第26話 猥談
サクマが突然、この群馬県前橋市に来た理由があの中高生連続失踪事件の捜査協力だったなんて!!
「あーっ!?もう6時過ぎてるね!ボク、もう帰らなくちゃ…!!」
アンリが壁にかかってた時計を見てあわてて言った。
「聖さん!最近、なにかと物騒ですから、聖さんみたいにお美しい方がひとりで帰るなんて危険です!俺が警察関係の方にお願いして車でお家までお送りしますよ?どこにお住いなんですか?」
サクマが心配そうにアンリに尋ねた。
「大丈夫だよ!6時頃、ここへ車で迎えに来てくれるように、家の専属ドライバーさんに頼んであるんだ♪だから、ボクもう行かないと…。アンズは、どうする?ボクの車で家まで送って行こうか♡?」
「ううん、いいよ!僕、自力で帰れるから…。」
アンリの家には、昨日泊めてもらって学校まで送迎までしてもらったんだもん。
これ以上、ご迷惑はかけらない。
「あっ、そうだ!望月。良かったら今夜、ここに泊まっていかないか?実は、俺の補佐で親父の部下の人も一緒に泊まる予定だったんだけど、その人、急用が出来て一日遅れて来るんだ。料金は、もう事前に2人分で払ってあるから、なんか勿体なくてさー。お前もばあちゃんが旅行中で家帰ってもひとりなんだろ?」
そういえば、よく見たらこの部屋ツインルーム(ベッドが二つある)だ。
「僕は、いいよ。こんなお高いホテルに、ただで泊らせてもらうなんて、悪いよ…。」
「アンズ!遠慮しないで、まりりんのご厚意に甘えなよ~?ほんとに最近、物騒だもんね!まりりんと一緒の方が絶対、安心安全だよ!アンズがお家にひとりぼっちでいるんじゃ、ボク心配で眠れないよ~?」
「望月。俺もお前といろいろ話したいし(聖さんのこととか♡聖さんのこととか♡♡)今夜は、ここに泊まってけよ?」
「そうだよ!アンズがここに泊まらないなら、ボク、心配で家に帰れないよ~?」
「よろしかったら、聖さんもご一緒にどうですか♡?勿論、宿泊料金は俺が全額持ちますので♡!!」
んんっ!?
サクマのやつ、なんでアンリまで、ここに泊まらせようとしてるんだ…?
「あははっ。そうしたいけど…ボク、持病のせいでママから外泊は、禁止されてるんだ…。ごめんね…。」
「そう…ですかぁ…。残念だなぁ…。俺、もっと聖さんとお話したかったんですけど……。」
サクマが本当に残念そうに、肩を落としながら言った。
「まりりん、しばらくここにいるんでしょう?だったら、ボクたちまた会えるよね♪――あっ、電話鳴ってる!多分、ボクのお迎えが来たんだ…。それじゃあ、二人ともまたね~♡!」
アンリは、僕達に手を振りながら部屋を出た。
「はい!聖さん♡!お気をつけてお帰りください♡!」
サクマは、デレデレした顔でアンリに手を振り返している…。
「サクマ…!?お前、まさかアンリのこと…!?」
「勘違いすんなよ!!俺は、ノーマルだ!普通に女の子が好きだから!でも…聖さん、男だけど、すっげぇ美人だからさぁ…♡! あぁ…っ!心配すんなよ?俺は、親友のお前の恋人を略奪するようなことはしないからさ!」
「ふぁっ!?べっ、別に…!アンリは、僕の恋人じゃないよぉ…!!」
「えっ!?マジで♡!?じゃあ、俺にもまだチャンスがあるってこと♡!?」
はぁっ!?
こいつ、まさかアンリのこと狙ってんの!?
「チャンスって何だよ!?たしかに、アンリはとてつもない美人だけど…男だからな!!だいたい、お前、他校に彼女いるんじゃなかったっけ!?」
「あぁ。でも、あの可憐で容姿端麗な聖さんと、俺の彼女みたいな並みの女子じゃ…まさに月とスッポンなんだよなぁ~。」
「サクマァ…!冷静になれよ…!いくら、アンリが綺麗だからって、男なんだぞ!?(大事なことなので2回言いました)」
「別に男同士だって、やれないことはないんだぞ?童貞の望月君には、わからないと思うけどwww」
「サクマ…!?おっ、お前、まさか……男と…そのぉ…致したことあるの…!?」
ちなみに、サクマは中2の時に―――僕の元カノで童貞卒業している……。
「いやいや!さすがに、俺だって野郎と寝たことはねぇーよ。でも、相手が聖さんなら……♡」
「や、やめろーっ!!僕のアンリで変な妄想すんな~ッ!!」
「僕のアンリって…!?望月ィ…やっぱ、聖さんとデキてんのか?」
「変な言い方しないでよ…!!僕とアンリは、そういう関係じゃないんだよ~!!少なくとも、僕は、アンリと……男同士で…そういうことは……っ、したくない…っ!!」
というか、想像できないし、想像したくもない…!!!
「そうだよなぁ…。やっぱ、体格的に望月がヤラれる方だもんな…?」
僕がアンリにヤラれるぅ―――――!?
「ばっ、馬鹿やろぉ~ッ!!サクマの変態ッ!!これだから、男子校野郎は…!!」
僕も転校するまでは、ずっと男子校だったからわかるけど――男子校という女人禁制の野郎だけの無法地帯では、常にデリカシー皆無の下世話で卑猥な猥談三昧だったんだ…!!
「じゃあ、望月があの聖さんを抱くっていうのか?」
「サクマァ…ッ!悪いけど、僕、もう帰るね!!」
こんな頭ん中ハッピーセットな奴と一緒に一晩過ごせるか!!
「待てよ!?望月、ごめん!!俺が悪かったよ…!ひさしぶりに、お前に会えたから、つい……ハメ外して、こういうぶっちゃけたバカ話をしたかったんだよ…。俺、望月が急にこっちに転校しちまって……さみしかったんだ……。親父の仕事の手伝いでも、俺、お前がいる前橋市に来れて嬉しかったんだ…。」
「サクマ……。」
「もうこれ以上、聖さんとの関係は詮索しないからさ…。今夜は、一緒にいてくれないか?」




