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ハイパーグッドラッキー  作者: 淀川宮古
2章 ラブラブベッドをへし折れ
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2話 弓子せんせ2

結局、弓子せんせには全て話すことになった。どうせ隠し通すことはできないのだから。それに変な誤解を解きたくて仕方がなかった。

そりゃ、かわいいとは思うけど。でも彼女には写真に写っていた探し人。キタさんがいる。あの写真の中の彼女は満点の笑顔だった。つまりはそういう事だろう。

「それでさ、自販機に、マンホール、あとは電柱だっけ、それに恐怖坂。この中で共通点とか、彼女が何かしたのを見たとかないの?」

「なにもしてないと思う。共通点は、どれも彼女だけを狙っていたとか?」

「ふぅん、何もしていないのに、彼女だけを、ね」

弓子せんせは意味ありげに言う。そう、僕の事には目もくれず、彼女だけを追いかけ続ける。これに関してせんせは、なにか知っている事とか気づいたことがあるのだろうか。ここは保健室。学校の中で一番情報が集まっている場所。

「ふふふっ、今の凄く名探偵っぽかったんじゃない?」

この迷探偵、何も知らなさそう。


弓子せんせと最初に出会ったのは2年前だった。入学してすぐぐらいだったはずだ。姉さんの事を手当たり次第に聞いて回ったがそんな生徒は知らないという、生徒数が多いこの学園高校は教師が生徒を覚えるのは難しかった。ここまで有力な手掛かりがないと、もしかすると最初からいなかったんじゃないかと思いもした。もう諦めた方がいいと思い始めたそんな僕に声を掛けてきてくれたのが弓子せんせだった。たぶん、出会っていなかったら諦めてしまっていたかもしれない。

「もしかして、フチノちゃんの弟だったりして。えっ、マジで。確かに似てるわぁ」

それから僕は弓子せんせの所に入り浸るようになった。


「それで、この子はそのキタさんだっけ、この男を探してるんだ」それよりも聞きたいことがあった。この部屋に見当たらない。辺りを見渡している僕を見かねてか弓子せんせは奥の部屋を指す。そこに彼女は眠っているという事だろう。

「流石にね、学校の生徒でもないのに保健室にいれちゃぁまずいでしょ。アタシは全然気にしないけど、他の誰かが見たらまぁ小パニックにはなる」

奥の部屋とは、他で言う理科準備室的な部屋であるが弓子せんせいが勝手に改造しプライベートルームと化している部屋の事である。

以前、保健室のベッドがあるからそこで休めばいいでしょと聞いた事があった。

「しんどくて、保健室に来たのに寝ている先生がいたら嫌でしょ。頼りになりそうにないっていうか。やっぱり不誠実というかそういうのは良くないでしょ。例えば非常勤の先生はさ大体、他の仕事もやってるわけ。それだけでは食べていくのは難しいから。定年退職の再雇用の人とかは別ね、あれはもう職業病だし。他に仕事をしていて、副業として先生をやっている場合、それを知っちゃたらなんだか教えても貰いたくないじゃない?」知られない様にやり遂げる事が生きる上でのテクニックなのだとせんせは言った。

 そういうものだろうか、分かりやすければそれでいいと思うがそうは思わない学生だってたくさんいる事は容易に想像可能だ。これは誰かの相談話、あるいは愚痴だったのか、それとも弓子せんせ自身の体験談なのか、どちらにせよ表情は曇っている。

「だからと言って学校内にプライベートな空間を作るのはどうかと思いますよ」

「いいじゃない。おかげで彼女の事バレずに済んでんだから。これ知られてたら、良くて謹慎。最悪、退学よ。寧ろ、感謝されるべきよ、崇めたて奉る事をお勧めするわ。それに学校内に自分だけの空間って秘密基地っぽくて憧れるじゃない」

 どこの物好きが保健室の先生を崇めたて奉らなきゃいけないんだ。あっでも野球部の折田はファンクラブに入ってるって言ってたっけ。案外、求めている人は多いのかもしれない。

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