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第97話 私の幸せは少しもかげる事なく その1

 なぜダリル様はこれ程にお優しいのでしょうか。それからも私が淋しさを感じる暇もなく、付き合って下さってます。


 真っ直ぐ私を見つめるその瞳は私の全てを見通してしまいそうなほどで。視線の絡まった甘い時間は私の多幸感を確かなものにしてくれています。


 この方に出会ってすぐに好意を抱いたのは仕方のないことでした。きっとこれが運命なんだって本当にそう思えます。




 そんな幸せを実感する日々の、それはよく晴れ渡った空が眩しい春の日でした。


 思えばここには降り止まない雪などなかった。戦争も、紛争もなく、魔獣の被害など殆ど聞くこともない平和な街の、きれいなオープンテラスで。


「サツキ。これを受け取ってくれ」


 いつもよりも真剣な眼差しで、そう手渡されたものは小さな指輪。それはちょうど私の薬指に合うくらいのサイズの。


「結婚しよう」


 ダリル様はこういう方です。言葉は多くなく、本当に伝えたい言葉を口にされる……。


 周りの視線もある中、その一言だけで差し出されたそれは、シルバーリングに小さな宝石。まるで虹をぎゅっと詰め込んだような輝きは彩虹輝石と呼ばれる石で、世間に疎い私でも知っている。


 男性が永遠の愛を誓うために用意する、紛れもない結婚指輪。


 私は涙を止める事が出来ませんでした。でも今までのように顔を隠すことはしません。隠せば私の笑顔さえも見せられなくなりますから。


「ありがとうございます。末永く、よろしく、お願いします……」


 泣きながらではちゃんと伝えられたかわからないけれど、届いたでしょうかこの気持ち。指輪を持つダリル様の手ごと包み込むように受け取り、周りからの祝福の中、私はダリル様の胸に飛び込みキスをしました。



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