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幻の百合桜  作者: ふみりえ
幼馴染み編
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第十六話 スベリヒユ

「じゃーねー!」


 アンと別れ、私たちは冒険者ギルドに向かって歩き始めた。













「......」


 アンが懐から通信機を取りだし、魔法で繋ぐ。


「もしもしもしもし?私」


「おぉ、やつは捕まえたか?」


「そのことなんだけど、依頼は失敗した。」


 それを聞いた相手からはざわめきが聞こえた。


「ふん、今まで依頼は全てこなした暗殺者といえど、やはり子供か......同じ子供に情がうつったか?世界最高の暗殺者よ」


 アンはふっと笑い


「かもね。」


「!?」


 そして、通信を切る。


(今まで大人は何人も殺してきた。けど、子供を誘拐するなんて初めてだった。最初はとっとと捕まえてあいつらに渡して終わりにしようと思っていた。けど、あの二人との時間は、楽しかった。)


 アンはハロウィンで夜なのに明るい街中と空を見た。


「あの二人は良いパートナーだ、私にも同じような相棒が欲しいな、出来れば年下の......こんな気持ち、初めてだよ。」













「いやぁ、昼間のあの女の子ふたりは可愛かったなぁ。」


「ああ、今までの疲れが吹っ飛んだよ。」


 冒険者ギルドの中で冒険者達は昼間の女の子達について話していた。


 すると、


「おい!昼間の女の子達が帰ってきたぞ!」


「なにぃ!」


「まじか!」


 冒険者達は一斉にギルドの入口の前に立った。


(きっと腹を空かせてきたんだ、またあの癒しの時間が味わえるぞ。)


 そして、ギルドの中に入ってきたのは、


「ご......ごはん〜〜」


「お......おなかすいた〜〜」


 昼間の女の子たちではあるが、その姿はまるで骸骨のようだった。


「だ、大丈夫か君たち!」


「おい!お腹を好かせてるぞ!子供に腹を空かせんじゃねぇ!」


「飯だ飯!」


 冒険者達はテーブルにありったけの飯と飲み物を置き、リアラとリーバを席に着かせた。


「さぁ、見せてくれ!」


「あの癒しの食事シーンを」


 そして、冒険者達が見たものとは













「......」


「......」


「バリバリむしゃむしゃもにゅもにゅ」


「ゴキゴキぐしゃぐしゃごきゅごきゅ」


 その姿は怪物だった。


 昼間のあの愛らしい女の子たちはどこへやら。


 怪物、傍若無人、我武者羅、有言実行、万理一空、焼肉停車、一暴十寒。


 そんな感情が冒険者達を襲った。


「「「う、うあああああああ!!!」」」













「ぷはぁ、ごちそうさま!」


「うまかったー!」


 ご飯を食べ終え、私たちはツマミを食べていた。


「あんなお菓子だけじゃ、腹一杯になるわけなかったね。」


「それにあそこからここまでかなり距離あったしね。」


 ツマミを食べ終え、周りからの視線を浴びながら、私たちはギルドを出て、宿へ向かった。


 が、


「えー、もうほとんど部屋がない!?」


 宿の受付でそう言われた。


「今日はハロウィンてこともあって、宿の部屋がほとんど予約済みなのよ。」


「残ってるのはあとどれなの?」


「残ってるのは小さい一人用の部屋だけね、本当に小さいから誰も予約しなかったわ。」


 私とリーバはお互いの顔を見て、


「しょうがないか」












「「わっふーい!」」


 小さな部屋に置かれた一人用のベッドに二人でパフっとジャンプする。


「ふあああああ、もう眠い......」


「僕も......すう......すう......」


 僕達はベッドにダイブしてすぐに眠ってしまった。













 翌朝、リアラとリーバは一人用のベッドで真反対の体勢でお互いの足を抱き枕代わりにして眠っていた。


「ん......ふあああああ。」


 僕は目を覚まし、顔を洗うと、キッチンに向かい、料理を始めた。


「ふっふんふふふんふふふーふふふ」


 朝ごはんが出来上がり、自分の分の着替えを畳み、リアラを起こす。


「リアラ、朝だよ、起きて。」


「ん、んーーーっ!」


 起き上がり、伸びをすると、リアラは周りを見てから僕を見た。


「おはようリーバ、早起きだね、すぐにご飯用意する......から......ね。」


 リアラがそう言いかけた途端後ろの小さいお盆に、二人分のご飯があるのを見た。


「ご、ごめんなさい!私が作らなきゃいけないのに!服まで!」


 またか......


「ねぇリアラ、そんなどっちが何をやるかなんて決めなくてもいいんだよ、その時と場合でやりくりすれば.....ね?」


「でも、これは私のしご......」


「ダメ、これはどっちだけの仕事でもない、僕たちの仕事、でしょ?」


 朝ごはんが乗ったお盆をベッドの上に置き、僕が食べ始める。


「そう、わかった。」


 納得してくれたリアラも僕が作ったタコさんウィンナーさんと目玉焼きを食べる。


「!!私より、おいしい......」


 え


「え......本当に?僕の方が美味しい?」


「うん、すごく美味しい」

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