MMO小説を読み書きする前に入れたい基礎知識
これは現在連載しているMMOモノ作者に対する批判ではありません。
あくまでMMOモノをこれから書くであろう方に対しての情報提供が目的です。
いや、メリットも何もないのですけども単にリクエストです。
書き手として0.001人前の麦です。今回はSFジャンルで大人気のMMO物についての基礎知識について語りたいと思います。人気があるものと言えばMMOというより「VRMMO」なのでしょうけれども、基礎はやっぱりお尻についている「MMO」になると思うのです。
基礎知識なんてでかいことを言ってますが、単に私、麦が、MMOプレイヤーであったと言うだけであります。某ゲームは引退してからだいぶ経っていますが、当時一応レベルキャップであるレベル85カンストに達していましたし、引退後も帰還キャンペーンなんていう無料チケットを貰い1ヶ月復帰したのでなんとなくは「MMOとはどんなシステム」であるのかは理解できていると思います。読んで楽しいMMOモノですが、最低限予想されるシステムの壁というものもご理解いただければより世界観を作りやすいのではないだろうかと思うのです。
さて、長い前置きが終わったのでMMOとはどんなものであるかという話に入ろうと思います。
●世界観とゲーム会社の関係
MMOは本来分業が基礎にある世界観であります。一応ソロもできるようには改変されていくのですが、どのゲームもオープンしてすぐは、チュートリアルが終わった奴はPT組めよ!というゲーム会社の誘導にあいます。レベルキャップ(上限制限)が上がり初心者がこのままでは追いつけないという状態にならない限りはソロで進行はしにくいように作られているのです。どういったものかを出しますと、近接攻撃職は開始して一週間程度でお金の稼ぎと使用する回復剤の購入費用が赤字になるのです。遠距離攻撃の弓なんかは消耗品代で挫折します。魔法攻撃になるとMPが間に合わなくなり休憩が増えて、同じ時期にはじめた近接職とはレベルに差がつきます。ヒーラー職はオマケ程度の攻撃魔法では火力が間に合わなくなるのです。そこで出てくる小説でもおなじみ生産職さんですが、スタートの段階では買い取るだけではお金が足りないので自分で狩りに行ったりもしますが純粋ATK(アタッカー:攻撃職)ほど成長しません。そしてそんなに素材の優遇もしてもらえません。始まったばかり、少ない資産がいつ大金に化けるかなんてわからないのですから。
ですから基本皆さん、始まってすぐは群れます。ソロでちまちまやってたらいつの間にか皆を追い越していたということには、オープンしたてのゲームシステムでは有り得ません。盛りのすぎたゲームであれば課金アイテムアタックで経験値倍増させたり効率を上げたりは有り得ますが、ゲーム会社は人を群れさせようとしているのです。
群れた人々がどうするかですが、滅茶苦茶会話をします。狩りにもPTで出掛けますが基本そのメリットで繋がった集団からあぶれないためにも会話が必要になってくるのです。会話で繋がった人たちは時間を合わせてゲームに接続し、一緒に目標を達成します。それが平等になるようにとしているうちに1ヶ月、2ヵ月と経過し、ゲーム会社には月額使用料が定期的に入るのです。このゲーム会社のメリットから脱線しないことはゲームの寿命の長さを意味します。そしてプレイする側も息の長いゲームを望みます。ですからプレイヤーの数が多い設定であればあるほど職業の特性が強く制限がある設定になります。逆に万能型のプレイヤーが生まれたりネタに走れる遊び要素が多ければ、国内限定向けであったり、月額使用料を下げて低年齢層も取り込み引退者と同じだけ新規を増やせる、そんな経営であったりしなければ採算が合わないのです。
オープンしたてのゲームについて語りましたがではそうでないゲームはどうなのか。需要がなさそうなので簡単にご説明します。課金アイテムで小銭を稼ぎます。人が減って大きく儲けられないとわかると新ゲーム開発のために、課金アイテムでプレイをしないと追いつきにくくするのです。追いつくのも課金しなければならないし、トップ集団から外れないためにも課金が必要。そういう状態を作り出します。こうなると更に過疎化も進みますし、最強を目指さない人たちが出てきます。この最強を目指さない人たちは、新しいゲームでは淘汰されやすいですが、終わりが近づいてくると増えてきて効率無視のグループ形成はしやすくはなります。
●年齢制限などの法律
よくVRMMOものはそのVRの特性から年齢設定が設けられます。ではMMOではどうなのか。日本では課金設定は自己申告制なので誤魔化せますが、海外の場合はご存知でしょうか?ネトゲの本場である某国では社会問題になったことはご存知の方もいるかと思います。ネカフェで隣の席の人を刺しただとか、過労死する人がいたのでプレイ時間制限をかけただとか。一見事件が多いため無法地帯のように見えますがなかなか年齢制限の壁と言うのは厳しいようですよ。日本では忘れ去られた国民基本台帳ですが、この国では住民登録番号というものが導入されております。ネット上ではこの番号により年齢制限が課せられており、16歳未満は全ゲームが0時になると使用できなくなっています。そしてR18なんていうゲームにいたってはそもそも登録できないようにしているのです。シンデレラ法なんていうキーワードで探せば記事を見ることができるでしょう。
何故この国の話をしたかといいますと、MMOの本場であるからです。実は日本のオンラインゲームはだいぶ衰退しています。近未来にゲームの基準となるものがどこで作られるだろうと考えると無視できない要素だと思うのです。実際私のプレイしていたゲームも疲労度といいますか、MOBを倒せば倒すだけ取得経験値が低下、長時間プレイすれば強くなれるというものではないという「制限」がつけられました。この国産のゲームだったのもありますが日本のみならず展開している世界全部にこのシステムを導入していたのです。
一番法規制で大きい年齢制限ですが、じゃあ出てくる人全員の国と年齢設定を作るたびに確認しなければならないのかというところ。ここは現行どうなのかの設定から作る世界の年代を加算して考えれば作りやすいのではないかと考えます。私の基準ではありますが、現在制限されているモノより下方修正されることは早々にないと思います。簡単な表ではありますが「コンピュータゲームのレイティングシステム」というwikiページを見ればどこの国ならこの年でも「現段階」でプレイ可能であるかというものがわかると思います。
●ギルドシステムはなんなのか
MMOは群れるもの、と力説していましたがせっかく加入してもあまり設定として有効利用しにくいのでしょうか?小説になろう内では仲の良い人とか有能だと言う理由で勧誘描写がありますが入ったらどのような利点があるのか、その部分は所属しない人が多いのかあまりお見かけすることがありませんでした。MMO未体験の方でも書いたり読んだりするときにそのメリット・デメリットを知っていればより楽しめるのではないのでしょうか?実際にMMOの公式サイトでシステムを読めばわかるのですが、ここでは簡単に私がプレイしていたゲームであったものを幾つか紹介したいと思います。私が何をしていたのかバレバレなのですけども。
一番は同じギルドに所属していればステイタス補正がかかると言うものでした。自分のプレイするキャラクター自体もこんなアイテムを使ったり消費すればつく、というステイタス補正が可能でした。同じようにギルドでギルド員全体に補正がつくというアイテムを消費したり、バフ(魔法付与)を共用でかけられたり、ギルドで受けられるクエストがあったり、ギルドでもらえる報酬があったり。防御力や攻撃力、回復魔法の威力まで関わっているとボス、所謂レイド戦に参加することにも関わってきます。より広い遊び方がしたいのであればより多くの効果を求めて最低限の補正を得るために所属するのが通例でした。
次にある効果はシステム外ではありますが、集団の強さです。レベルや装備が整っていないといつまでたっても稼ぎの良いレイド戦に参加する資格が得られません。主催者が「何月何日に何々と言うレイドボスを倒しに行きます。募集する参加者は近接職だとレベル幾つ以上、何々装備以上、これを何人。ヒーラーは何々装備以上、何々という魔法を使えること、これを何人」なんていう募集をするわけですが、時間が経てば経つほど条件に該当する人は増えていきます。結局のところ毎回固定メンバーで参加している人か主催者なんかにコネがないと、同率能力だとか金欠で装備が間に合わない人はそのレイドを見ることができないままだったりします。そんなわけで「うちの何とかと言う奴、一度も参加したこと無いから連れていってやってよ」の一言を添えてもらったり、同じギルドの人に「お前連れて行くために主催してやる」とかしてもらうのです。勿論自分が主催するときも「今日来る予定の近接職がこない。足りないから急募するけど、誰か予約入れてないけど暇な人いる?」と補填にギルドメンバーから募ったりすることも容易いのです。自分の仲良しの範囲外の人を集めるのにとても有効です。うまくいけばもっと遊ぶ範囲が広がったり、友人が増えたりします。
あとは問題にもなりがちですか「寄生」でしょうか。レベルの高いMOBを倒せば適正レベルのMOBよりもより経験値が大きくなります。これは難易度的なものでしょう。同じギルドであるというだけで仲間の強化をしたい人、されたい人が組み、普段ではできない効率的経験値稼ぎに出かけられます。よっぽど仲がいいというわけでない限り、ギルドの人に頼む以外にできない方法です。新人歓迎会としても用いられやすいため、効率を求め、リターンをせずに誰かに放り出されるまで「寄生」してはギルドを渡り歩く人がいます。こういった「寄生厨」と言われる人はMMO内でPKよりはるかに多く、プレイしていれば必ず見ることができる嫌われ者です。
システムについても少し増やしたいと思います。それは「戦争状態」です。私がしていたゲームでは月に二回ほど公式の戦争(攻城戦:ギルドで城を取得してボーナスを得れる)がありましたが、それとは関係なく常時戦争状態が取れるシステムでした。ゲームによっては時間と人数と相手がいればいつでも時間制限つきでできるというものもあるようですが、私がしていたものは常に対人戦ができるというものです。通り魔的PKではなく、ギルド対ギルドという構図で見つけたら殺す、見つかったら交戦する。というわかりやすいものです。これは人数が偏ってもいいもので、早い目に頭数を揃えて相手を戦闘不能に陥らせるものでした。MOBより中身のいる相手と戦いたい人には都合の良いシステムです。しかしながら敵対組織もいるわけですし、当然まけっぱなしだと腹が立つので動けるギルド員がいるときは勝てる喧嘩を売るために「巡回」をします。あちこちの狩場をぐるぐる見回って、みつけたら取り囲むのです。私がいた鯖(サーバー:ネトゲをする人は好きな雰囲気に合わせて好きな鯖に住み着く。県民性、国民性のように対人好きだとか平和主義だとか、人が多い、少ないなど同じゲームなのに空気が違う)は、このどこでも戦争状態システムを嫌ったため、鯖住人自体が一方的戦争状態開始をするギルドを悪役と扱い、大人数でないと倒せないレイド参加から締め出したり、彼らを受け入れる主催のいたギルドを悪し様に扱う風潮もありました。連合組織を作って殲滅戦になったことも。別の鯖では、二大ギルド制になり、対人好きにはたまらない環境なのに、戦いたくない人や小さなギルドが子分になったり隠れたり逃げつつプレイするなんていうところも。ギルドはそういったゲーム内での雰囲気を左右する存在だったりするのです。
●アイテムの色々
VRMMOものはなんだか沢山アイテムがあって少し羨ましいMMO元プレイヤーです。皆さんもご存知のようにアイテムには色んなわけ方があります。よくあるのが「装備・消耗品と素材・クエストアイテム」というわけ方でしょうか。これは身につけるものと、使えば消えちゃうもの、クエストの進行に必要なものといったわけ方です。まず装備ですが、ゲームによってまちまちで、レベルで着るものが変わるよと言うシステムと耐久度がついてるよというシステムがあります。レベルのものは生産者のレベルも上がらないと着るものがありません。いつまでも3段階下の装備を着ている猛者も知っていますが、基本新たに戦うものに対して耐えられなくなるので結構必死になります。そして耐久度、これも鍛冶スキルなんかがないとゲームが止まってしまいます。どちらもゲームの進行上、生産者などに頼むか強い敵が落とすのを祈るかですが、結局お金が必要になります。よりゲームに入れ込ませるためにはこの経済を回すシステムをゲーム会社はかなり本腰で入れてきます。経済システムが良ければ良いほどゲームにはまるらしく、場合によっては経済学者なんかをスタッフに入れてシステムを作っている会社もあります。その一番高額商品がこの装備です。高額レア素材がいる、在庫品薄素材がいる、超レアドロップである。希少性を全面に押し出してきて、中堅層が普通に着ているものも目的が装備になるくらい四苦八苦する額にします。私が知っている人のほとんどが装備を整えるのが目的でしたし、別ゲーでは装備を維持するために好きでもないのに効率重視にしなければならないという人もいました。よって最強装備をフルで常に持っているなんていう人は廃神様なんて呼ばれ方もします。まぁ廃神様が廃神である所以は装備だけではないのですけれども、少なくとも廃神への第一歩です。そこそこの装備でそこそこの稼ぎでというプレイスタイルではない限り普通のお友達付き合いでもなくなるのです。消耗品やクエストアイテムについては割愛します。
次に別の分け方での話をしたいと思います。「生産アイテム・ドロップアイテム・課金アイテム」です。小説というくくりで言うとあまり気にされないわけ方かもしれません。ですが実際プレイしているとこのわけ方により希少性というものを感じ、なんだかけち臭くなったり、なんだか大盤振る舞いしたりという行動に直結します。生産アイテムは勿論生産者であればさほどではないでしょうが、どれだけ材料がかかってるか、どれだけ市場に出ているか、今日の相場は幾らであろうか。そんなことを考えてしまうものです。ドロップアイテムも何を倒せばどれくらいの頻度で出るものなのかすごく気になります。素材だったらあまり気にしないかもしれませんが、装備品、ゲームで言う「現物」というレアドロップがされると(確実にレア。何故なら沢山出ると生産職等の経済ダメージが多いから)どんなに大したものでなくとも自慢して回りたくなります。これがレイドで大人数で倒してオークションで買い取れたりしたら「これ、幾らだったんだぜ」と絶対に金額の話になります。新アイテム実装になるとしばらくその話ばかりになります。そして課金アイテムですがこれは公式RMTと言われ、沢山使うと廃神様あつかいですが、全く買わない人でも一度は使いたいくらいのかなり良いアイテムだったりします。小さいもので100円くらいから買えます。私の知る一番の課金アイテムですが某変身術を覚えるアイテムでした。課金で貯まるショッピングポイントがリアル100万円を超えたら交換できるらしく、一体何をどれだけまとめ買いをしたのか(ギルドで消費するものを一つのアカウントに一括していたという噂もあったが真偽不明)。そんなわけで課金アイテムと言うものはゲームバランスを崩しかねなかったり、100円から100万円までとなんとも言いがたい経済事情が見えるアイテムです。
●一般プレイヤー以外の人々
一番の知名度はPKでしょうか?実のところPKというのはそんなに多くありません。多くのゲームではPKK(プレイヤーキラーキラー:PKを倒す人)になる人の方が多かったりします。どうしてかといいますと、ギルドなんかにいてPKにあうとギルドがなめられたら困るとすぐに高レベルの怖い人たちがオマケ程度の救助と討伐に来ますし、ギルド関係なしに広域発言で「どこどこでPKあいましたー」というと個人間やり取りの囁き機能で「PKの名前は?」と聞かれ、気付けば最寄の村には豪華装備の討伐隊が立っていたりするのです。いい大義名分ができるのでちょっとしたイベントのノリでPKKが大量に出てくるのです。本当に暇な人が多いときなんかは鯖掲示板に「どこにでたPK情報」なんてスレッドが立ち、どこにでた、なんて名前っぽかった(個人名は誹謗中傷扱いされるので濁して情報拡散します)、どこで何ギルドと交戦中、ドロップは何だった、どこに逃げた、追撃に英雄のなになにがスキップして向かっている、なんてことにもなります。場合によったら交戦するけど野次馬に行く、なんていう人もいますからPKK予備軍はかなり多いのです。村の出入り口全包囲網なんていうのも見れたりします。
小説ではあまりみかけませんが(VRの特性上でにくいのかも)、RMT野郎とBOTerなんていうのもMMOでよく見る一般以外の人たちです。RMTはリアルマネートレードの省略で、実際のお金、日本円などでゲーム内のお金を売買することです。ゲームのお金はゲームで稼ぐという基本ができていない人たちで、これはゲームの経済システムを破壊しかねず、ゲームの運営会社からも違反行為として扱われています。現実では業務妨害として訴えられ罰金ものです。つまり犯罪です。ですがネット上でRMTと検索すると沢山の業者が正々堂々ウェブページを持っていたり、ゲームの攻略ページのバナーに何故か広告を出していたりなんともいえない存在感を出しています。ゲームを愛する一般人からしてみればRMTをしている人はゲームの寿命を削る害虫です。急に羽振りが良くなったりするとRMTなのではと疑われます。その悪評の強さから事実と関係なしに嫉妬や疑惑の段階でこの不名誉な冠をつけられることもあります。この評判をもっている人がいないMMOは恐らく無いでしょう。さて、そのRMTですが業者はどこからゲーム内通貨を得ているのでしょうか?それは買取だけではありません。転売などの資産の運用もあげられますが、BOTというものがあります。このBOT、語源はロボットだと聞きます。ゲームの規約で禁止されているツールを使い手作業ではなく自動で狩りをしてドロップしたお金を稼いだりしています。BOTの動きは単調で、例えばMPを消費するスキルを使わずずっと殴るだけであるとか、横殴りしても気にしないで続けるとかそんなものです。動画などで「BOT討伐」なんていうのを探せば如何に単調でBOTであるかを確認してから清掃しています。ゲームの害虫なのでBOTを殺すことは一般プレイヤーにとっても大した問題ではありません。「中の人いますか?」と最終確認も行います。そしてずっとではないが何台ものPCをたまにチェックしているのでしょう中の人が帰ってくることもあります。攻撃したら帰ってくるというものもいるので警報システムでもつんでいるのでしょうか?その中の人は大概日本語が通じません。微妙な日本語で、指導してやるとそのまま日本語の勉強を始める業者もいたとききます。日本語が話せませんから当然キャラネームもおかしかったりします。所属していたギルドの人が中国語を話せたのですが、「お前の母ちゃんデベソ!」レベルの悪口をしゃべっているそうです。そうでないゲームもあるのですが国別に言語を入れているのでネットゲームでは国に滞在しないで接続することを禁止していたりもありますし違法接続の業者ではないのか、とか、本当にしゃべっている言語の人間かもわからない、ということも付随しておきます。
別の項目で「寄生厨」についても話したので「廃人」についても入れたいと思います。廃人は人を捨てたものの成れの果てです。リアルを犠牲にしてキャラクターに魂を込めていることは周知の事実ですが、MMOプレイヤーからみた廃人はどんな存在であるかを伝えたいと思います。敬意をはらうべき存在です。30歳を超えてもアレをできていない男性を魔法使いというように、馬鹿にしているような、けど面と向かって否定できないそんな至高の存在です。リアルの世界でなら何とでもいえるでしょう。しかし同じゲーム、同じ穴の狢です。否定してもメリットは一つもない。それよりも色々教えてもらったほうが得です。よって誰も馬鹿にしません。至高の存在である廃人の更に頂点、廃神様は崇めることはあってもたてつくことは万に一つもありません。皆がいつか辿りつきたい場所を常に駆けて、いつかは着たい装備をして、いつかは辿りつく敵を真っ先に倒し、攻略法を広めてくれます。彼らはとても親切です。そして彼らの性格によって鯖の空気も変わることでしょう。
●中の人のリアル
MMOは廃人だらけ、プレイしたことがない人はそう思う人も多いようです。逆に普通の人だらけ……そんなこともありません。頭のおかしい人もいますし、頭良すぎな人もいます。クリスマスやバレンタインにやけくそな人もいればデートに行って来る宣言をする人もいます。会社と言うより義務教育の学校や町内、選定をせずに集めたらこんなに色々という具合の集まりです。男女比でいうと男だらけということもありません。ちゃんと会って脱がせたのかといわれるとそんなことないですけどとしか言えませんが、スカイプなどで話してみると案外性別や年齢などで偽りを述べている人はいなかったりするのです。MMOは気付けば生活に入り込んでいくものです。ロールプレイをする人もあまりいず、普通の友達感覚で付き合いをしていたりもします。一々設定を作り、なんていう遊び方は廃神様くらいしかなさらないのではないでしょうか?話を聞くと普通の人からヘビーな人までいます。会社の部下が上司がなんていうのも聞きますし、子どもが旦那がなんていうものもあります。生活保護が選挙がなんていう話もありました。括りようがありません。面白いものならなんかカッコイイからと盾職(攻撃を受ける担当、堅い)をしている70歳越えのお爺さんがすごくうまいプレイをすることでしょうか。ネットカフェなどなら無料で入れるものもあるので少しのぞいてみてはいかがでしょうか?
中の人で考えると「ネカマ」を気にする方が多いと思います。確かにいます。宣言している人と言葉の柔らかさなどで勝手に思われている人といるのですが宣言ネカマはあまりいないでしょう。私は彼氏から誘われてはじめたのですが、彼は言葉がマイルドすぎたので女性と思われていました。おかげさまで私はプレイ10分で「ネカマ」疑惑をかけられました。こういう事例は結構あるようで、「恋人に誘われてきた」「夫婦でプレイしている」などの発言から二次的三次的に「ネカマ」や「ネナベ」疑惑が浮上することもあります。ある人がアバターも喋りも男性っぽかったのに「おかあさん」とぽろっと呼ばれて親子プレイヤーだとわかったこともあります。アバターは正直あてになりませんし、自分の性別と逆を使うことに関しては日本では寛容です。彼氏の発言を引用しますと「なんでゲームでむさい男のしりを見ていないといけないんだ」だそうです。別の人の発言をもってきます。「女のほうが後ろから見ていて肩は狭いし腰が細いから視界が良い」そんな人もいるようです。逆に男アバターをつかう女性の話も載せてみます。「イケメンを育てる、ジャスティス」「女性の装備は露出が酷い、こっちのほうが堅くなったなって思える」
●最後に
色々書きましたがこれは批判ではなく、MMOというジャンルにどんな要素があるのかをお伝えできればと思い書かせていただきました。当然やってきたから書いてんだって眉唾な人もいるでしょう。しかし私は思うのですよ、もっとどういうものかを広めていけばこのジャンルにふれる人がより楽しめるのではないのだろうかと。小説の裏ではこんな話をしているのだろうかとか、これはこういう組み合わせが普通だろうからかなり意外性があることだと思えるなとか。そんな楽しみがより多くの方に増えますように!元MMOのヒーラーの落書きでした。ご拝読ありがとうございました。