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第42話 【番外編】桃色したきつね その1

 深い森で4人の人間が休憩している。


 きつねに気づいたひとりが、手に持った食事を投げてよこした。きつねはそれを咥えて走り去った。




⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎


 不意にわたしを起こす音がした。


 目の前でボロボロの革鎧の男の子がアレでもないコレでもないと武器を物色しては、金額を見て落胆している。


 とりあえず自分の姿を確認しておこう。手で触れた頭には大きな耳がついていてフサフサしている。


 お尻からは同じくフサフサしたしっぽが、どういうわけか服を突き抜けて出ている。なのに動きに阻害はない。


 色はピンクらしい。先端の方は白く、根元にも白があることから、真っピンクということではない、と。


 つまり獣人てやつですね。ん……喋り方もなんとなくわかる。


 個人的にこの服装は好きだな。動きやすいしブーツは可愛い。




 とりあえず声をかけてみた。必死さは隠そうとしても隠れない。というかわたしに隠せはしない。事前情報はいくつかすでに“みえて”いるから。


 まずは今の彼を確認、強い武器が欲しいけど高くて買えないと言う誰が見てもわかるそのままを話してもらう。まあ、わたしがここにいる時点で、お金なんてどうでもいいんですけどねー。


 ダリルはちゃんとわかっているようだけど、まだ彼を突っつくようだ。もう少し引き出す。そしてダリルとわたしは彼を諭して外に連れ出した。




 あのおじさんは確かこの辺りにある畑の人だ。実際のところは違うけど。ここの野菜は自生しているものより美味しいらしい。みんな感謝している。


 少しビリーくんの匂いが変わった。


 いつもと変わらないこの林を今日はビリーくんと歩く。人間と歩くのははじめてかな。今日は彼もわたしもはじめてだらけだ。仕事とは言え少し楽しくなってきた。


 人間は弱い。ヒトの中にあって脆弱。それでもやりようはある。


 とりあえず始祖の泉の水を飲ませておく。サンドイッチはダリルのお手製で、普通に美味しいだけ。けどこんな美味しいのはこの間振りで嬉しい。


 紅い炎が出てきた。こいつはわたしの姿を見て少し逡巡したようだけど、選択肢は一つしかないのだから諦めたみたい。


 ビリーくんは炎に炙られてゴロゴロしてる。これも過程だから仕方ないけど、もう少しかな。


 虫とりが終わったころにはビリーくんの匂いはもう一つ強くなっている。劣情に似た感じで、少し方向を修正しないと。


 予定通り、オークはダリルに任せることにした。トラウマを植え付けられたビリーくんが、ワーウルフに勝つには勝てるイメージを持ってくれないとダメだから。そのためにダリルは自分の武器でオークを倒すところを見せなきゃならない。


 わたしは別で彼の心を溶かしてあげないといけない。


 行きの会話とここまでの道のりでそれは成せたと思う。


 すこしスプラッタが過ぎたけどダリルの方も問題ない。


 いまビリーくんは光明を見た。彼のわたしへの気持ちの変化も伝わっていて、それが仕事の完了を教えてくれる。


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