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幻の百合桜  作者: ふみりえ
幼馴染み編
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第一話 誕生日おめでとう

「ふんふんふふふーん。」

 今日は待ちに待った私の誕生日、そして旅立ちの日でもある。

 朝食に作った目玉焼きと味噌汁とハム、そしてお米をテーブルに置く。

「いっただっきまーす!」


 私の名前はリアラ、7歳、昔はおじいちゃんと暮らしてたけど、今はひとり。


 でも、なんとか生きてる!


 今日は昔から決めてた7歳の誕生日に外の世界へ旅に出る日。


 朝食を食べ終え、身支度をする。


「おっと。」


 おじいちゃんの形見の二振りの剣を背中に背負う。


「やっぱり重いなぁ。それじゃ、行ってきます!!」













 はぁ、はぁ、はぁ


 僕は今、必死に生きようとしている。


 森の中を彷徨い、フラフラと歩く。


 途中、襲ってきた獣を殺し、それを食べながら、歩いていくと、突然、叫び声が聞こえた。


「きゃーーーー!!」


 すぐに腰にある短剣を抜き、声のする方向へ向かう。


 でも、なんだろう、この声、どこかで聞いたことが。










「きゃーー!せっかくここまで来たのに早速こんな展開ってアリー!?」


 私は今獣に襲われている。


 大きさは私の3倍以上。


「誰か助けてー!!」


 すると、上空から人が飛んできた。


「!!」


 飛んできた人は私と同じくらいの身長の男の子だった。


「あれって、もしかして!!」


「はああああ!!」


 その男の子は右手に構えた短剣で獣の首を一刀両断した。


「ふう、君、大丈夫だっ......た......」


 男の子は私を見て固まるが、私も男の子を見て固まる。


「り......り......リーバ!?」


「リアラ!?どうしてここに!?」


 リーバは私の幼なじみ、小さい頃から一緒に遊んでいたが、突然いなくなってしまったのだ。


「ひ、久しぶりー!!ありがとうーリーバーー!!」


「ひ、久しぶり......」


 私は白い髪をなびかせながら、リーバに抱きつく。


 リーバも黒い髪の毛を弄りながら私に近づいて抱きつく。


「なんで突然いなくなっちゃったのさバカー!」


「ごめん......ごめんね......」


 私たちは大泣きしながら、しばらくその場で抱き合っていた。










「そういえば言ってたね、7歳になったら旅に出るって、忘れてたよ。」


 リーバが先程倒した獣の肉を焼きながら、私のの話を聞いていた。


「おじいちゃんはどうしたの?」


「おじいちゃんは死んじゃったよ。」


 そういった途端、リーバは驚いた表情の後に悲しそうな顔になった。


「そう......」


 肉が焼き終わると、リーバが肉を差し出す。


「いただきまーす!おいしーー!」


 リーバは私の方を見ながら、ふふっと笑い、自身も肉にかぶりつく。


「本当......こんなに美味しかったんだね......」










「あー美味しかったー!ねぇねぇ、リーバはなんで旅に出たの?」


 肉を食べ終え、リアラが質問する。


 僕は少し黙り込むと、


「さあ、なんでかな。リアラはなんで旅に?」


 すると、リアラが時空収納から紙を取りだした。


「それはねぇ、これを見るためだよ!!」


 そこに書かれていたのは、


「幻の百合桜?」


「そう!この世で最も美しく綺麗な桜のこと!私はこれを見るために旅に出たんだ!」


 桜か、確かリアラの家の庭にあった桜も綺麗だったな。


「ねぇリーバ!一緒に桜を見よう!」


 リアラの顔が迫る。


 幻の百合桜......か......


「うん、いいよ、一緒に見よう。」


「やったー!」


「それで、それはどこにあるの?」


「さあ?」


「え?」


 リアラはヘンテコな顔になりながらさあ?という仕草をした。


 僕は驚き、リアラが見せた幻の百合桜に関する紙を手に取り、よく見る。


「幻の百合桜はこの世で最も美しく綺麗な桜......しかし、それを見た人間は一人もいない......」


 これだけしか書いてなかった。


「こんなクソみたいな情報だけで探そうと思ったの?」


「うん、大丈夫だよ!これから色んなところを旅しながら、情報を集めていけば!」


 リアラはそう言い街へ向かって歩き出した。


 僕はそんなリアラを見ながら、昔のことを思い出した。


「そういえば、こんな感じだったな。」


「ねぇリアラ。」


 名前を呼び、肩を叩くとリアラが振り向く。


「なーに?むにゅ」


 リアラが振り向くと、僕の指がリアラのほっぺたに当たり、むにゅっとなる。


「ふふふ、言い忘れてたことがあるの。」


 リアラの横に歩き耳元まで近づくと、


「誕生日おめでと」

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