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40秒で失禁しな

 ●  ●40秒で失禁しな(2019/07/14投稿)●  ●


 この病院では、「死」を感じる事はまずありませんでした。


 看護婦さんや先生や患者内からも、そう言う話はまず出て来ませんでした。


 ここがリハビリメインの病院だったから、そういう理由もあったんだと思います。 


 隠してるって感じじゃありませんでしたが、実際は多く亡くなっていると思います。


 基本「良くなって退院する人ばかり」と見える様にしてたと思います。


 殆どの人に退院後に会って無いんで、実際はどんな感じだったのか分かりません。


 少なくとも死んだ人の話を、看護師さんから直接聞いた事はありません。


 看護師さんからは、ですよ。




 自分が脳梗塞になってから、一番分かりやすい障害部分以外の変化は何かと言うと、笑う事が増えた事です。


 これだけ聞くと「特に問題じゃないのでは?」と思うかもしれません。

 

 実際はこれは障害です。


 この笑いは、笑うタイミングを自分で調節も我慢も出来ません。


 リハビリ中、食事中、トイレの中……、何の理由も無く急に笑いが出ます。




 入院中一番「ツボ」だったのは、入院患者のお婆ちゃんの声でした。


 彼女は顔が天空〇城ラピュタのド〇ラに似てたので、入院中に読んでた呼称「ド〇ラ」で通します。


 ド〇ラは耳が遠いみたいで、普段は白板を持っていて、看護師さんとか先生とかとコミュニケーションを取ってます。


 ですから普段声を出しません。


 たまに聞こえる声がめっちゃ甲高いんです。


 顔がド〇ラな人が、某カ〇トモさんみたいな声で喋りだすんですよ。


 OTのリハビリをやっている場所が食堂の横で、普段ド〇ラが座っている席の傍だったのも、自分には最悪でした。


 ド〇ラの声が聞こえたら、自分が笑ってしまい、OTのリハビリがまともにできません。


 一番酷い頃には、ド〇ラがいなくても、その席の横を通るだけで笑いが出て来ました。


 結果的に、リハビリ場所を変更する事になりました。




 そうやって処置しても、笑いが止まらない時は止まりませんでした。


 こういう症状を「感情失禁」と呼ぶらしいです。


 ググったら「さまざまな感情をコントロールしづらく、怒りや悲しみなどが表出しやすくなる(感情失禁)だけでなく、うつ状態も起こりえます。」って書いてありました。


 急に怒り出したり泣き出したりするのも、感情失禁のせいらしいです。


 自分には笑い以外の失禁、怒りや悲しみが増えてはいません。


 退院する前は「入院中は刺激が少ないから、ネットをしたら感情に影響があるんじゃないか?」


 そう心配していましたが少なくとも、目立つ影響がありませんでした。


 退院してかなり落ち着いて来ましたが、脳梗塞発病前よりは笑う事は増えてます。


 うつ状態にもなって無いみたいですし。


 そう考えたら笑うだけで済んで、ラッキーと思うしか出来ません。


 半身麻痺のおっさんが泣いていても、鬱陶しいだけだったと思います。




 ド〇ラ以外にもツボは一杯あったんで、入院中は大変でした。


 担当看護師さんの若い頃の写真を見て、本人の目の前で笑いが止まらなくなった時は、笑いながら焦っていました。


「亀有〇ラザーズ」の動画を見て、過呼吸になりそうな位爆笑して、リハビリが中止なった事もありました。


 当時の深夜番組の動画を、著作権などの理由で観る事が出来ないのは残念です。


 自分の病気の事を考えると、ラッキーとも言えます。




 ド〇ラは家の工事期間だけ入院してたみたいです。


 耳以外には特に身体に悪い所は無かったんで、退院は速かったです。


 特にお年寄りは、こんな感じで入院してる人は多かったです。


 これが正しい事なのかは分かりません。家族の世話が大変ですしね。


 病気や骨折で入院している人よりも、多かったかもしれません。




 そのド〇ラが死んだと聞いたのは、自分が退院する少し前でした。


 OTの先生が担架に載って運んで来られたド〇ラを見て、ド〇ラ家族に何があったかを聞いたら「死に化粧」をしに来たと言われたみたいです。


 死因は幸い老衰みたいでした。


 

 19話で書いた「プレ〇ト!!」好きなお爺ちゃんも、退院後にすぐに亡くなったらしいです。


 自分がユニット移動した時に、③の所にいた人ですね。


 この人は熱中症で倒れたって言ってました。


 お年寄りは下痢になっただけで、死んでしまう事があるらしいです。


 お年寄りが出かける時は、水分だけじゃなくて、ポ〇リも持たしてと言うのはこのせいらしいです。


 お年寄りは順調にリハビリをしてても、下痢でリハビリストップする人が多いと嘆いていました。


 医療関係者が個人情報を漏らすと不味いみたいですが、担当OTの先生は退職するんで色々ぶっちゃけていました。


 前に書いた、愛人を個室に連れ込んで、エッチした患者がいた話を聞いたのはこの先生情報です。




 PT、OT、STは、人間の相手が中心の仕事なんで、ストレスが溜まるみたいです。


 最後の敵は人間だという事です(違うと思う)。







 ◇◇◇◆◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◆◇◇◇  


 【全話修正する部分】 

 

 ・細かい文章の修正。


 ・会話文以外の行頭は一字下げた。


 ・草(w)を刈った。


 ・文章と文章の感覚を最低一行開けた。






 【修正と追記した部分】


 ・自分には笑い以外の失禁、怒りや悲しみが増えてはいません。


 これを書いた時には、まだ鬱とイライラは出てないみたいですね。


 まだ平和な時期です。


 笑いの感情失禁は今でも出ますが、回数は減っています。


 減った理由が治っているのか、薬の影響かは分かりません。


 自分以外に入院してた人で、感情失禁じゃないかと思う人は数人いました。


 怒ってリハビリ拒否してた人と、急に泣き出す人がいた位です。


 自分や妹みたいに急にキレる人は、薬の影響もあるかもしれません。




 自分が死んだと聞いた人は、上に書いたドー〇と俳句のお爺ちゃんの2人だけです。


 OTの先生に聞いた話でヤバかったのは、この病院の2階から飛び降りて腰骨を折って、一生歩けなくなった人の話ですか。


 どうせ飛び降りるんならは、もっと確実性がある場所から、飛び降りる様にしろと思いました。

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