86カナリア視点3
熱い。森に入ってから段々と体の中から熱っぽくなっていった。今はめまいと耳鳴りがすごくて皆さんに着いて行くのがやっと。
アマンダさんたちには平気だって言ったけど森の奥に行くにつれて段々と具合が悪くなってきている気がする。
どこかで休憩させてもらう?
ここは魔獣のうろつく危ない森だ。そんな危険な森であたしのことを置いて行って勇者様たちを探してくださいなんて言ったらすぐに魔獣の餌になってしまう。
皆さんに気付かれないように平気な振りをしていてもかなりキツい。ここにトールさんが居てくれたらこんな体調不良すぐに治してもらえたはずなのに。
「どうします?」
「どうせ惑わされてるんだ。どこに行っても同じだろ」
「あたくしもそう思いますわ」
「分かりました。では、二手に別れて探しましょう。カナリアもそれでいいでしか?」
「え? すみません何でしたか?」
「やっぱり具合が悪いんじゃねえのか?」
「そうですわよね。カナリア具合が悪いのならちゃんと言ってくださいまし」
「いえ、あの、すみません……」
「いいですよ。私たちが急ぎ過ぎてたんですから」
「ありがとうございます」
皆さん優しい。弱っている時にこの優しさは涙が出そうになる。
セルジオさんが野営の準備をしてアマンダさんが焚き火の準備。モンスパルさんがあたしの体調を気遣ってくれたり、食糧を出してくれている。
「ふふ」
「どうかしましたか?」
「いえ、ナーダさんと居た時のことを思い出しました。あたしが具合を悪くするとナーダさんも皆さんみたいに気遣ってくれたんですよ」
今頃何をしているかな? あたしがナーダさんのところを離れてから結構時間が経ってるけど掃除とかちゃんとしているよね?
ご飯も不器用なところあるから台所燃やしたりしてないといいんだけど。
「心配ですか?」
「少し」
「では、今度一度寄ってみませんこと」
「いいんですか?」
勇者様たちの旅が終わるまで帰れないものだと思っていたからアマンダさんからの思わぬ提案に目をぱちくりさせた。
「ええ、聖女は見つかりましたし、魔族の一斉攻撃で焼け落ちてしまったところもありますからカナリアもかなり心配でしょ? それくらいの時間なら取れますわ。どれかなくてもあたくしたちが作りますから」
「あ、ありがとうございます!」
やった! ナーダさんに会える!! こんなところで具合が悪いって言ってる場合じゃない。
「あたしも手伝います!」
「カナリアは休んでなさい!」
アマンダさんとモンスパルさんに怒られてセルジオさんに毛布でぐるぐる巻きにされてしまった。安心したからかその後熱が上がって気付いたら皆さん心配そうな顔をしてあたしのことを覗き込んでいて、いつの間にか森を脱出していた。




