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プロローグ

さわやかなかぜがふいています。


さわやかなかぜのなかにたたずむ、ぎんのかみのせいねんとくろいかみのむすめがいました。


ぎんのかみのせいねんのうでのなかにはしっこくのうろこをもつりゅうが、くろいかみのむすめのうでのなかには、ぎんのかみのおさなごがねむっています。


「この子らの未来に祝福を。この世にある全ての精霊よ、わが子らを見守り給え。」そうくろいかみのむすめはいいました。


ふたりのうでのなかにねむるりゅうとおさなごのからだが、ひかりはじめます。


ひかりがおさまると、くろいかみのむすめはうつくしくほほえみました。


「時は来た。俺らの伝説が終わる時が。そして、新たな伝説が始まる時が。」ぎんのかみのせいねんは、とおくをみてつぶやきます。


「あなたは何を見たの?」くろいかみのむすめは、ぎんのかみのせいねんにききました。


くろいかみのむすめのことばにせいねんはこたえません。


ただただ、とおくをみているだけです。


あおいあおいそらのとおくになんとうものきょだいないきものがとんでいきました。


そのいきものは、りゅう。


すうせんねんまえにしゅつげんしたまぼろしのけもの、げんじゅうのいっしゅです。


「竜が………飛んでる……私も、あんな風に飛べるかしら?」くろいかみのむすめがそうポツリとつぶやいて、ぎんのかみのせいねんにききました。


「飛べるさ。お前に翼が無くても、俺がお前の翼になれるのだから。」ぎんのかみのせいねんはくろいかみのむすめにいいます。


「ふふ。そうだったわね。私が飛びたいときは、いつもあなたが私の翼になってくれた。もう、昔の話だけれど。」くろいかみのむすめは、そうなつかしそうにいいました。


「……いや、もうすぐ俺たちは飛び立たねばならん。未来に向かって、な。」ぎんのかみのせいねんはくろいかみのむすめにいいます。


くろいかみのむすめとぎんのかみのせいねんは、いつまでもりゅうとぶおおぞらをともにみていました。


ふいにぎんのかみのせいねんは、くろいかみのむすめにかるくきすをすると。


くろいかみのむすめにしっこくのうろこをもつりゅうをあずけます。


ぎんのかみのせいねんのからだが、へんかしていきました。


うすいつめは、するどいかぎづめに。


はだいろのうでは、うろこをもつきょだいなうでに。


みじかかったくびは、すらりとしたくびに。


でんぶからは、ながいおが。


せなかからは、りっぱなつばさがはえ。


かおは、するどいきばをもつりゅうになっています。


ぎんのかみのせいねんだった、しっこくのうろこをもつりゅうは。


うでにそっと、くろいかみのむすめをだいて。


つばさをはばたかせて、とびたちました。


りゅうをしえきするものは、せかいのひとびとから、こうよばれています。


《ドラグーン》と。



でんせつがいまふたたびはじまります。


これは、《ドラグーン》をめざすしょうじょとなかまたちのものがたり。


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