62 勇者の仲間セルジオ視点2
「それで被害状況はどうなってる」
最近魔族の様子が活発だとは聞いていた。
魔王の封印が解け掛かっているのは人間だけでなく魔族にまで伝わっていたのは知っていたが、まさか魔族側からの一斉攻撃があちこちの国で起こるとは思わなかった。
今は仲間たちがそれぞれの国へ行って戦っている。もちろん俺も色んな場所に赴いては魔族を斬ってまわっている。
報告と被害を受けた地域をモンスパルが振り分けてくれた場所に行って今は報告を済ませ別のところに行くところだ。
だが、勇者の負担は俺たちの比ではない。
各国が勇者を求め勇者もそれに応じ戦いに赴くだけに留まらず聖女の捜索まで行っている。
今報告を聞く勇者はうっすらと隈を作り以前と比べるとやつれたと言ってもいいが、不満も言わずに奔走している。
そろそろ休ませた方がいいのだろうが本人は平気だと言ってさっさと次の街に向かう。こういう時に聖女がいてくれたらもう少しマシになったかもしれん。
魔族の撒き散らす瘴気を浄化出来るのは聖女のみ。
だが、聖女不在のまま魔族を屠ったとしても瘴気はそのまま残り滓となり、再び魔族が甦りいたちごっこだ。
どこかで聖女がこの襲撃に遭って名乗り出てくれたらこの状況から抜け出せるのだが、未だに名乗り出る様子はない。
本当に困った聖女だ。どうして与えられた役目から逃げ出すのか理解出来ない。逃げ出した聖女のせいで世界は混乱に落ちているというのに。
それとも名乗り出られない事情でもあるのか?
時たまモンスパルやアマンダに会う時もあるが、あいつらも同じことを思っているのか勇者を見る顔は渋い。それほどまでに疲労の色は濃いというのに。
どこで休ませてやるか。
「セルジオ今いい?」
「トールかどうした」
新しく仲間に入ったトール。こいつは勇者とは違って治療のためにあちこち移動しているが、お付きの三人が仕事を抑えたりしてあまり疲れないようにと配慮されているが、本人の疲労の色は濃く度々休ませなければならい。
「次は?」
「まだ休んでなくて大丈夫なのか?」
「平気だよ。みんな頑張っているのに僕だけ休んでられないよ」
倒れたばかりだというのにもう行こうと言うのは感心するが、この忙しさにその内お付きの三人に刺されそうだ。
「そうか、ならば……」
「トールは一緒に来てもらう」
怪我人が多い地域はどこだったかと考えていると勇者がいつの間にかこちらを見ていた。報告を聞いてたんじゃ? と思ったが、有無を言わさぬ言い方にらしくないなと違和感を覚えた。
いや、元々聖女を探していた時も俺たちの意見はわりと無視しがちであったが……言葉にトゲがあるような? と思ったところでそういえばトールは聖女としばらく一緒にいたんだったと思い出して納得する。
まあ、勇者も若い男だ。気になる女のことはやきもきしたっておかしくはない。
なら、俺が言うことはないのでそっと離れて次に行くべき国を選ぶ。




