表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/60

第26話『攻略!バンドマンとのドキドキデート!②』

「はあ?」


 私のデートのお誘いは、とりあえずひどい反応をもらった。

 心の底から意味不明といったような、呆れたような声と顔。こういうのが一番メンタルに来る。


「馬鹿にしてんの? デート? なんで私が――」

 一度言った言葉を瞬時に撤回するわけにはいかない。今否定したらもう二度目のチャンスは永遠に来ないかもしれない。

もう少し残しておきたかったがもう切り札を切ってしまおう。


「遺言です。煙託さんの」

 今度は凪音さんが止まった。


「凪音さんが無駄死にしそうになった時、壊れそうになった時、止めてやってほしいとそういわれました――おっと」

 凪音さんが私をいきなり襲った。が、力も入っておらず、襲ったと言うより倒れたと言ったほうが正しい。見てから簡単に避ける事が出来た。


「ほら。今復讐に行ったところで――」

「うるさい!」

 わかりやすすぎる二度目の攻撃をいなすことは非常に容易く、逆に凪音さんを捕まえ、抑える事すら難しくはなかった。


「睡眠不足と過度のストレスによる思考力低下、疲労困憊による身体能力低下――今はやめておいた方が吉です」

「う、うう・・・・・・うわぁああん!」

 5歳年上の二十歳の女性に泣かれた。


 まあ、年上の鳴いている所を見るのは初めてではない。

 忘れているかもしれないが私はヤクザの娘だ。

 闇金の連帯保証人になって細い橋みたいなものを渡るデスゲームまがいのことをやらされている人、クスリのやり過ぎで脳細胞が朽ち果てまともに喋れず泣くことしかできない人、はたまた捕まった敵ヤクザの人に至るまで、いろんな涙を見てきた(デスゲームの人は最終的に橋を渡り切ってクリアしていた。他二人は死んじゃった)。


 なので特に大人なのに情けないとかそういうことはないのだが、泣かれてるだけでは話が進まない。立ち直ってもらわなければ。

 そのためにもまずは凪音さんを無理やり持ち上げた。服を強引につかみ、上げる。元気を与える為に空元気を出して、そして自分の伏せる事も騙ることもできない本心からの夢を持って、語る。


「だから今は休みましょう! 歌って、カラオケして、美味しいもの食べて、酒に酔って、極限まで楽しむんです! そうしたらきっとあなたは最高のコンディションで、卑衣のカス野郎をぶちのめせるはずです!」


 私は――この人を友達にする。

 そうすれば友を失い、失意で悲しくなった凪音さんは救われる。

 私も煙託さんの分を埋め合わせできる。

 それは――すごく素晴らしいことだ。


「私と、デートしましょう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ