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上州義理人情伝「アン ころ もち」  作者: 苺鈴


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第25話 名探偵サクマ

 俺は、高校生探偵の佐倉真理。


 警視庁刑事部部長である俺の親父の依頼で、群馬県前橋市で発生した男子中高生連続失踪事件の捜査協力にやって来た。


 前橋市に来たついでに、俺の幼馴染で親友の望月杏子に会いに前橋X高校に来たら…

 

 なぜか、望月が群馬県警に連行されてしまっていた!?


 俺は、群馬県警に事情を聴くために、望月と同じ高校の2年生の聖杏璃と保健医の石関先生と共に前橋警察署にやって来たんだが……


 この聖杏璃って先輩は、行動すべてが予測不能で、はちゃめちゃで、フリーダムで!!


 まぁ、無事に、望月を保護できたけど……


 聖さんは、警察署からず―――――っと望月を抱きしめたまま絶対に離そうとしないし…!!


 今も…まさに俺の目の前で、聖さんは望月を抱き締めたままベッドインしてるし……!!!


 望月も特に嫌がってる素振りは、ないみたいだから……



 やっぱり……この二人って………そういう関係なのか………?






☆☆☆

☆☆☆☆

☆☆☆☆☆




「と、とりあえず…。望月、身体はもう大丈夫なのか?」


 俺は、ベッドの中で聖さんに抱きしめられたままの望月に聞いた。


「うん!もう全然、大丈夫だよ!」


「それじゃあ、お二人とも、ベッドから出てもらっていいですか?そのベッド、一応、俺のなので…。」


 事件の捜査協力で、しばらくこの部屋に滞在するのに…!


 俺のベッドがホモ共の寝床にされてたまるか…!


「あーっ(察し)!サクマ、ごめん…!!本当にごめん…!!アンリ、離してー!」


 望月は、すまなそうに俺に謝ると、聖さんの腕の中から出ようと藻掻いている。


「えーっ?ボク、もうちょっとアンズとこうしていたいなぁ~♡」


 聖さんは、望月を抱き締めたまま、全く離そうとしない!


 この二人、下の名前で呼び合ってるし…やっぱし……(以下略)


「アンリ!サクマに迷惑だろ?それに…僕、トイレ行きたいから…っ!」


 望月は、ちょっと恥ずかしそうに尿意を訴えた。


「ここですればいいでしょ?アンズは、わんこ(ポメラニアン)の時はいつもボクのベッドでお漏らししてたじゃん♪」


 望月がワンコだった時…!?って、どういうことだ―――!?


 プレイか…!?そういう、プレイなのか!?


 しかもお漏らしって…!?


「アンリ!?誤解を招くようなこと言わないでよぉ…っ!!」


「わんこのアンズ、僕がなでなでしてあげると気持ち良くって嬉しょんしちゃうんだよねー♪」


 望月が気持ち良くなって嬉しょん…!?


「すんません…!!俺、お二人の性癖は特殊過ぎて理解できませんが…!!俺のベッドでお漏らしは、やめてくださいッ!!」


 俺は、2人がベッドインしている布団を引っぺがして、力づくで聖さんの腕の中から望月を救出した!!


 聖さん、細身な割にめっちゃ力が強くて、幼い時から武道をたしなんでいる俺(柔道初段、剣道2段、空手2段)の全力を持ってして、なんとか聖さんの腕を望月から引きはがした。


「サクマ、ありがと…!!」


 望月は、俺にお礼を言うとトイレの方へ駆け込んで行った。


「アンズ、待ってぇ~!!――ぐぅ…!?まりりん!?ボクの邪魔しないでよ~!!」


 俺は、望月の後を追おうとする聖さんの手を掴んで身体を押さえつけた。


「まりりん!なんで、ボクとアンズの邪魔するのー!?」


「ひとつしかないトイレに二人で行ってどうするんですか?」


「ボクは、アンズのそばにいたいんだよ~!!」


 聖さんは、俺の手から逃れようと、身体をジタバタさせて抵抗してくる!


 聖さんの足が、俺の荷物が入っているスーツケースに当たって、口がきちんとしまっていなかったスーツケースの中身が飛び出してしまった…!


「あぁっ!?ごめん、まりりん…!!これ、まりりんの物だよねぇ…?」


 聖さんが抵抗するのをやめて、申し訳なさそうに俺に謝った。


 うぅ…ッ♡!?


 聖さんって、男だけど…女の人みたいに綺麗な顔をしてるから…っ!!


 そんな、綺麗な顔で切なそうに見つめられると…♡!!


 なんか、ドキドキしてしまう…ッ♡♡



「きっ、気にしないでください!大したものは入っていないので…!」


 俺は、聖さんの――白い綺麗な手を離すと……聖さんは、床に散乱した俺の荷物を拾い始めた!


「本当にごめんね、まりりん…。あっ!これ、ボクのママの本だー♪」


 聖さんは、俺の愛読している英国人女流作家「アンナ・マリー」先生の新作ミステリー小説『明後日の殺人鬼』を手にとって、嬉しそうに呟いた。


 えっ?聖さんのママの本って…?


「聖さんのお母様も、アンナ・マリーの愛読者なんですか?」


「あははっ!違うよ~。アンナ・マリーは、ボクのママだよ♡!」


「えぇーっ!?聖さんのお母様があの、アンナ・マリー!?」


 まさか、聖さんのお母様が、俺が敬愛してやまないミステリー小説界の巨匠アンナ・マリー大先生だったなんて…!!!


「そうだよ♪ちなみに、ママの本の日本語訳をしてる、この聖 碧瑠璃(へきるり)はボクはパパなんだ。」


「聖さんのお父様があの有名な翻訳家の聖 碧瑠璃先生だったなんて…!!」


 すごい!!そんなビッグカップルがこんな、北関東の辺境の地にいらっしゃったなんて…!!



「――うわぁっ!?これ、どうしたのー?」


 トイレから戻って来た望月が床に散乱した俺の荷物を見ながら言った。


「ボクがまりりんのスーツケースひっくり返しちゃったんだよ…。まりりん、本当にごめんね。まりりん、お詫びに後でボクのママにサインもらって来てあげるね♪」


「えぇーっ!?アンナ・マリー先生のサイン♡!?」


 めちゃくちゃ欲しい~~~~♡!!!


「アンナ・マリーって…たしか…サクマが好きなミステリー小説書いてる人だっけ?」


「そうそう!!あの世界的大ベストセラー作家のアンナ・マリー大先生だよ!まさか、聖さんのお母様だったんなんて…!!俺、びっくりしましたよ~!!」


「ん?サクマ…この分厚いファイル、何?えっと…『群馬県前橋市中高生連続失踪事件概要…って!?これって、あの連続失踪事件に関する資料じゃん!なんで、サクマがこんなもの持ってんのー!?」


 しまった!!


 望月が手に取ったのは、俺が親父から預かってきた事件の極秘捜査ファイルだ!!


「まりりんって、もしかして最近、警視庁に捜査協力している天才高校生探偵だったりする!?ボクのママが今書いてるミステリー小説の題材にしたくて、警察関係の人に取材してるんだよ~!!」


「あのアンナ・マリー先生が俺を題材にした作品を書いてるんですか―――♡!?」


 俺、親父に捜査協力してて良かったぁ~~~♡!!!


「サクマ、探偵だったの!?」


「あぁ…。こうなったら、もう、隠しても仕方ないよなぁ…。実は、俺、警視監の親父の依頼で、前橋市の例の中高生連続失踪事件の調査協力をするためにここへ来たんだ。」







 





 


 


 

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