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上州義理人情伝「アン ころ もち」  作者: 苺鈴


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第31話 朝食と登校

 僕とサクマは、遅い朝食をとるためにホテル内にあるカフェにやって来た。


 現在時刻は8時50分、もう学校の始業時間を過ぎてしまっているから、遅刻確定だ…。


 別に皆勤目指してるわけじゃないし…。


 担任には朝ごはん食べてから、連絡すればいいや……。


 朝食は、トーストとハムエッグにサラダとスープと、オーソドックスな洋風メニューだ。


「望月…。昨晩は、本当にごめん…!!」


 朝食を食べ終えるとサクマが急に、僕に向かって言った…。


 サクマからの謝罪は、これでもう10数回目だ…。


「サクマ~。だから、もう謝んなくていいって…。僕、もう全然気にしてないからね?まぁ、僕の処女は、ホテル一泊と、鳥めしとケーキと朝食代くらいの価値はあったでしょ?www」


 僕は、なんとなく場を和まそうと茶化してみた。


「バッ、馬鹿やろう…ッ!俺は、そんなつもりで…!お前にあんなことしたわけじゃ…っ!!」


 根がクソ真面目なサクマは、顔を真っ赤にして叫んだ。


「ごめん…!冗談で言ったんだよ…。」


 サクマは、罰の悪そうな顔のまま黙ってしまった…。


 あうぅ…。やっぱり、また気まずくなっちゃった……。


 僕は、サクマと転校前みたいに戻りたいだけなのになぁ……。


 サクマとは、幼稚園からずっと一緒で、お互いに何でも言い合える仲だったのに……。


「―――俺、親父に電話してくるわ。こっちにいる間は、定時連絡するように言われてるんだ。」


「うん……。」


 サクマは、席を立つとカフェを出てロビーの方へ向かって言った。


 僕は、食後に運ばれてきたコーヒーに口を付けた。


 紅茶と選べたけど、サクマがコーヒーだったから、僕も同じのにしたんだけど…


 ミルクと砂糖を多めに入れても、やっぱり苦いや……


 このまま……サクマとの関係は、気まずいまま終わってしまうのだろうか……?


 そう思うと、あんまり好きじゃないコーヒーが余計に苦く感じる……。



「―――あっ!いたいた!おはよう、アンズぅ~♡!!」


 僕のところにアンリがやって来た!?


「アンリ…!?なんで、ここに…?」


「聞いてよアンズ~!それが最悪だったんだよー!僕、今日は遅刻しないように、せっかく早起きしたのにさー。僕の家の近所で何か事件があったらしくて、道路をお巡りさんが検問しててさー!

 それで大渋滞起こしちゃってて、このまま学校行ってもどうせ遅刻になるなら、アンズに会いに行こうと思って!ホテルに電話したら、まだ朝食を取ってるって聞いたから、来ちゃった♡!」


「うわぁっ!?ちょ、ちょっと…!アンリ、ここではやめてよぉ…っ!」


 アンリは、人目もはばからずに僕に抱き着いてきた。


 平日とはいえ、カフェでは大勢のお客さんが朝食を取っている。


「――あれ?聖さん!?どうしたんですか?」


 電話から戻って来たサクマが驚いたような顔でアンリを見ながら言った。


「おはよう、まりりん!ボク、アンズをお迎えに来たんだー♪アンズ、ボクんちの車で一緒に学校行こう♡!」


「いいよ…!僕はバスで行くから…。」


 昨夜は、サクマと…あんなことがあったせいか、なんかアンリと一緒にいずらい……。


 なんだろう…?


 この罪悪感みたいなのは……?


 べっ、別に僕とアンリは、まだ付き合ってもいないし…!!


 昨夜のアレは、事故みたいものだし……!!


 別に、僕はアンリに対してやましいことなんか……!!


「アンズ!遠慮しなくいいよ~?まりりんも、どっか行くとこあるなら、そこまで一緒に送って行くよ?」


「聖さん。では、お言葉に甘えて、俺も学校までお願いします。実は、さきほど俺の親父から、貴方達の通っている前橋X高校で例の事件の聞き込み調査をするように指示を受けました。」


 サクマが僕達の通ってる学校で聞き込み調査!?


「うん!いいよ♪ 学校で事件の調査なんて、まりりん、かっこいいねー!」


「聖さん。すみませんが、部屋に荷物を取りに行って来てもいいですか?」


「うん!ゆっくり行っといで♪ アンズもね♡?」


「僕は、バスで行くから…!」


 アンリともサクマとも気まずくて一緒にいられないよ…!!


「いや、望月も一緒の方がいいだろう。例の事件もあることだし、単独での移動は控えた方が良い。」


「サクマ…!?」


「そうだよ、アンズ!まりりんの言う通りだよ~!みんなで一緒に学校行こう♪」


「わかったよ…。」


「じゃあ、ボクはホテルの駐車場で待ってるから!二人とも、ゆっくり準備して来ていいからね~?」





☆☆☆

☆☆☆☆

☆☆☆☆☆




 僕とサクマは、黙々と各々の荷物を準備して、ホテルの玄関を出ると、アンリを乗せた黒塗りの高級車がホテルの入口の前で待っていてくれた。


「聖さん、お待たせしてすみません。」


 車に乗り込むと、さっそく聖がアンリに言った。


「まりりん、気にしないで!全然待ってないよ~。えへへ♡ ボク、友達と学校行くの初めてなんだ~。ボク、身体が弱いせいでずっと車通学だから…。今日は二人と一緒ですっごく嬉しいよー♪」


 アンリは、嬉しそうに僕とサクマを交互に見ながら言った…。


「聖さん…!」


「アンリ…!」


「あっ!そうだ♪ 二人とも、良かったら、放課後うちに遊びに来ない?ママがアンズに会いたがってたからさー!まりりんも昨日のお詫びにママにサイン書いてもらうから、一緒においでよ~?」









 




 

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