表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイパーグッドラッキー  作者: 淀川宮古
2章 ラブラブベッドをへし折れ
12/21

4話 深夜の道 自己満足

 僕は一度、家に帰った。夜まで少し眠ろうと思い、ベッドに倒れ込む。時刻は18時30分。12時にアラームを掛けたからそれまでゆっくりと目を瞑る。今日は自販機に電柱、恐怖坂と色々あって大変な1日だった。まあまだ1日は終わっていないのだけれど。ふと弓子せんせの言っていた言葉が引っかかった。

「共通点か」深く考えようとしたが、恐怖坂を下った後保健室で寝ていたとはいえ、寝慣れたベッドで寝ていたのとは大違いで、やはり疲れがどっと波の様に押し寄せてきた。僕はそのまま、身を任せた。

 ジリジリジリッとアラームが鳴り響く。どうしてこうも寝起きのアラームとは不愉快なのか。少し準備をして外へ出た。学校に行く前に寄りたい所があったからだ。

 その寄りたい場所とは、自販機の前。ここからすべて始まった。しかし、何も変わっていない。自販機も斜めに倒れてはいないし凹みとかもない。気になったので、一本買ってみた。今度は財布を忘れず持ってきたので昨日みたいな心配はない。お金を入れて、飲みたい物を選択し缶コーヒーを選ぶ、前に一度、返却レバーを下げてみた。フェイクだ。実は、こういうボタンとかを押すことで何かが起きると思ったけど普通に返却された。

 もう一度、お金を入れ直し缶コーヒーのボタンを選択した。がこん、音がして飲み物が落下する。取り出し口から缶コーヒーを取り出した。が、出てきたのはメロンソーダだった。押し間違えたかと位置を見るが間違っていないと確信した。

 変だと思った。入れ替え作業の時に業者がいたずらしたとかというのを考えたがやるメリットがない。けれど、いたずらと言うものはメリットもデメリットなんか関係がなく、ただ仕掛けた側の自己満足に過ぎないのだと姉さんが言っていたのを思い出した。

 あれは、まだ僕が小学生で姉さんが中学に通っていた頃だった。学校で姉さんは、いじめを受けていた。それが軽いものなのか重いものだったのかは分からない。

 ある日、学校から家に電話がかかった。お宅の生徒はいじめを受けていると連絡が入った。それに対して両親が、姉さんに問い詰めると

「あんなものはただの悪戯。私は気にしてなんていない。だから心配もいらない」

 そう言った。興味がなく、ただ無関心を貫き通した。自分の事なのに。返ってそれが良くなかった。加害者側はこれをいい事にやりたい放題したという。

 しかし、やられたい放題とうわけでもなく、やり返したらしい。らしいというのは、その時の僕は友達と公園で遊ぶのに夢中になっていたからだ。

 ただ、またも学校から呼び出された。今度は、お宅の生徒がクラスの子をいじめたという連絡だった。そこで何があったとか何を話したのかは知らない。気になったので聞いてみた。「いじめたの?」と、そしたら先の様に言い少し笑う。良くない笑いだなあとただ見つめていた。

 取り出し口をもう一度、探ってみたけど虚無を掴むのみ。というのももしかしたら誰かがメロンソーダを購入したはいいものの何らかの事情で取り忘れた可能性が残っていたからだ。いや、残ってはいなかったのだけれども。事件は謎のまま、ただ気味が悪いなあとまじまじと見るが何もおかしくはない。おかしいのにおかしくない。違和感がないのだ。

 結局は、自己満足だろうという結論に至り、缶を開けた。

 メロンソーダが噴水の様に勢いよく出てきた。自己満足が過ぎる。ただ一言。

「きみがわるい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ