あの空 この風
君は もう帰ってこない
罪もないのに もう戻ってこない
苦しみ 怒り 憎しみに苛まれ
私はどうすることもできずに ただ涙を流すばかり
何にも分からない 分かりたくない
どうして君はいないのか 考えては
君のいない恐怖に震えあがる
私は青いあの空に君を描く
あの空が見ている
私と君を見ている
ともにいた時も 離れたあの時も
温かく私の胸の中にある
空に思いを馳せ
ただ静かに叶わぬ願いを願ってしまう
もう一度その時を
どうしても君を思うばかり
遠い地で血を流す私は ずっと
冷たく 少しずつ 私は死へと向かう
私はどうすることもできずに ただ死に恐怖する
生きたい 死にたくない
もう一度君を近くでと そう思っても
ここに君はいない笑わない
私は流れる風に囁く
この風が知っている
私と君を知っている
私の思いも 君の思いも
温かく私の胸の中にある
風に記憶乗せて
私の最後の言葉を君へと願い
風は空を駆けてゆく
悲しみにとらわれる私は
あの空に 君を重ねて
風に耳を傾け 見上げる
死にゆく恐怖にとらわれる私は
この風に 君を思って
空に君を描き 囁く
あの空は見ている
私も君のことも見ている
大切な記憶も 胸に秘めた思いも
私の胸に語りかける
遠い地であろうと
空には私とあの人を知る風が
吹いているから
この風は知っている
私も君のことも知っている
悲しみも 君の温もりも
私の胸に語りかける
遠い地であろうと
風はいつでも駆ける青い空が
広がっているから
一朝一夕に語っていい問題か分からないのですが、書きました
離れた地で死んでしまう人のことを思って書きました。
離れた地で死んでしまった人を思う残された人をイメージしました。
この詩は、まだ何も大事な人を亡くしたことのない私が書いたものですから、言ってしまえば、彼らの気持ちのほんの一部もわかっていないと思うのですが、それでも、分かろうとする努力はしたかった。
そんな感じで書いた詩です。