合格みたいだ。
よろしくお願いします。
運転中、目の前に車が飛び出してきたはずだ。
身に起きた事を思い出してみる…
「よろしいですかね?」
声が掛り振り向こうとするが、辺りは真っ白?
そして体を動かしている感覚も無い。
「不便そうですし、とりあえず…」
視界は真っ白なままだが、天井・床らしき感覚を覚える。なにより体?手足が動かせるみたいだ。
「言いたい事、聞きたい事とあるかもしれませんが、こちらの話を聞いて下さい。」
声の方へ向くと若い男?中性的な顔立ちの長髪の男が(声で判断したのだけど)立っていた。
彼は話を続ける。
「フジシロ マサユキさん、あなたは交通事故でお亡くなりになりました。いくつかの質問に答えていただきたいのですが?」
いきなりの死亡宣告も、考えてみれば当然。
死んでいてもおかしくないわな。
だが…
「車には母ちゃんとヒカリが乗ってたはずだ!」
「とりあえず母上様は隣に居ますよ。ヒカリさんに関しては質問の後にでも。」
男が指した先に母ちゃんが座っていた。
「質問を始めますね。信仰してる宗教などありますか?」
いくつか質問された。
母ちゃんは頷いたり周りを見たり、落ち着いてる様だ。
信仰してる宗教はあるか?
no 仏壇はあったけどお経も知らない。
日本人はクリスマス、正月、バレンタインその他と何でもやっちゃうからね。
人生に悔いはあるか?
yes 若くはなかったけど、まだ楽しい事もあったはずだし、死に方も納得できない。
進んでコミュニケーションが取れる?
家族仲は良かった?
ファンタジー世界に憧れは?
他にも色々聞かれて答えていったんだけど…
「合格です。後はマサユキさんの決断だけです、私の管理する世界で母上様共、生きてみませんか?」
死んだと言われてこのお誘い。
乗らない理由が無いよね。
「お願いします…」
「決定!詳細はこれからね。」
嬉しそうに男は言った。