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51話 招待状-1


「なぁこれ、さっきの言葉じゃなきゃ鎧は展開しないのか?」

「んん? いや、オレらがとりあえずで設定してただけだ。変えてぇなら変えてくれ。もう所有者として武器に認められてるから、イメージすりゃあ何も言わなくても鎧化するし格納も出来る」

「おう、今はこの全身を覆うフルプレートタイプだけどよ。一部分だけ開けたりも出来るし、好きに弄れる。そこら辺は自由にやってくれ。もうこれは旦那たちの物だからな!」

「そうなのか……。分かった。ありがとう」


 ふむ、重要なのはやはりイメージか。こういうので俺がイメージしやすい言葉と言ったら……やっぱアレしかないな。


「キャストオフ!」


 俺がそう言うと、鎧は瞬時に鞘に納められた剣の状態に戻った。


「あれ? 普通の剣サイズになってる……」

「おう。自分の担い手が決まったら、本来のサイズに戻るようになってんだよ。盗難防止対策でな。オレらドワーフは、自分の作った装備を盗まれないように、買い手以外が持とうとしても持てない重さになるようにしてるのさ」

「あっ、そういうことか」


 結構色々考えられてるんだな。まぁ、それなら良かった。ちょっと不格好だったからな。特にセーラのハープ。


「まぁいい。よし……変身!!!」


 再び、瞬時に展開する鎧。


「くぅ~!! かっけえ!! っっぱこれだよなぁ!! イカスぜ……!」


 もうホントめっちゃ懐かしいんですけど、変身。

 変身ポーズとか考えちゃおうかな。すっげぇテンション上がってきちった。紗耶香が好きでそれに合わせて見てた奴だけど、なんだかんだ俺もめちゃめちゃハマってたからな。


「楽しそやな。創哉はん」

「ん~? おう! めっちゃ楽しい。ひさっびさにマジで童心に帰ってるわ俺」

「こういう創哉を見るの、何気に初めてかも。実物では」


 クロと奏が鎧化を解いて、微笑ましそうに俺を見つめる。

 見れば他の皆も鎧化を解いているようだ。もれなく全員、微笑ましそうな目を俺に向けている。ちょっと恥ずかしくもあったが、後悔はないしやめる気もない。

 俺は好きなものは好きだと堂々と言うし積極的にアピールする派なのである。勿論性癖とかは除くけれども。大っぴらに言う事じゃねぇし。


「んんっ!! まぁ、ともかく助かった。ありがとな! ギムリ、レギン」

「良いってことよ!」

「また何か用があったら何時でも来いよ。歓迎するぜ」

「勿論、呑みの方も歓迎だ。こっちは毎晩だって構わねぇ。なんだったら今度はオレらが奢ってやるよ」

「あぁ、そうだなギムリ。クロの姐さんとは、また飲み比べもしてぇしな!」


 がははと笑う二人。

 

「なぁ、ちょっと聞きたいんだけど。良いか?」


 真剣な顔で、問いかける。


「あん? 何だよ改まって、って……よくわかんねえが、マジな話みてぇだな」

「あぁ。お前らドワーフは、グラン王に仕えてるのか?」


 もしこの答えがYESなのだとしたら、話は変わってくる。

 ギムリとレギンだけに限った話じゃなく、ドワーフそのものを俺の眷属としてスカウトする為には、グラン王の許可が必要になる。

 幾ら本人を口説いても、対等な契約関係ではなく仕えている身分ならトップが頷かなければ事は動かない。まぁそうであったとしても、俺はスカウトする気満々なのだが。その為に、グラン王の人柄なんかも探ってた訳だし。

 この国と争うつもりなら上の意向など気にせず本人の意思だけ確認して奪ってくんだが、俺はこの国と争うつもりがない。まぁあくまで、今のところは、だが。

 故に正々堂々と連れ出せるようにお膳立てをしなければならないのだ。

 

「そりゃいってぇどういう……あぁ、そういうことか。へっ! 安心しろぃ。オレらドワーフと代々のこの国の王は、対等な契約関係だ。昔っからそれは変わらねぇ。オレらが勝手に他所へ移ったって、咎められやしねぇよ。まぁ、流石に何の言伝もなく突然他所へ移ったら、文句の一つくらい言われるだろうけどな」


 にっ、と笑いながらレギンが言う。

 

「そうか……」


 そうか。そうなのか!!


「ふっ……ふふ。さっきの口ぶりからして察しはついてるんだろうが、きちんと誘わせてもらうぞ。ギムリ、レギン。俺のもとへ――」

「失礼しますワ。こちらにサタン様御一行がいらっしゃるとお聞きしたのですが」


 俺の勧誘に割り込む形で突然やってきたそいつ。

 折角のいい気分を邪魔してくれやがって……どこの馬の骨だドチクショウ! なんて思いながら振り返る。

 そこに居たのは、獣要素多めのバニーガールだった。



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