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ウィッチカード  作者: 学生
1/1

初めての改造

ある会社がウィッチカードというものを開発した。


ウィッチカードは身体に触れた状態で「キー」と呼ばれる発動条件を満たすと特別な力を行使できる「魔法」のようなカードのことである。

例えば……空中に物を浮かせたり、掌から水を出したり、身体能力の向上など様々な力を行使できるようになる。


このウィッチカードが世界中に広まったことにより、人々の生活が便利になり、とても豊かなものになった。しかし便利になった反面、強盗や殺人などの犯罪に、ウィッチカードを悪用する者も出てきてしまった。


政府はウィッチカードの悪用を阻止するために法律を作り対策本部を設置したが、カードを利用した犯罪は増加していくばかりだった。


ーーーーーーーーーー


「るんるるるんる~♪」

鼻歌を歌いながら黒田航(くろだわたる)はスキップで買い物に出掛けている。


「やっと金が貯まったぜ、

カツアゲすんの大変なんだよなぁ」

そう航は絶賛不良中なのである。


「確かここの階段を下れば改造ショップ……だよな!!

緊張するぜ!!」

そう言いながら航は薄暗い階段を下っていく。


カランカラン。ドアを開けるとそこにはスキンヘッドの大男がカウンターに立っていた。


「なにか」


スキンヘッド大男はボソッと呟いた。


「お、俺のカードを改造してくれ!

とびきり凶悪なやつにさ!!」

航は【念力】のウィッチカードとありったけの金をカウンターに置いた。


「改造は違法だぞ?もう引き返せなくなるがいいのか?」

ドスの聞いた声でスキンヘッド大男が喋った。


「当たり前よ!知っててここに来たからな」

これで俺も悪くてビックな男に近づいたな!


「毎度あり、明日また同じ時間に来な」

スキンヘッド大男はニヤリと笑った。


ーーーーーーーーーー

翌日


「はいよ」

そう言いながらスキンヘッド大男は航に向かってウィッチカードを投げた。


「うぉっ!!俺ってばナイスキャッチだぜ

ちゃんと改造してくれたんだろうな?」


「当たり前だ、今からカードの説明をするぞ...」


どうやら【念力】は【不可視の念力】になったらしい。

通常の【念力】は物体を浮かす能力で、重い荷物や高い場所の物を取る時に使うウィッチカードだが、この【不可視の念力】は浮かせた物体を不可視にすることができるらしい...


「っっっておい!!!!ショボくないか?????

もっとこう...何かなかったのかよ!」


せっかく稼いだ金が無駄になっちまったぜ...


「まぁ落ち着け、そいつを使えば万引きだってできるし

不意討ちだってできるんだぞ?

透明になった石を持ち上げて、頭上から落とせば...な?」


「その手があったか!!」

使い方次第でショボい能力もイカす能力になるってことか!


「はぁ...そういうことだ」

スキンヘッド大男は呆れたようにため息をついた。

そして、思い出したようにこう言った。

「そのウィッチカードの〈キー〉は〈目を瞑る〉だ」


「わかったよ、じゃあな!」

航は足早に街へと繰り出していった。

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