
そんな時、両親がリアラをボロボロのマントで包み、だっこした。
そんなことはリアラにとって初めてだったので、とても嬉しかった。
街中を見て周り、初めて見る景色にリアラが目を輝かせていると、両親は人気のない路地裏まで歩いた。
すると、そこにリアラを置き、
「後で迎えに来るから待ってて。」
そう言い、どこかへ行ってしまった。
それから何時間、何日も、言われた通り両親を待ち続けたが、両親が来ることは無かった。
毎日降る雪のせいで、リアラの体は感覚が無くなっていた。
何日か経ち、いよいよリアラの意識がなくなりかけた時、
「君、どうしてこんなところにおるんじゃ?」
突然、路地裏の奥から声がし、振り向くと、そこには厚着をした老人が立っていた。
「あ、あうあ......あうい......」
リアラは精一杯、慣れない口で自分の気持ちを伝えた。
「......」
老人は自身の厚着をいくつか脱ぎ、リアラに着せた。
「......」
すると、今までの寒さが嘘のくらい暖かくなった。
「あら、まだ生きてたの?」
聞き覚えのある声がし、街の方を振り向くと、お酒でベロンベロンに酔った両親がいました。
「あんたらがこの子の両親か?」
老人が両親の顔を見ながら、そう聞いた。
「両親?冗談じゃないわよ、こんなクソガキ、産むんじゃなかったわよ。」
「けっ、生まれてからもぎゃあぎゃあ泣きやがって。」
「お前らそれでも人間か?」
その老人はリアラでも分かるくらい、怒っていた。
その迫力にビビった二人は、
「そ、そんなにそいつが気になるなら、お前が育てればいいだろうが!」
「そうよそうよ、まぁ老い先短い爺が育てたところで、どうせすぐそいつはひとりぼっちになるのよ!」
そう言って、男と女はその場から去りました。
老人はリアラをしばらく見ると、抱きつき、
「君の名は、リアラじゃ、儂が育てる。」
その瞬間、リアラは......私は、涙を流した。
「う、うええええん、うあああああん」
今までずっと流してこなかった分、たくさん泣いた。
その間、老人、おじいちゃんは、ずっと抱きしめてくれていた。
「う......うーん......」
私は起き上がると、見たことの無いふかふかのものに横になっていた。
「?」
今まで感じていた寒いはなく、むしろ、暖かかった。
その場に立ち、横にあるドアを開け、中を探索する。
とててててて
歩いていたはずが、いつの間にか走るようになっており、中を走り回っていると、突然ばふっと何かにぶつかった。
「?」
見上げると、私を抱きしめてくれたおじいちゃんがいた。
「おぉ、起きたのか、具合は大丈夫かの?どこか痛いところはあるか?」
そう聞かれ、私はずっと痛かったお腹をさすった。
「お腹が痛いのか、ちょいと待っとれ。」
そう言い、おじいちゃんは私のお腹に手を当てると、手から光が生まれ、たちまちお腹の痛みが引いた。
「今、ご飯が出来るからの。」
そう言い、私を抱き上げ、少し歩くと、テーブルの横に座らせた。
ご飯......?
大人しく座って待っていると、だんだんいい匂いがしてきた。
おじいちゃんは奥からどんどん何かを持ってくると、あっという間にテーブルがそれで埋め尽くされた。
これ、食べれるの?食べていいの?
「あ......うあうあ......」
どうすればいいのか不安でおじいちゃんの顔を見ると、
「ええぞ、食べてええぞ、たんとお食べ。」
そう聞き、私は目の前にあるご飯をどんどん口に入れた。
どんどんテーブルに並べられたご飯が無くなっていき、私はお腹いっぱいになった。
「どうじゃ?美味かったか?」
私はなんて言えばいいのか、言えるのかわからなかった。
なので、一生懸命、今の気持ちを声に出そうとした。
「あ......ありがとう......おじいちゃん......」
そして、しばらく私とおじいちゃんとの生活が続き、ある日、リーバと出会った。




