序文 異世界から異世界へ
両親についての記憶がない。
師匠に拾われたのことしか覚えていない。
餓死になりそうな僕に食べ物をくれた。自分の身を守れるよう、魔法の使い方を教えてくれた。そして時間が経ち、師匠の門下でだんだん強くなり、みんなと色んなところに冒険ができた。
楽しかったな、魔法を修行した時、上手くいかなかった時、魔力が暴走した時、皆と合宿した時、海に行った時。。。。。本当に楽しかった。
霞先輩が作ったお粥、もう一度食べたいな、弘さんともう一回勝負したいな、楓ちゃん、すぐ泣くのくせ治ったのかな。。。師匠の笑顔、もう一度見たいな。
「霞先輩、ごめん、一緒に料理を作る約束を果たせなくて、ごめん。」
「弘さん、ごめん、前回の試合、手を抜いてしまった、あなたに傷を負わせたくないよ。」
「楓ちゃん、すぐ泣くのは良くないって、何度も言っただろう、強くなってね。」
これでいい。
「師匠、何もない僕を助けてくださいました、一人ぼっちの僕に家族を与えてくださいました。死にそうな僕を救ってくれました。この命はあなたがくれた物です、今、この命を返します。」
「うううううう!」
「ううう。。。」
「うーーうー!」
「ごめんね皆、もう少し耐えてくれ。」
「はーーーふーーー」深呼吸。
「独創魔法ー生命吸収 改」
生命吸収は他人の生命エネルギーを吸収する技であるが、改は逆のものだ。
「どうか、この命を、受け取ってください。」
光が燃えているように見える。変な言い方が、今僕の体に起こっている現象はこれしか言えない。
頭が。。。力も出なくなっている。
「うううう!」
いい加減争わないてくれるかな、僕の命が燃えつくす前では呪縛は解けないよ、みんな、僕を止めようでも無駄だよ、僕一人でいいから。
あれ?声出していないぞ。。。そうか、声を出す力もなくなったか。
師匠がいてくれて、皆がいてくれていろいろできて、幸せな一生だったな。
気のせいかな、師匠の顔色が良くなっている、呼吸もちゃんとしているように見える、よかった、ちゃんと効いてるんだ。
「しー兄さん!」
「しー」
「しー君!」
みんなのこえが。。。きこえ。。る。。おかしいい。。な。。呪縛。。解いてる。。。はず。。が。。。。ない。。。そうか。。。僕の。。。い。。のちが。。いよいよ。。。。おわ
何もかんじなくなった。
どのぐらい経ったんだろう。1時間、3時間?わからん。
闇から出たのかいつだろう。わからん。
わかっているのは目を開いたら、知らない天井だ。
小さくなった手足。ものがすごく大きく見える。
「@@#$$%$#^#!」女の人がいた、何かを言っているのか全然わかんねー。
まあ、取り合えず、状況を整理しよう。
僕は赤ん坊になった。周りは聞いたことのない言語がいっぱい。
嘘だろう。。。。
もしかして、僕、どこかの異世界で転生したかも。
そんな、ありえない。あんなに感動の別れの後は転生なんで。。。。
そんなバカなことあるわけない。
。。。。。。。
「え?マジなの。」