表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主役になれない傷モノ令嬢は、宮廷魔術師に抱擁される   作者: 米野雪子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/27

デート?の約束



4日後、離縁申請状が国王陛下より異例の早さで受理された。

内容が内容だけに、夫の同意なしで特例の離縁成立だったそうだ。

白い結婚で妊娠の可能性もない。

そして多分、私の過去の冤罪事件で王家は後ろ暗い罪の意識がある。

多分、王弟妃が手を回してくれたのかもしれない。


調停官が直接侯爵家に赴き、離縁状を持って決定事項を宣言したら、 

旦那様は非常に抵抗したらしい。

俺の同意が無いのに何故通るのか納得いかない、俺の妻だと叫き散らして、

酷い有様で、こちらの説明も理解する気もない、

子供のヒステリーのようだったと。


逃げて正解ですよと、ハイゼン調停官に言われる始末。


賠償金と慰謝料も死ぬほど貰えるので、何処かに屋敷でも買おうか思案中。

恋人囲ってる元旦那様には、はした金でしょうが。


法的な拘束はあるが、まだ納得していない元旦那様がそれを無視して

接触してくる可能性はあると言われ、護衛に騎士を雇うように薦めらた。

だけど、騎士にトラウマがある私は断った。

寮から図書館の職場までは歩いて5分程だし、寮には常に警備員が居るし、

出掛ける時は1人じゃなければいいと何とか認めてもらい

晴れて自由の身になった。


当分大人しくしていれば、殆ど接触のなかった、

名ばかりの元妻など旦那様は忘れるだろう。


元侍女のアンナは、時々友人として遊びに来てくれる。

そして、侯爵家の様子を教えてくれた。


恋人さんは私が居なくなったのを知り、本館の私の元私室に勝手に移り、

それを知った元旦那様が烈火のごとく怒り散らし、追い出されたそうだ。


やっぱり恋人枠が嫌で、正妻になりたかったみたいですよ?

教養もマナーもないくせに。としたり顔で話すアンナは、

奥様が居なくなってから侯爵家の雰囲気が最悪で、

もう辞めようかと考えている使用人が多く、

アンナも例外に漏れず転職先を探しているそうだ。


元旦那様はつねに不機嫌で、恋人さんに早く出て行けと暴言を

吐いているらしい。ほんと不誠実な最悪の男。


使用人達の立場を考えて心が痛んだが、寂しいけど奥様があの獣から逃げられて

本当に良かったと皆言っているから、気にしないでくださいと労らわれた。


お昼は、相変わらずヴァレリー様と一緒だが

ランチボックスが用意できなくなったため、外食になった。

護衛変わりにもなるし、いいじゃんと司書長にも言われ、

何だかズルズルと付き合いが続いている。


一応後見人の叔父夫婦にも、契約結婚をやめて離縁をしたと報告。

今は職場の近い寮に入居していて快適だし、大丈夫だと手紙を出した。

困ったことがあれば、いつでも頼りなさいと優しい返信を貰った。



「リリィ、離縁成立おめでとう」


「ありがとうございます…色々お世話になりました」


「で、話してくれるんだよね?何で俺を遠ざけたのか」


「い、今ですか?こんなランチタイムに…人目もあるし…」


「じゃあ、夜ならいいの?」


「…あの結構、重い内容なので…」


「そうか。じゃあ、金曜の夜は?離婚祝いにプライベートな個室がとれる

 レストラン予約するよ。それならいいだろ?」



何かこの人…ぐいぐい来るんですけど。いや友人なら別にいいのか?

でも、離婚した途端、他の男とすぐに親密にしているのは…

流石に外聞が悪いんじゃ…


いや、待て。もういいのか。離縁したんだし。

いつまでも回りの目を気にしてグズグズしている自分が、

何だかアホらしくなってきた。


やっと自由の身になったのだ。

領地経営の仕事もしなくていい、表向きの妻も演じなくていい。

私は私の為に生きていいんだ。



「司書の仕事の時は制服があるから、普段着が全然ない…」



クローゼットを開けてしばし、呆然とする。

実家でも侯爵家でも豪奢なドレスとコルセットが嫌いで、

いつも上は白ブラウスに下は腰高の黒いフレアロングスカートだった。


そう、私はお洒落とは縁遠い女だった。

流石に週末のレストランディナーに制服では行けない。

給料も出たし、ワンピースドレスでも買いに行くか…



「司書長…あの服ってどんなのが私に似合うのでしょう?」


「え?何?いきなり」


「私…私服全然持ってないんです…」


「ふふん♪シュタイナー殿とデート?」


「違います!」


「別にいいじゃん。もう独り身なんだし。あんたの人生でしょ。好きに生きな」


「で、どんなのが似合うと思います?」


「そうね…あんた顔は可愛いけど、体型がスレンダーだから、

 シンプルなのがいいんじゃない?シルエットが綺麗な感じの」


「…色は?」


「そうねぇ…あんまり着ない水色とかどう?似合うと思うわ。

 あと薄いラベンダーとか、白もいいわねぇ」



結局、仕事終わりに司書長を連れて選んで貰った。

水色、ワインレッド、ラベンダー、白、黒のワンピースを購入した。

シンプルだけど形が綺麗で上品に見える。流石は司書長。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ