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嫌です。無理です。さようなら ~聖女と呼ばれたけど関わりたくないのです。~  作者: こま
仕方がないからあたしがやる! でも勇者お前は許さない!
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76トール視点2

「リュリュ! リュリュ!」

「うっ……リュリュ様は?」


 勇者が額を押さえながらふらふらと歩き出そうとしているが視点がまだ定まっていないのか見ていて危なっかしい。仕方なかったから勇者に治癒の異能を使うとすぐに歩けるようになったのかしっかりとした足取りになった。


「リュリュ様は?」

「さっきから見当たらないんだ」 


 リュリュが消える直前にリュリュの傍に何かいたような……。


「リュリュ様を探す」


 こいつは見て居ない?


「どこに? どうやって?」

「それは……だが、しらみ潰しにこの森を捜索すれば」

「そうかもしれないけど、さっきリュリュの近くに何かいたんだ」

「何だと?!」

「よく見えなかったけど、もしかしたら魔獣だったかもしれない」

「ならばこの森に居る魔獣を全て殺せばリュリュ様は見つかるな」

「そうかもしれないけど」


 リュリュのことになるとまわりが見えなくなるらしい。


 だけど、今離れられるのは困るので引き止めなければ。 


「全部狩るよりも効率よくやった方がリュリュの生存確率も上がる。さっきの魔獣は見てないの?」

「見てないな」

「そう……」


 小型で光るだなんてかなり珍しいし、リュリュだけをどこかに連れて行く知能を魔獣が持っているのだろうか?


「もしかしたら魔族が関わっているのか?」

「魔族が? それならばこの森ごと吹き飛ばせば」

「この森の調査に来たんじゃなかったの」


 調査対象の森吹き飛ばしていいの? あと、そんなことしたらこの森のどこかに居るはずのリュリュもふっ飛ばすことになってリュリュに完全に嫌われるんじゃない。というか、リュリュが死んじゃう。


 口にはしながったが勇者には伝わったのか不承不承といった感じで大人しくなった。


「……じゃあ、何か案があるというのか?」

「今考えてるから黙ってて」


 すぐに森を吹き飛ばそうとする勇者を黙らせてから何か手がかりかないかとさっきまで理解がいた場所に登る。


 先に僕が降りたせいでリュリュが居なくなってしまった。先にリュリュが降りて居なくなったのが僕だったら勇者は気にも留めなかっただろう。  


 下手したら二人だけで森を出ていったかもしれない。そうなったら僕の命はなかっただろうと思うとリュリュには申し訳ないが自分ではなくて良かったと胸を撫で下ろす。


「まだか」

「そう簡単に浮かばないし勇者も何か考えたら?」

「……」


 リュリュが居た場所には手がかりらしきものはやっぱりないけどそれとなく探す振りをする。


 リュリュが消えたのが魔獣じゃなくて魔族だとしたらかなり厄介なことになりそうだ。


「早いとこ勇者の仲間か三人の内の誰かが来てくれたらいいんだけど」


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