95勇者の仲間モンスパル視点3
先ほどからセルジオが奮闘していますがかなりの数に圧されていて見ていてかなり危ない状況です。
アマンダがセルジオを補佐していますが、それもいつまでもつか分かりません。
ここに勇者が居てくれたならば状況もかなり違ったでしょうが。
そんなことを考えながらあまりの不利さに思わず目を反らす。
「うっ……」
腕の中のカナリアが唸り声を上げる。顔を見ればまだ目を詰むっているので目を反らした時にどこかに力をこめてしまったのかもしれないと思いそっと力を抜けば安心したような顔になった。
「モンスパル頭を下げてくださいまし!」
アマンダの言葉に従って頭を下げれば頭上を何かが通り過ぎて行きました。
何がと振り返ろうとするよりも早く何かが叫びを上げたと思えばビシャという音と共に何かが飛んで来ました。
水? いや、生暖かいですね。
びっくりしましたがカナリアを守るのが優先です。しばらくすると鉄臭い匂いが辺りに漂うのでさっき掛かった水だと思ったのは返り血だったのでしょう。
アマンダの戦いかたは見た目と違ってかなり荒っぽいですからね。仕方ないとは言え正直もう少し丁寧にしていただけるとありがたいんですけどね。
よかった。カナリアはさっきの返り血を浴びてないみたいで綺麗なままです。
こんなに周りが騒がしい状態でも目を覚まさないなんてと思うべきか、それともこんな光景を見なくて済んでよかったと思うべきでしょうか。
時々飛んで来るアマンダからの指示に従いながらも戦う二人にどうして私は戦えないのにここに居るのかと不甲斐なく思います。
いつぞや言われたもう勇者一行から抜けてもいいんじゃないかという言葉が過ってしまいました。
二人のようには戦えない。クロッチェのように索敵能力もなく、勇者のように人々を纏める力もなく、聖女のように食糧を出して民を喜ばせる力もない。
トールのように人々を癒す能力もない。カナリアだってまだ幼いと言ってもいいのに戦える力もある。
トールの従者もそれぞれ強いみたいですし、私なんてこの旅に居ても居なくても変わらないのでは?
神託がなければ彼らとも会うことがなく、代わり映えのしない神官の仕事をしていたはずです。神はどうして私なんかをこの旅の仲間に選んだのでしょうか?
「くそっ! 数が多すぎる!!」
「もう少し持ちこたえてくださいまし!」
彼らが血を流し戦う姿をこうやって見ているだけしか出来ない自分が腹立たしい。
「神よ。どうして私を選んだのですか。私にはこの方たちにはふさわしくありません」
もし、無事にこの森を抜けられたのならば私は──




