第三話 生命共同体になった
よろしくお願いしますL(・∀・o)
蛇と会話が出来た。
今さっきまで俺の事を食べようとしていた蛇と。
…マ、マジかーーー!?
あのスキル一体なんなんだ!?
何故に蛇と意思疎通出来んの!?
これ、俺はどうするのが正解なんですかね!?
誰か俺に答えを!!!!
狼狽えていたら、蛇に睨まれた。や、やんのか、コラァ!…冗談です。
『ちくしょー、久しぶりに人間喰えるかと思ったのによぉ、厄介なスキル使いやがって…』
「ん?このスキルがどんなものか分かるんですか?」
『…は?お前何も分からず使用したのか!?』
「あ、ハイ。」
いや、だって仕方ないじゃ無いですか!
確認する前にアンタに襲われるし、そもそも一発目は不発だぞ!?俺、こっち来てからまだ1日も経ってないんだぞ!?どうしろと!?
内心でぶつくさ文句言ってるとはぁと溜め息を吐かれた。…こいつ本当に蛇か?随分人間っぽいな。
『ステータスを開いた状態で知りたいスキルに触れれば効果が分かる。…ちなみにお前が使用したスキルは【特別能力】繋鎖心縛〈心命連結〉だ。』
「俺のスキルなのに詳しいッスね。」
『…お前のスキルのせいで詳しくなってんだよ!!!さっさと見やがれ!!!』
「へ、ヘイ。」
感心しただけなのに怒鳴られた。
自分を丸呑み出来るサイズの蛇が怒鳴ると迫力あるな。怖ぇ。何もそんなにカリカリしなくたっていいじゃ無いか。言われなくたって見ますよーだ。
えーと、本日2度目のステータスオープン、と。
言われた通りに繋鎖心縛の欄をタップする。
繋鎖心縛の効果は主に4つ。
心命連結:対象の意思と関係なく発動する。同格の関係が構築され、対象と自身の生命、肉体、知能、能力や、ほとんどその全ての魂に刻まれた情報を共有する。発動と共に、又は、定着後に天賦ノ才を対象に与える。一度発動すると取消不可。
契約章印:対象の承認が必要。主従関係が構築され、対象への絶対支配が発生する。発動と共に天賦ノ才を対象に与える。自分の意思で破棄可能。
感覚共有:心命連結の対象と契約章印を用いた契約者との感覚を共有する。自身が覚えているものなら、その場で感じていなくとも共有可。
思念伝達:人間、魔族等、種族問わずに思念での会話が可能。心命連結の対象と契約者であれば、どんなに距離がある場合でも使用可。そうで無い場合は視界に入る範囲のみ。
ほうほう。
で、俺が使用したのが、心命連結だと。
…生命を共有って、それってつまり───…
『死を共有してるって事だっつーの!!!
俺が死んだらお前も死ぬし、お前が死んだら俺も死ぬんだよ!!!』
脳内に蛇の絶叫が響いた。なるほど、これが思念伝達か───って、そうじゃねぇよ!!!
よく考えたら、かなり凄い能力じゃんか!思念伝達も凄いんだけどさ!
あぁ、だから蛇が俺を喰うの止めたり、俺の能力に詳しいのか。食べたら俺が死ぬ、つまり蛇も死ぬから。魂に刻まれた情報ってステータスの事だろうし。
『しかも、よりにもよって、弱っちい人間だと!?
そんな人間と俺が同格!?お前、Lv.1って馬鹿にしてんのか!?』
「俺だって、好きでLv.1になってんじゃねぇっゴホッゲホッうぅぅ…」
『いや、お前、喉痛いなら思念伝達使えばいいだろ…。』
蛇から呆れた目を向けられた。
爬虫類にそんな目をされるとか複雑だ。
まぁ、でもこの蛇が怒るのも納得である。
この蛇からしたらお荷物が出来たって事だもんな。
かなり強そうだし。それに比べて俺は弱いから魔物にヤられてぽっくり逝くだろう。
魔物に見つかる度心命連結使う訳には行かない。
お前なんかと同格になるくらいなら死んでやる!!!みたいなのが居るとも限らんしな。
そういう意味では、この蛇が一番最初で良かったよ。
弱っちい人間とか言ってるが話は聞いてくれるし。
俺としては素晴らしいボディーガードが出来て万々歳です。仲良くせねば。
えーと、思念伝達、思念伝達…心ん中で思う感じでいいのかな?
『では、これからも末永くよろしくお願いします。』
お、うまく行ったんじゃね?
『ふざけんなーー!!!
何開き直ってんだ、テメェは!!!』
ちゃんと伝わってるみたいだな、よしよし。
『無視すんじゃねー!!誰がお前みたいのと仲良くするか!!!』
『心命連結が定着しました。
天賦ノ才を付与します。…付与に失敗しました。
天賦ノ才付与の為、対象:黒氷蛇の進化を行います。…付与に成功しました。』
『あ?』『へ?』
例の機械的な音声が流れた、と思ったら、蛇の身体が発光し──…
黒髪に金色の瞳。端正な顔立ちの美丈夫になった。
『蛇人族への進化を確認しました。』
最後まで読んで頂きありがとうございます!( ̄▽ ̄)δ⌒☆