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上州義理人情伝「アン ころ もち」  作者: 苺鈴


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第12話 躾

 僕は、小渕と生方に空き教室に無理やり連れ込まれてしまった。


 連れ込まれた空き教室は、物置として使われているらしく、もう使われていない古い机や埃をかぶった段ボールや荷造り紐で縛られた教科書類が無造作に置かれていた。


「僕に何の用?悪いけど、僕、授業に戻りたいんだけど?」


 僕は、平静を装って二人に向かってはっきり言った。


 僕をいじめる主導権を握っていたのは、あの失踪した小林なんだ。


 小林は、こいつらと違って狡賢いし、運動部なだけあって腕力もあるから、僕はいつもやられっぱなしだったけど…。


 太っちょで薄鈍の小渕と、背は高いけどガリガリな生方は、小林の金魚の糞でしかない。


 こいつらは、小林が命ずるがままに僕へのいじめに加担してただけだから。


 小林さえいなければ、こいつらなんて怖くないぞ!!


「お前、ケンちゃんに何したんだよ!?」


 急に小渕が僕の胸倉に掴みかかりながら、怒鳴った。


「はぁ…!?なんのことだよ…?」


 ケンちゃんって言うのは、多分、小林の愛称(健一だから)だと思うけど…。


「とぼけてんじゃねぇーよ!お前がなんかやったんだろ?俺達に仕返しするために、東京の知り合いにでも頼んで、俺らのケンちゃんを誘拐したんだろ!?」


「はぁ……?」


 僕は、とんでもないめちゃくちゃな言いがかりをされて、怒りを通り越して呆れてしまった…。 


 アホすぎて、まともに答えるのも馬鹿らしい…。


「望月!ケンちゃんをどこへやったんだよ!?ケンちゃんは、俺達のマブダチなんだよぉ…!ケンちゃんは今どこにいるんだよぉ~ッ!?」


 今度は、生方が涙交じりの声で僕に向かって叫んだ。


 僕の胸倉を掴んでいる小渕も顔を真っ赤にして、涙を流している。


 こいつらは、小林のパシリみたいなものかと思っていたけど…学校を休んでまで失踪した小林の捜索に参加するくらいだから…


 本当に親友(マブダチ)らしい…。


 そう思ったら、僕はちょっとだけ……小林のことが羨ましくなった。


 僕には、事故以前の記憶がほとんどないけど…


 それでも、もしも僕が小林みたいに失踪しても―――こいつらみたいに、親友の身を案じて心を痛めたり、必死に捜索してくれるような友達は、いなかったと思う……。


 

「ごめん…。僕、本当に小林のことは、何も知らないんだ。――ぐゥッ!?」


 小渕が僕の胸倉を掴んだまま、床の上に僕の身体を押し倒した!


「ふざけんなッ!!犯人は、お前しかいねぇーだろ!?俺達のケンちゃんが恨みを買うようなのは…!よそ者のお前だけなんだよぉ!!望月、正直に言えよッ?」


 巨漢の小渕は、僕の身体の上に馬乗りになって、問い詰めてくる。


「そっ、そんなこと言われたって……!!僕は、本当になにもしてないよー!!」

 

 僕は、本当に無実だよー!!


「望月、正直に答えねぇなら…!あの時の動画をネットにばら撒くぞ!!」


「あの時の…?って……まさか…!?」


 生方は、スマホを取り出すと――動画の再生ボタンを押して、スマホの画面を僕が見えるように向けた。



 画面に映し出された悪夢に……


 僕は、全身の血の気が引いていく……



『うわぁ…!!なんか臭っせぇ~~~www』

『ギャハハハハハwwwアンコちゃん、高校生にもなってお漏らしですかー?www』

『体育倉庫はトイレじゃねぇーぞwwww』


 4限の体育の授業が終わって、後片付けをしている時に小林達に体育倉庫に閉じ込められて…


 6限の最後の授業が終わる時間まで閉じ込められていた僕は……


 尿意に耐え切れなくなって、天井近くにある倉庫の窓から何とかして出られないか、摸索している間に乱雑に積まれていたマットに足を取られて転倒したはずみで………失禁してしまっていた。


『いやだぁ…っ!撮るなよ…!!』

 

 体操服姿のままで失禁してしまった僕の白いハーフパンツには、黄色い大きなシミができていた…。


 小渕と生方が僕の身体を押さえつけて、小林が笑いながら僕に向かってスマホのカメラを向けた。


『生方、そいつのズボン脱がしてやれよwww?ション便まみれのままじゃかわいそうだろ~?』


『うえぇーっ!?ケンちゃん、やだよ~www そんなばっちいもん俺触りたくなぇーよwww 小渕にやってもらおうぜー?』


『俺だってやだよ~!!野郎のズボンなんか脱がしたくないからwww』

 

『しょうがねぇーなぁ…。望月、ズボン脱げよ?』


 小林は、僕にカメラを向けたままとんでもないことを言ってきた。


『いっ、嫌だ…!!』 


『俺の言うこときけねぇなら、お前のみっともねぇーお漏らし姿をクラス中にばらまくぞ?ホラ、さっさと脱げよ!早くやらないと、もうすぐホームルームが終って、部活の連中がここに来るんだぜ?

 したら、その恥ずかしいお漏らしのシミを大勢に見られちまうぜwww?お前がちゃんと言う通りにするなら、俺の体操着貸してやっても良いんだぜ?その姿のままじゃ、お前ここから教室まで行けないだろwww?』


 コイツの言いなりになるのは、屈辱的だけど――あの時は、こんな恥ずかしいお漏らし姿をこれ以上誰にも見られたくなかったから……

 

 僕は、言われた通り…ズボンに手をかけた……


 小林は、カメラを向けたまま、僕にズボンだけではなく、パンツまで脱ぐように命じて……



『いっ、嫌だ…!やめてぇ…!!』


 下を全部脱ぎ終えた僕に股を大きく開いた…いかがわしい格好で座るように言ってきて……


 それは、さすがに僕も抵抗したんだけど、小林は手下の二人に僕の身体を押さえつけさせて……


『ほら、もっと足開けよ~www?お前ら、こいつの足閉じられないようにしっかり押さえとけよ?』


『ケンちゃん、さすがにちょっと、やりすぎじゃね…?』

『マジでそろそろ、他のやつ来るかもだし…』 

  

 生方と小渕も、小林の異様な行動に怯みはじめていた…


『大丈夫だろー?こんなのただの躾だよ、躾www バカ犬は最初の躾が肝心だかんなーwww』


 小林は、僕の片手を掴むと――僕の手を、僕の無防備な股間に押し当てさせた……


『ほら、自分の手でここ弄って見せろよ?ちゃんと最後までイケたら許してやるからwww』










 


 




 




 

 


 






 

 



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