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「……?」


 寝て起きたら体調はだいぶマシになっていたけど、どこだここ。


 赤と金を基調とした部屋は広くベッドは天蓋付きベッド。ドレッサーも重厚なマカボニー調の物だ。


「いてっ」


 起き上がろうとして間違えて折った方の手をつこうとしてさっきまでのことを思い出す。


 魔族に追われて異能を使ったところを見られて薬草園で手当てしてもらってミランダに寝るように促されて……多分寝てる間に移動させられたんだと思う。


 部屋の中をあっちこっち視線を移しているとベッド脇のドレッサーにあたしのクマが置いてあった。


 誰かが危ない中取ってきてくれたっぽい。クマの中身は無事かと中身の確認をしようとするとドアがノックされた。


「リュリュ起きてる?」


 その音にクマを触る手を止めて荷物を押し戻しているとドアが開きヘレンが顔を出した。


「ヘレン! ちょうどよかった。ここどこ? 魔族はどうなったの?」

「その前に診察させて。あんた風邪引いてるのに動き回ったし、怪我までしたせいか丸2日眠ってたんだからね」

「えっ」


 そ、そんなに?


 びっくりしてる間にヘレンはぱぱっと診察をすると体調はどうだ? といくつかの質問をしてそれで本当に診察は終わり。


「魔族はまだいるよ。ここは領主様の館だから強い結界に守られてるから安心していいよ」

「領主?!」


 どおりで高そうな部屋だと思った。


 ジルはあたしのこと偉い人たちに話したんだと思うと少しだけ悲しくなった。


「後で食事を運ばせるよ。何か食べたい物はある?」

「……何でもいい」


 これからのことを考えると気が重くてとてもじゃないが何か食べたいとは思えない。


「街は半壊したよ」

「えっ……」

「やっと他の街に行ってた奴らが戻ってきたお陰でそれ以上の被害はまだ出てない」

「他の街は?」

「近隣の街はどこも似たり寄ったりな状況でとてもじゃないが、他の街に支援する余裕なんかないそうだ」

「そうなんですね」


 それじゃあ、やっぱり逃げ出すのは無謀か。


「あの、ここの領主様は」

「今は忙しいから後でな」


 ということは領主様が出てくるんだ。


「リュリュは他の街から来たから分からないがこの街はとても穏やかで過ごしやすいところだったんだ」


 それは貴族とかが訪れて行くってのはこの街に来る前に調べてあったから知っている。どうしてそんなことを言うんだろ。


「ヘレ……」

「だからこの街を壊したあいつらのことは許せない、許してはいけないんだ。リュリュが戦えないのは分かっている。だけど、その豊穣の力をこの街のために貸してくれ!!!!」


 そう言うとヘレンは勢いよく頭を下げた。


「あの、あたし……」

「もちろんタダなんて言わない。報酬も出す。薬草と食糧を!」

「あのね」

「リュリュがどこかの国に既に属してお忍びでこの街にいるのは知ってる。その割に護衛が居ないのが気になってはいるが……もちろんリュリュの国にも金は払う」

「ちょ、ちょっと待って!」

「頼むリュリュ!!!!」

「聞いて! お願いだからあたしの話を!!!!!!」


 このあとこの街の領主様が来るまでこのやり取りが続き、せっかく体調がよくなってきていたはずなのにすっかり疲れ果ててまともに話が出来なかった。


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