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第36話『恐竜の居る街④』

「終わったよ」

「面倒臭い相手だったな・・・・・・一終にいに微妙に似ていて微妙にムカつくし」

「あんなのと煙託さんを似ているとか言わない方が良いと思うよ? じゃあ、とりあえず二人で行動して私が囮とトドメ、凪音さんがデバフをかけるやり方で――」

「まだ、だぁ」


 後ろから声が聞こえた。

 燃え上がるような怒りと、まっすぐな傲慢さが混ざった、複雑な唸り。


 振り向くと、奴は走っていた。

 ズタボロの布クズみたいになってはいるが間違いない。

 地球史上最大の脊椎動物・・・・・・ブラキオサウルス。


 傷だらけで、血まみれで、息もできず目も見えないであろう状態で、しかし一切の弱さを感じさせない鬼のような形相で。

 私達を轢き殺さんと、コンクリートジャングルを猛烈に駆けていた。


「俺様を俺様にしてくれた世界は、人々は」

「水蓮!」

「4人」


 凪音さんがギターを構える。間に合わない。

 私の出した4人も、紙屑のように吹き飛ばされる。


「俺様が護って見せ――」

「【出血】」


 ブラキオサウルスの長大な首を、赤く細く鋭い矢が貫く瞬間を見た。

 ふらふらと、クラクラと、力が抜けたようにブラキオサウルスの巨体は倒れる。


 と同時に、倒れた恐竜はみるみるうちに縮まり――倒れきって動かなくなるころには、元々の人間の青年の姿になっていた。

 死んだのだろう。危機が乗り越えられたのはうれしいが、こいつ自体には大した興味がない。恐竜の肌の色を知れたことは今後の話の種にはなるかもしれないが、それこそ大したことではあるまい。


 それよりも大事なことがある。


「ふー・・・・・・やれやれ。ごめんね遅れて」

「おせえぞ。どこで道草喰ってたんだよ」

「少し色々考え事してて・・・・・・ちゃんとやるよ」

 彼女は、少し血に塗れている顔を拭った。


「助けてくれて本当にありがとうございます。金庫坐さん」









「というわけでかくがくしかじかなわけです」

「おい、そのかくがくしかじかってやつ面白くないからやめろ」

「ぼくはここに来るまでに二人と戦って、ここまで来た。ぎりぎり間に合ったのは完全に運かな」

「大丈夫ですよ。それよりこれからどこに行きます?」


 ここに居座ってもメリットがない。今回の任務はT都を荒らすこと。

ここら辺はだいたい荒らし尽したし、違うところに行くべきだろう。


「南。海の方角に行った方が良いんじゃないかな。姫ちゃんもいるはずだし」

「異論はないです。心は?」

「特にねえ。合理的だ」

 私はふと、空を眺めて思索にふける。


「姫ちゃん。今どこで何をしているんでしょうか」

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