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65勇者の仲間 アマンダ視点2

 何なんですのあの聖女!


 あれから一度も会わないのはまあ、よしとして。


 こちらから歩みよろうとしているのに完全にあたくしのことを無視して!


 こちらの領主のタクラン様に呼び出してもらえれば出ていらっしゃいますけど、あたくしがいると分かればすぐに理由をつけて逃げ出してしまいますの。


 聖女が逃げただなんて恥ずかしい話ですけれど、こちらから領主にはあの方を殴ったところは見られてる訳ですし、理由を話して協力してもらった方がよろしいですわね。


 どうしてあたくしがあんな方を見つけてしまったのかしら。


 そんなことを考えながら聖女が育てている温室に入る。


 入った瞬間から濃厚な緑の気配にくらりとめまいがしてふらつきそうになるのを耐え聖女の姿を探しますがこちらにはいらっしゃらないみたいで無駄足になってしまいましたわ。


 それにしてもこの植物たち。


 聖女がここにいらしてからまだ日は浅いらしいですが、それでもかなり立派になっていらっしゃいますの。


「……どうして」


 ここの植物たちはどれも優しい雰囲気ですのに本人はどうしてあそこまで頑ななんでしょう。


「げっ」

「……ごきげんよう聖女サマ」

「……どうも」


 珍しく逃げませんわね。


 どうしてなのかしら? と聖女の行動を見ていますと向こうもあたくしのことを気にしつつ植物たちに水をやるみたいでした。


 なるほど。今なら逃げられませんわ。


「お手伝いいたしましょうか」

「いりません」

「その手では大変でしょう」


 タクラン様からの話では魔族に追われた時に骨折したそうです。


 顎にも治りかけのアザとあたくしが殴ったところは貼り薬を貼ってあるのでどのような具合なのかは分かりませんけど、怪我人を殴るだなんてあたくしもどうかしていましたわ。


 だからその罪滅ぼしも兼ねてと聖女が持っていたじょうろを奪い取りお水を入れて振り返ると聖女はもう1つじょうろを持って立っていました。


「……いくつあるんですの?」

「手伝ってくれるのならあっちから水撒きをお願いします。ついでにあの辺の何もない辺りは耕しておいてください」

「えっ?!」


 耕すって?! 聖女が指差した辺りはそこそこ広い。


「あたくし魔族も倒さなければいけませんのよ?!」

「手伝ってくれるんですよね」

「それは……言いましたけれども……」


 てっきり水撒きだけだと思ったんですもの。


 それにあたくし農作業なんてしたことないんですわよ!! 


「出来ないのに手伝うって言ったんですか?」

「~~やればいいんでしょ!」


 見てなさい! 完璧にこなしてやるんですから!


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