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第六章 破滅の引き金4

 気分がすぐれないという保子莉おねえちゃんを部屋に残し、第一妃宮の庭で虫取りをしていた時のことだった。

 黒髭執事が、おれの……いや、ぼくに言った。

「今、お前が抱えている心情……少なくとも私には理解できる」

 ――アガミおねえちゃんの言うことしか聞けないお前に、ぼくの何がわかるんだよ

 生を受けた途端、知識だけを与えられた命。右も左も分からないこの現世で、親兄弟もいないまま怒られることなく、また褒められることもなかった九斗。

 生みの親であるリーンでさえ

「キミの自由にしたらいいよ。簡単だろ?」

 たったその一言で、外界へと放り出されたのだ。それゆえ、誰に心を委ねていいのか分からなかった。

 知識として得ていた『孤独』。

 その意味も理解できず、唐突にクレハ星人に預けられ、保子莉と出会ったのだ。優しくって黒髪が綺麗なおねえちゃん。それは初めて異性として認識した瞬間だったのかもしれない。だが、それと同時に恋敵が現れた。

 敷常トオル。

 自分の元となる遺伝子の存在に、生まれて初めて嫉妬を覚えた。おにいちゃんを想う保子莉の隠れた意識。おねえちゃんは気づいてないようだけど、ぼくにはそれが分かった。それなのに、おにいちゃんは他の女の子に夢中になって浮かれていた。

 ――だったら、保子莉おねえちゃんは、ぼくのものだ

 あらためて、そう決意したのは幼い体の時だった。宇宙蛇に噛まれ、おねえちゃんが寄り添い看病してくれたことは、朧げながら今でも覚えている。

 ――早く大人になりたい……

 宇宙蛇の毒にうなされ、命を落としかけた体力のない体に嫌気をさしていると

「キミの望み、ボクが叶えてあげるよ」とリーンの生態医療によって、おにいちゃんと同じ大きさまで成長することができた。

 ――これでおねえちゃんは、ぼくのもんだ

 おねえちゃんがスキなトオルおにいちゃんと同じ顔なのだから、ぼくのことも、きっとスキになってくれるはず。それなのに……おねえちゃんは喜ぶどころか、相手にもしてくれなかった。

 ――なんで? どうしてなんだよ?

 ぼくという存在を認めてもらいたいのに、なんでかまってくれないのか分からなかった。

 そして惑星ナァーに来てから数日後、監視役のウーヴから同情されたのだ。

「みんなにとって、ぼくは邪魔者なんだから、ほっといてくれよ」

 同世代の遊び相手もいないまま、誰からもうとまられていた毎日だっただけに、今さら同情されたって信用なんかできるもんか。

 だが……

「私も幼少の頃、人身売買によってナァー(ここ)に連れてこられた身なのだ」

 まだ物事の判別がつかない頃の話だ。と自分の生い立ちをほのめかすウーヴ。自分がどこの星の生まれなのかも知らず、おぼつかない記憶の中で両親を求め、目元が赤くただれるまで泣いたと言う。

 ただ幸いなことに、引き取られた里親に恵まれていた。

「今日から君と一緒に生活をするマエストロです」

 星王からの命令で、託されたおじさんは優しくウーヴに語りかけた。身寄りもなく、生きる術を知らない子供がこの世を生き抜くためには、匠に全てをゆだねるしかなかったのだ。それ以降、ウーヴは匠のもとで学問と武術を学び、今日までシーグレー家に仕えてきたという。

「それだけに、お前が感じる孤独は理解できるつもりだ」

 遠からず似ていた境遇。そんな黒髭執事に親近感を覚えた九斗は胸に溜まっていたわだかまりを洗いざらいぶちまけた。

 大スキな保子莉おねえちゃんのことや、自分に対して無関心なアガミ。そして恋敵であるトオルおにいちゃんのこと。その誰もが、自分に対し、笑って接してくれることがなかった。自分の思い通りにならない放任生活。その全てがイヤだった。それらすべてを理解した上で

「私と一緒にナァーを出ていく気はあるか?」とウーヴに話を持ちかけられたのは昨夜のことだった。九斗一人が廊下に呼び出され、告げられた逃亡計画。こんな狭い敷地で限られた生活に飽き飽きしていた九斗にとって、それは夢のような話だった。

「保子莉おねえちゃんも、一緒に連れていきたい」

 寝室で寝ている保子莉を気にかけながら訊くと

「良いだろう。お前がちゃんとホズリさまの面倒をみると約束するのであれば、私は何も言わない。ただし、今までのように自由気ままな生活はできないぞ」

 この箱庭のような暮らしから解放されるのなら、それも覚悟の上だった。

「でも、なんで、この星を出ていくのさ?」

 仕えるアガミはどうするのだろうか?

「理由はすべてが終わってから説明してやる」

「なんでだよ? 今、説明してくれてもいいだろ!」

 茫漠ぼうばくを嫌って声を上げる九斗に、ウーヴは思量し

「詳しいことは教えられないが、星王継承式典におこなうはずの復讐が早まったとだけ言っておく」

 復讐。つまり仕返しということだ。

「アガミねえちゃんに、いじめられたのか?」

 ウーヴをあごで使い、常日頃から近寄りがたい雰囲気を放っていたアガミだ。ウーヴをいじめてても何の不思議でもない。

「そう取ってもらっても構わない」

 そして

「それと、このことは他の者に喋るなよ」

「保子莉おねえちゃんには話していい?」

「それもダメだ。私はお前を信用して話をしたのだ。もし、それが出来ないようであるならば、私はお前を置いて一人でこの星を離れる。それでも良いのか?」

「イヤだ! ぼくもウーヴと一緒に行く!」

「良いだろう」

 ウーヴから差し出された右手に、九斗が首をかしげていると

「男同士の約束だ」と握手を求められた。

 一人の人間として初めて寄せられた信頼に、九斗の胸の内に熱いものが込み上がった。

「わかった。誰にも話さないよ」

 そう言って九斗はウーヴの手を握り返した。


 その翌日。

 ウーヴは主人アガミを裏切り……今、こうして一緒に走っている。

「急げ、九斗」

「ちょっと待ってくれよ、ウーヴ!」

 朝市で賑わう人混みを掻き分け、黒髭男を見失うまいと後を追う九斗。同時にウーヴが実行した復讐劇を思い出し、初めて本当の『復讐』という意味を理解した。

 恨みを抱く大人。

 冷血で残忍。その恐ろしさに九斗は自分が子供であることを再認識した。同時に「ぼく」ではなく「オレ」と虚勢を張っていた自分が恥ずかしく思えてしょうがなかった。

「ホズリさまが足手まといになるようならば置いていけ」

 躊躇なく切り捨てる大人の決断に、九斗はひどく焦った。

「置いてなんかいくもんか! ほら、保子莉おねえちゃんも早く早く!」

 そう言って黒猫に繋がる首紐を力任せに引く九斗。いったい何が気に入らないのか、黒猫の足取りは重く、ずーっと俯いたままなのだ。

 ――アガミねえちゃんの記憶が消されたくらいで、なんでこんなに元気がなくなっちゃうんだよ

 腕を折られたから? でも、あれはアガミが悪いのだから、しょうがない。ウーヴに殺されなかっただけ、まだマシなほうだ。

「もっと急いでよ、おねえちゃん!」

 ここで置いてきぼりでもされたら、宇宙にいけるチャンスは二度とないのだ。ウーヴに託した未来。それを失わないために、無理矢理にでも黒猫を走らせる九斗だった。



 別名、避難所シェルター通りと呼ばれている星王広場の地下聖道は、今日も星民たちで活気付いていた。

 石畳が敷かれた通路と積み上げられた石壁。ライドクローラーが余裕で通れる道幅は主要街道のように広く、天井の外光を模した照射ディスプレイのおかげで屋外のように明るい。本来ならば地上の星王広場で開かれるはずの朝市。だが、昨夜から続く長雨の影響により、多くの露店商がこのシェルター通りに店を移し、景気の良い声を発していた。

 そんな賑わいを見せる中、茶色い鞄を背負い深緑のメイド服を着た幼女がテトテトと歩いていた。あっちフラフラ、こっちフラフラと人の流れに翻弄されていると、恰幅の良い猫族のオバちゃんが幼女クレアを手招いた。

「そこのお嬢ちゃん。どうだい、買ってかないかい?」

 今なら、うーんとサービスしておくよ。と、葉野菜の玉を持ち上げるオバちゃんに、クレアは足を止め、山のように築かれた新鮮野菜に目を配った。

「うーん……こんなにあるとぉ目移りしちゃいますねぇ」

 地球産インスタント食品を残して、ディアに食べ尽くされてしまった船の食材。買い足さなければ、今夜からインスタント食品だけの毎日が始まってしまう。

 ――最近、忙しいせいかぁお肌の調子も良くないですからねぇ

 美容を兼ねた栄養バランス。幼女とはいえ、日頃のケアと健康管理は欠かせないのだ。……が、それよりも気になるのは格納庫で息を潜めている宇宙船のことだった。

 ――あれはいったい何の兵器だったんでしょうかぁ?

 脳裏に浮かんだ貨物船キャッツベル号。退室間際にチラッと見ただけだが、あれは明らかに武装を施した戦艦だった。



「お仕事中ぅ、お邪魔してすみませんですぅ」

 接客担当の召使いから老執事の居場所を聞き出して格納庫を訪れると、白髪の老人が笑顔で出迎えてくれた。

「おはようございます、クレアさま。こんな朝早くから、どういたしました?」

「実はぁ保子莉お嬢さまのことでぇ、ちょっとぉご相談がありましてぇ」

「ほぉ、それはそれは。まぁ、立ち話も何なので、どうぞお掛けください」

 予告なく作業監視室へ押しかけたにもかかわらず、老人は目尻を下げて椅子を勧めてくれた。

「色々とお世話になっているクレアさまの頼みです。私のできることでしたら、何なりと」

「実はぁ……」とクレアは椅子に腰掛け、トオルから聞いた話を手短に説明する。そのうえで保子莉における身柄解放の手助けを申し出たのだが

「残念ですが、現時点では応じられません」

「どうしてですかぁ? 何で助けてくれないんですかぁ?」

 裏切られた返答に、クレアが納得できずにいると

「クレアさまにだけお教えいたしますが、実は私どももアガミさまを内偵中でして、迂闊に事を荒だてたくはないのです」

「つまりぃ、今はぁ協力できないと……そういうことですかぁ?」

「そのように解釈してもらってかまいません」と頷く老人に、クレアは勘を働かせた。

 次期星王候補であるアガミの動向を探る内密調査。どう考えても普通ではない。同時に『お家騒動』というキーワードが脳裏に浮かんだ。記事に掲載されていたノーグァにおける薬物乱心事件。あくまでも憶測だが、この件にアガミが深く関わっているのであれば、それこそ第三者の入る余地はない。

「わかりましたですぅ。お爺さんのお仕事の邪魔にぃならないよう、自分たちでぇ解決しますですぅ」

 その言葉に、老人は目を細めて笑った。

「お心遣い、ありがとうございます」

 とは、言え……さぁ、これからどうしましょう。

 頼りになる協力者を得られなかった以上、自分たちで保子莉を救出しなければならないのだ。こればっかりは、仕方ありませんですねぇ。とクレアは立ち上がり……そして退室間際、眼下で鎮座するキャッツベル号を見下ろして疑問を抱いた。

 輸送貨物として保険契約していた商業船。それが、どういうわけか武装を施した宇宙船に姿を変えていたからだ。船の両側面に砲座が装着されているのはもちろん、船首から胴体部分の外装がフレーム展開されており、ワニの口のように開かれた箇所に不気味な砲塔ユニットが組み込まれていたからだ。

「これはいったい、どういうことですかぁ?」

 解約済みとはいえ、戦艦を貨物船と偽って保険契約していたとなれば、立派な詐称行為に該当する。仮にそのことをクレアの胸の内に収めたとしても、公になってしまった場合、クレア自身……いや会社の信用が危ぶまれかねない。

「説明をお願いしますですぅ」

 眉根を寄せて詰問すると、老人は笑顔を絶やさずに答えた。

「そのお顔から察するに、契約詐称の疑いをもっておられるようですね」

 クレハ星人の十八番おはこである読心術のように、容易く幼女の考えを口にする老人。そして……

「ご安心ください。契約時におけるキャッツベル号は、ただの商船でございますよ」

 だったら、この武装状態はいったい何のために? と、キャッツベル号を凝視していると

「ほとんどの者は知りませんが、これが本来あるべき姿なのです」

 老人の言葉に、黙って耳を傾ければ……キャッツベル号は元々、戦艦として造船されたというのだ。目的は他星からの侵略を阻止する自衛のため。だが100年前、ダストホール技術を手に入れた惑星ナァーは、不要となったキャッツベル号を封印したのだという。

「日の目を見ることのなかった船ですが、お嬢さまが事業を始めたいという理由で、武装を解除して先日まで運用していた次第であります」

 なるほど。そういった経緯があったんですかぁ。なら、納得ですぅ。

「でもぉ、なんでぇ、またぁ武装を?」

 自衛手段なら、ダストホールだけで充分なはずなのに。

「再び、星王宝物殿に御安置するためです」

 運用可能な宇宙船を蔵の中に入れて寝かせてしまうのは、ちょっともったいないような気がするのだけれど。

「星王継承式典後、次期星王に委ねるためです」

「要するにぃ冠を継承する儀式みたいなものですかぁ?」

「ええ。それも身内だけで行う儀式です。ゆえに、この武装状態を知り得るのは星王、もしくは星王となる者とシーグレー家に従事する一部の者しか知りません」

「つまりぃ……それってぇ……」

 嫌な予感がした。すると老人の鋭い視線が幼女のつぶらな瞳を捉えた。

「そうです。残念ですが、部外者のクレアさまには消えてもらうほかありません」

 老人から告げられた口封じに、クレアの笑顔が氷のように固まった。仕事柄、幾度となく危険な目に出くわしたことはあったが、流石に命まで取られるようなことがなかったからだ。

 ご冗談ですよねぇ? と笑って問いたかった。しかし、老人の鋭い眼力にされ、言葉を発することができなかった。

 残された選択は逃げの一手。自慢の怪力でもって相手を突き飛ばし、怯んだ隙に外へとダッシュするしかない。……が、不意に保子莉から聞かされた老人の武勇伝が脳裏に浮かんだ。

 以前、海賊クロウディアに襲われたときのこと。誰よりも早く敵方の船に乗り込み、十人の荒くれどもを一瞬で倒したという。大袈裟に脚色したような話だが……いざ、目の前で凄まれると、あながち嘘ではなさそうだ。

 どうしましょぉぉぉおっ!

 命を奪われかねない恐怖にプルプル縮み上がっていると、老人の手がクレアの頭に触れた。

「ご冗談ですよ」

 見上げれば、老人の表情がいつもの優しい笑顔に戻っていた。

「こんな可愛いお嬢さんを、手に掛けたりはしません」

 と優しく頭を撫でる老人に、クレアは涙目になって訴えた。

「嘘つくなんてひどいじゃないですかぁ! もぉ、本気で殺されるかと思っちゃったんですからぁ!」

 ついでに言えばぁ、腰が半分ほど抜けちゃいましたですぅ。

「すみません。クレアさまの反応が可愛いかったもので、年甲斐もなく意地悪をしてしまいました」

 心から反省してます。とバツが悪そうに苦笑いし

「でも、半分は本当のことなので、くれぐれもこのことはご内密に」

 そう念を押す老人に、クレアも黙って頷くしかなかった。


 知ってはならない惑星ナァーの王位継承宝具。

 格納庫を出た直後、人目を避けて銀河宇宙船登記局のデータベースに照合してみれば……予想どおり、現在までのキャッツベル号における武装履歴がなかったのだ。

 ――これでは亡き者にされても文句はいえませんねぇ

 今更ながら、思い起こしただけで背筋がゾッとする。いずれにしても首を突っ込み過ぎたことには変わりはない。


 ――とんでもないことにぃ、ならなければぁいいんですけどぉ

 込み上がる不安に、幼女が眉根を寄せていると

「お嬢ちゃん、お嬢ちゃん。顔色がすぐれないみたいだけど、大丈夫かい?」

 母性が強く情に厚い猫族。それだけに冴えない顔をする子供を放っておけなかったようだ。

「ちゃんと、ご飯食べてるのかい?」

 何だったら、コレお食べ。と色鮮やかな果物を、幼女の手に握らすオバちゃん。

「あ、でしたらぁ、お金払いますですぅ」

 背中の鞄からお金を出そうとした途端、オバちゃんに手を押さえられた。

「いいから、いいから。子供が遠慮なんかするもんじゃないよ」

「こう見えてもぉ、大人なんですよぉ」と代金を巡ってオバちゃんと譲り合いをしていると……周囲の喧騒に混じり、得も知れぬ思念が頭の中に滑り込んできた。

 ――トオル……トオル……

「お嬢さまぁ?」

 弱々しく繰り返される心の声に、周囲を見回すクレア。だが、道行く大衆が視界の妨げとなり、保子莉を確認することができない。クレアは手にしていた果物をオバちゃんに突き返すと、往来する人混みをかきわけて保子莉を探した。

「お嬢さまぁ。どこですかぁお嬢さまぁ!」

 すると行き交う人垣の隙間から黒髭男の後を追うトオルとローブを被った黒猫の姿を見つけた。

 ――トオルさまぁ?

 だが、すぐにトオルでないことに気づいた。

 ――もしかしてぇ、トオルさまがぁ話していた九斗くん?

 と、トオルと同じ顔の人間に気を取られた瞬間、通行人の足につまづいて転んでしまった。同時に周りにいた大人たちが心配そうに幼女を見下ろす。

「お嬢ちゃん、大丈夫か?」

 猫族のオジちゃんに両脇を抱えられ、ヒョイっと起こされた。

「ちゃんと前見て、歩かないとアブないぞ」

「ありがとうございますですぅ」とクレアはペコリと頭を下げ、急いで三人が向かったと思われる方へと走る。……が、すでに三人は雑踏の中に消えた後だった。

「お嬢さま……」

 大衆の賑わいにかき消されてしまった黒猫の心。トオルの証言どおり、猫の姿に変えられていた保子莉。それに伴い、トオルのクローンである九斗と非獣人の黒髭男の存在。推測だが、トオル本人がいないところを見る限り、アガミとの交渉が失敗に終わってしまったのだろうか。もしそうだとすれば、トオルの安否も気になって仕方がない。

 ――うーん……どうしましょう

 第一妃宮に向かうべきか。それとも保子莉たちを追跡するべきか。

 ――きっとぉ、向かった先は格納庫でしょう

 ダダ漏れだった九斗の思考を元に、幼女は三人が向かったと思われる場所に見当をつけた。

 ――だったらぁ、モタモタしてられませんですねぇ

 クレアはその場でメイド服を脱ぐと、迷わず大人へと変幻フォームチェンジした。

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