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嫌です。無理です。さようなら ~聖女と呼ばれたけど関わりたくないのです。~  作者: こま
仕方がないからあたしがやる! でも勇者お前は許さない!
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「ちょっとあんた何してんのよ!」

「うっせぇ! こっちは足が折れてるんだよ! しっかり立たせやがれ!!」


 ぎゃあぎゃあと言い合っているがそんな暇はない。何故なら──


 グギァアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「きゃー! 何とかしてー!」

「ちょ、押すな!!」


 あたしたちが水場でぼんやりとしていると、水場の中心辺りからぼこぼこと音と大量の気泡が生まれ何だろうとぼんやりしたまま眺めていたらそれがいくつもの水柱となったと思ったらそれらが一つに集まって行った。


 これヤバい奴なんじゃと思って逃げようとしたがクロッチェが俺を置いてくな! って叫ぶから立ち上げてさせようとしたら水柱の中から龍にそっくりな黒っぽい生き物が叫びながら現れた。


 ああ、もう! 本当ならこんな奴助ける義理なんてないんだから!


 もしかしてこの水場にある大小様々な洞穴ってこの龍? 面倒だから龍でいいか。この龍が開けた物なのかもしれない。そんなことを考えたらぞっとして早く逃げたいのにクロッチェが中々立ち上がれない。


 何でこの男はこんな時に限って骨なんて折ってんのよ! 


 早く立てとぐいぐいと引っ張っていたらすぐ横に向かって凄い勢いで水が飛んで来た。


「きゃ!」

「うわっ!」


 びっくりしてクロッチェの上に転んでしまった。


「いったぁ……」

「いっ……くそっ! どけ!」

「あ、ごめん」


 折れた方の足の上に乗っちゃったらしくてクロッチェの油汗がすごい。


 慌ててどくとあたしたちのすぐ側の岩肌が抉れている。


「……あれって戦える?」

「足が折れてなくたって俺には無理だ」


 その言葉に血の気が引いて行く。


 マジで? あたし戦える訳ないわよ。堅い木を生やしてしばらく時間稼ぎが関の山だ。


 やられる前にと種を投げて異能を発動する。


 するとまた龍が水を吐き出した。  


「?」


 恐怖のためかぎゅっと目を閉じたが攻撃が来ない?


「すげぇなお前」


 クロッチェの言葉にそっと目を開けると立派な木が目の前にあった。


「ま、間に合った……」


 絶対に間に合わないと思っていたのに間一髪? 


 あたしが生やした木の向こうから龍の咆哮が聞こえてくる。


 その大きさに空気がビリビリと震えて立っていられない。


「あれどうにかして……」

「俺は後援だって……勇者とかが居てくれたらなんとかなったはずなんだが……。攻撃される前に逃げるぞ」

「ちょっと待って腰が抜けた」

「は?!」


 あんな咆哮なんて聞いたことなかったもの。仕方ないじゃない。


 足に力が入らない。


 ちょ、本当にこんなことなったことないからどうやって立ち上がればいいの?! 

 

 龍は攻撃を止められるとは思わなかったのかあっちこっち出たらに水を吐き出している。その内この天井部分落ちてきたりしないわよね?


「くそっ! ちょっとお前こい!」

「きゃ! 何すんのよ!」


 クロッチェに腕を引っ張られ、その勢いで上半身が地面とぶつかった。


「うるさい。それよりあの木もっと生やせ! 動けないんだから這ってでも逃げるぞ」

「えっ、きゃあ!」


 もうやだ何であたしばっかりこんな目に合わないといけないのよ。 


 龍の攻撃のせいであたしが生やした木がめりめり音を立て始めている。このままじゃダメだってのはあたしにも分かる。


 分かるんだけど、体が思うように動かない。 


「どれだ」

「え?」

「あの木と同じ種だよ。動かねえんだろ? だったら俺が変わりにだすからお前は異能を使え。分かったか?」

「う、うん」


 恐怖に飲まれそうになる前にクロッチェが指示を出して来て少しだけ落ちついてきた。あれこれと指示をして異能を使い木を生やして龍から身を守る盾にして二人揃ってっじりじりと後退する。


 クロッチェが落ちてきた穴に入って逃げ出せば何とかなるはず。


 あたしたちじゃ無理でも勇者か勇者の仲間たちが居るんだから何とかなるはず。


「行くぞ」

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