これが俺のチート能力
小学生の時、俺はある特殊能力を手に入れた。
答えがわかる能力。
答えがわかるとは具体的にどういうことかって?
テストの時、問題の答えが青い文字で頭に浮かぶんだよ。
俺はこの能力を使って今までテストで満点を取ってきた。
もちろん高校受験でも使った。
でも別にカンニングをしているわけじゃないし、
問題用紙を見て問題を解こうとした瞬間に答えがわかってしまうんだからしょうがないだろ?
言い訳に聞こえるかもしれないけど、
答えを知ってるのにわざと間違えるのはもったいないだろ?
まぁでも今回のテストばかりは無理かな。
流石に習ってないものの答えまで分かるはずがない。
「まもなく1限目、数学の試験を開始します。
問題数は10問、時間は60分です。
全員が無事合格してくれることを願っています。」
10問か。以外に少ないな。
でも問題数が少ないということは、1問1問解くのが難しいってことだろうな。
やっぱり数学は諦めて次の英語を頑張ろうかな。
「それでは開始してください。」
先生の合図と共に皆はテストの問題を解き始めた。
さて一体どんな難しい問題かあるのだろう。
逆に楽しみになってきた。
「.....は?」
思わず声が出てしまった。
ありえない!
こんな数式、見たことも習ったこともないはずなのになんで答えがわかるんだ!
てかなんか謎の文字?のような物も書いてあるけど.....一応家で教科書を少し読んだから俺にでも分かる!こんなの高校では絶対習いません!
もしかしてどっかの天才数学者が解いてる問題を間違えてテストに出したとか?
はぁ...もういいや。
わかっちゃんだんだから仕方ない、答えを書いていこう...
60分後、テストの終了時間を知らせるチャイムが鳴り響いた。
『キーンコーンカーンコーン』
「そこまで。
今から問題用紙を集めますので、問題用紙を裏返して机の上に置いてください」
先生は皆の問題用紙を集めた。
そして、次のテストまで30分休憩だということを俺達に伝えて、教室を出ていった。
「サクヤくん!」
突然声をかけられ、俺は後ろを振り向いた。
そしてそこには美少女が!って違う!
何度も言うがあいつは男だ...
「なんだエルか」
「なんだとはなんだよ!なんだとは!」
エルは怒りながら俺をペシペシと叩いてきた。
やっぱり怒ってるエルもすごく可愛い。こいつが女だったらなぁ・・・・・・
「それで、俺に何の用だよ」
「よ、用がなかったら・・・・・・喋りかけちゃいけないの・・・・・・?」
エルは少し頬を赤らめながら言った。
なんなんだ一体。男なのに女より女らしいぞ。
もう男でもいいと思わせるくらいすごく可愛い.....
い、いや惑わされるな!
危ねぇ。あまりの可愛さにまた我を忘れそうになっていた。
俺は女が好きだ、俺は女が好きなんだ。
そう自分に何度も言い聞かせた。
「い、いや別にそんなことはない。ただ、エルが俺になにか言いたそうな顔をしてたから・・・・・・」
「えっとね!サクヤくんがちゃんとテストできたか心配で・・・・・・」
「あ、あぁ。俺は大丈夫だったよ。解けない問題じゃなかった。
そんなことよりお前はどうなんだよ?」
「僕は大丈夫だよ!勉強してた所が運良く出たから合格出来てると思う!」
「そうか!よく頑張ったな!」
そう言いながら俺はさりげなくエルの頭を撫でてしまった。
やっちまったなこれ。絶対に嫌われたよ。
そして恐る恐るエルの顔を見てみた。
「あ、ありがとう・・・・・・」
声が少し小さかった。でも感謝されたから嫌われてはいないようだな。
嫌われていないとはいえ、これ以上続けると萌死しそうなので俺はエルの頭から手をどけた。
恥ずかしくてエルの顔が見れない。エルは何も喋らないし・・・・・・
それから俺たちは15分ほど沈黙していた。
そして俺は勇気を出してエルに話しかけた。
「ご、ごめん!いきなり頭を撫でたりして・・・・・・」
「う、ううん。気にしなくていいよ!
そ、それより次のテスト勉強をしなくちゃ!」
「そ、そうだな!」
キーンコーンカーンコーン
「また、やっちゃったね・・・・・・」
「あぁ、もう気合でどうにかするしかないな。」
もっと早く勇気を出してエルに話しかけていれば!
もういいや。チートでもなんでも使ってエルと合格してやる!
「これより2限目、英語の試験を開始します。
が、今から呼ぶ2名は私と来てもらいます。」
え、まさか不合格者!?や、やばい俺だったらどうしよう・・・・・・
「神導サクヤ、エル・アルティア」
さっそく呼ばれた。やっぱり習ってないものはチート能力を使っても解けないんだな。
・・・・・・ん?でも待てよ?
なんでエルまで呼ばれるんだ?あいつはちゃんと勉強してたから、俺と違って高得点を出してるはずだ。
「サクヤくん、行こ」
「あぁ」
今色々考えても仕方ない。それに俺は元々異世界に行くつもりなんてなかったから不合格でも別に問題はない。エルは残念だけど、また来年頑張ってもらうしかないな。
そして、俺とエルは先生にある部屋に連れていかれた。
とても大きな部屋。部屋の中は真っ白で、色々な機械が置いてある。SF映画に出てくる研究室みたいな感じだ。
「さて、ここが研究室よ」
「え、えっとなんで俺たちは研究室に連れてかれたんですか?」
まさか不合格者は来年のテストで合格できるように脳を改造されるのか!?
お、俺は嫌だ!人に体をいじられるなんて・・・・・・
よ、よし。エルを連れて逃げよう!
「何をそんなに怖がっているの?
あ、そういえばあなたはイレギュラーでこの学校に入ってきたんだったわね。何も知らないんじゃ怯えるのも仕方ないわね」
「え、どういうことですか?」
「アルティアさん、彼に説明してくれる?」
「は、はい!
えっとね、僕達はさっきの数学のテストで満点を取ったから、次の英語の試験が免除されて、能力テストをすることになったんだ。」
「つまり俺達は不合格じゃないってことか?」
「そうだよ。僕達は無事に合格できて、異世界に一歩近づいたんだ!」
エルはとても嬉しそうだった。
そうか、そんなに異世界に行きたかったんだな。なら合格できて良かった・・・・・
そして次の能力テストをクリアすれば異世界に行けるんだな。
俺もせっかく合格出来たんだし、異世界目指してみるか!
「よし、じゃあ次のテスト頑張ろうぜ!」
「うん!」
「説明は済んだわね。じゃあ能力テストの説明をするわ」
能力テストか。どんなテストなんだろ?
まぁ能力テストだから答えがあるようなテストじゃないと思うし俺のチート能力は今回役に立たないかもな。
自力で頑張るぞ!