表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嫌です。無理です。さようなら ~聖女と呼ばれたけど関わりたくないのです。~  作者: こま
仕方がないからあたしがやる! でも勇者お前は許さない!
79/431

79勇者の仲間アマンダ視点3

「まだ見つかりませんの?」


 聖女が居なくなってから数時間。今だに聖女の姿が見えないせいでセルジオとモンスパルを無理やり呼び戻して話し合いをすることにいたしましたけど勇者様とトールの姿も見当たらないらしくこれはどういうことだということになってしまいましたわ。


「すみませんあたしが余計なこと言ったから……」

「何を言ったんですか?」

「それは……」

「今は後にしてくださいまし」


 モンスパルがカナリアから聞き出そうとしていましたがそれよりも勇者様とトールまでもが戻って来ないのが気にかかりますわ。


 どちらかもしくは両方が聖女と一緒に居るとしてどうして戻りませんの。勇者様の胆力ならばあの小娘ごとき担いで戻ってこられるはずですわ。


 何かあったに違いありませんわ。


「そういえばこの街に来た理由って何ですの?」

「理由ですか?」

「言ってなかったか?」

「聞いていませんわ」


 見たところ魔族も他の街に比べたら少ない方ですし、それなのに魔族に襲われている他の街よりも優先しなければならないことがあるのかしら?


「我々も聞きたいな」


 シルシュ、トールの姿が見えなくなってから不機嫌な様子を隠さなくなってきましたわ。こちらの方が素なのかしら? だとしたら主人の前ではかなり大人しくしているんですわね。


 本気で怒らせたらどうなるのかしら。気にはなりますが、今はそれを優先するべきではありませんのでまた今度試してみましょう。


「この近くにある森なんだが、そこに入ると二度と出られないとかで魔族よりも質が悪い何かが居るのかそれともこの森特有の物なのか調べてくるように言われてんだよ」

「何かであれば下手につついてこの地の人々に何かあれば大変ですからね」 

「それって俺たちは行方不明になってもいいってことか?」

「そういうつもりではなく我々ならばこの調査もできると思われたからです」

「どうかな」


 肩をすくめるノヴァにモンスパルが説明しようといたしていますが、それが却って言い訳じみていますわ。


「では、その森に三人が居ると考えていいんですね?」

「クミンそれは早計では」

「でも、これだけ探しても見つからないのなら早計でもなんでもありません」


 ぴしゃりと言い返す彼女にそれ以上言える者はこの場にはおりませんでした。


「では、その森へ行きましょう」

「そうね。どうせ行かなければなりませんもの」

「あ、あの……」

「カナリアどうかしたのか?」

「それってあたしも行かなければいけませんか?」

「当たり前だ」


 カナリアは一体何故そんなことを言い出したのかしら?


「そういえばカナリアさっき言いかけていた聖女様に何を言いかけていたのですか?」

「それは……」


 その言葉にこの場にいた全ての視線がカナリアに向かいました。


「あ、あの、その……」

「言えないようなことでもおっしゃったのですか?」

「クミン、さすがにナイフは仕舞え」

「違います! ただ、リュリュさんがまだこの旅の目的を理解していなさそうで、そのことを言ったらリュリュさんが怒って……」

「それは……」


 あたくしたちはその言葉に黙り込みました。


 確かにあの女は散々あたくしたちを引っ掻き回していらっしゃったのにその自覚もなく不平不満ばかりでしたし、隙あらば逃げようとしてくださりやがったことも一度や二度ではありません。


 トールたちはその苦労を知りませんものね。まあ、聖女が逃げ出そうとしていたのを何度も見ているはずなのにこの方たちは聖女に甘過ぎるきらいがあるので言っても理解してくださるとは思ってはいませんけど。


「具体的には?」

「リュリュさんが怒ってる理由を聞いたら皆さんが自分の日常を壊したから嫌いって言うからあたしはリュリュさんだって沢山の人の日常を壊したって……完全に売り言葉でした」

「それぐらいで逃げるような奴か?」

「あとはリュリュさんが聖女なんてしたくないからお前がやれって言われて……」

「別にカナリアは悪くはないわ」


 あたくしだって日頃からそれくらいは言っていますもの。


「いや、それ何度も言うとか……」

「確かに何度も言われますと我慢の限界もありますものね」


 ノヴァとシルシュがその言葉に頷いていらっしゃいますが、聖女が逃げ出そうとするのが悪いんではなくて?


「じゃあさ、お前何が嫌いなんだ」

「嫌いなもの?」

「いいから答えてみろよ」


 いきなりなんですの?


「別に答えなくていいけど、その嫌いなことをなんでしないんだとか言われ続けてみろ。リュリュじゃなくたって嫌になるだろ」


「そ、それはそうかもしれませんがこの場合は違いますでしょ!」

「そうか? まあ、どっちでもいいけど。俺らは俺らで勝手に探すわ」

「そうだな。迷いの森なんて大層な名前をつけられてるんだ。すぐにその森は見つかるだろうし」

「行きましょうか」

「ちょっと! お待ちなさいよ!」

「そうですよ。こんなところで仲間割れなんてしている場合じゃありませんよ!」 

「セルジオ止めて!」 

「あー、いっつも俺が面倒な役割かよ」

「別におっさんは無理しなくてもいいんだぜ?」

「無理なんてしてねえぞ……おっ?!」

「話している時間は無駄だから早く行くぞ」

「お待ちなさい何をしたの?!」


 シルシュがセルジオを押したと思ったらセルジオが押されただけで床に転がるだなんて何かしたに違いありませんがシルシュの顔は涼しげで何をしたのかは分かりませんでしたわ。 


「行きますよ」

「へーい」

「返事はちゃんとしましょうね」


 シルシュはあたくしの質問には答えずに三人で出て行ってしまいました。あたくしたちもすぐに三人を追いかけるべきでしたが、セルジオの回復を待たなければなりませんでしたのでセルジオの回復を待ってから三人を追いかけたものの三人の姿はとっくに街から出て行ったらしく見つけることはできませんでした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ