第24話『リサイクル・フレンズ』
「なんで、煙託さんはあのカードを持っていなかったんですか?」
メタホエール号に帰ってきてからのことはあまり覚えていない。フラフラと家に戻り、部屋に戻り、ベッドの上で支離滅裂なことを叫びながら泣いて、いつの間にか眠っていたことは覚えている。
起きた後すぐにした行動は、ペドコン殺人鬼の捜索、そして私は椅子に座りながら紅茶を飲んでいるペドコン殺人鬼を問い詰めた。
「あワープカード一回使う為にどれだけの金が必要だと思っているんだい? 一回使う分のお金で余裕で戦車を買えるよ? それに気軽に使って鹵獲されたら大惨事になる。部隊長クラスの僕が、信頼を積み重ねて、失敗したらヒラに降格するレベルの覚悟私を持ってやっと5枚、条件を限って運用できる代物さ」
あの時、使えはしなかったという事か。
「じゃあなんであなたは戦いに出てこなかったんですか? あなたが居ればきっと負けることもなかったはずでは?」
「僕の能力『冬児災』は冷気を操る能力でね。火竜を操る煙託との相性はすこぶる悪い。だいたい別に煙託は一人だったわけじゃないよ? 他の連中が開始早々に死ぬか戦闘不能になっちゃっただけでね」
どうにもならなかったという事か。
「そうですか。それなら――」
私は自分の確固たる意志で、ペドコン殺人鬼の首袖を掴んでいた。
「なぜあなたはあんなふっざけた理由であの赤ミイラ野郎を殺さなかったんですか?」
「まあ本当のことを言うと、あの理由のままなんだけどね・・・・・・。良い感じのことを言うなら僕よりも君や凪音のほうが殺したいだろうなと思ったからだよ?」
「なら、何で私をあそこに置いて行ってくれなかったんですか?」
私は、あの状況で撤退なんて手段をとりたくなかった。心行くまま、あいつに報復して、踏みにじりたかった。
「それは言った気がするけど――だって君じゃ彼には勝てるわけないさ」
そう。確かにその判断は正しい。勝てる可能性なんて万に一つもない。
それでも私はあいつへの殺意が抑えられなかった。今だって、あいつへの怨嗟は止まっていない。
「こう見えて君にはすごく期待していてね。君が道半ばで死ぬことはよくないことだと思っている。だから今は過去の責任よりも未来への蓄積に専念してほしい」
「納得しろと? 出来るわけが――」
「凪音心」
私の動きは止まった。
「凪音の精神が限界だ。彼女は煙託にべったりだったからね・・・・・・引き籠っちゃっている。彼女の支えになってあげてほしい。もしくは、友達に」
当初の自分の目的を思い出す。友達を作ることこそが、私の人生の命題だったことを思い出す。
そして、死んでしまった煙託さんが、私に託した願いを思い出す。
――いつか俺がいつかあいつを守れなくなった時に、あいつを支えてくれる奴をずっと求めていた。
「そうですね――私には、復讐より優先すべき事柄がありました」
私は、凪音心さんと友達になる。
それは友達の遺言であり、なにより人生の命題であるから。




