報われる時
少し明るくなりかけた朝、漁師の夫ジェイルを持つ女サリアは教会の前に来ていた。
何度ここに来たのかしら…
私達の子供が突然意識を無くし、目を覚まさなくなりました。
色々な人に頼り、目を覚ましてくれる様に考えられる手も尽くしました。
だけど回復する気配もありません。
(なんで私達の子供が…)
初めは神すら恨んでいましたが、神カロス様にすがる外、もう手は無いのです。
私の命と引き換えにしてもいい。
だけどその前に、子供達の笑う顔が見たい。
もう歩く事も辛い。食事もろくに取っていない。
夫も生活の為に仕事は頑張ってくれてるけど、目に見えて疲れきっている。
(だけどあの子達は生きている。私達よりもっと辛い思いをしてる)
何度も諦めそうになった…
神に祈る事しかできない自分の情けなさを噛み締め今日も教会の中へ足を踏み入れる。
何回も何十回も何百回も繰り返してきた行動…
だが、今日はいつもと違った……
いつも顔を合わせると軽い会釈をし、祈りを見守ってくれるシスターが、私を見るや奥に駆け込んで行った。
不思議に思いつつも神像の前に膝をつき神様に祈る…
(子供達が元気に、目を覚まして微笑んで………)
奥から慌ただしく、シスターと共に司祭様が現れました。
何事かと顔を上げると、司祭様が私の側に立ち話を始めました。
「神より神託を授かりました。」
!!!
「あなたのお子様ですが…………」
私は走り出してしまいました。
子供達の下へ……
司祭様の話、まだあったかも知れません。
シスターの私を呼ぶ声も聞こえました。
だけど家に帰らないと…
子供達の側に行かないと…
そう思った途端に走り出してました。