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 ぐったりとしてたから治療をしている人のところに預けてきたよ。 


 もしかして出入口の近くに居るとああやって怪我人とか渡されちゃう?


 どうなってるかだけでも知りたかったんだけど、諦めよう。


「だからお前がぶつかってきたんだろ!」

「知るか! 大体こんな狭いとこでぶつかんなって方が無理あんだろ!」

「だからと言ってな」


 何だろ? 喧嘩?


 どこか知らないけど騒がしい人たちがいるみたい。


 というか、こんな時にまで喧嘩する必要なんてないんじゃないの?


 どうにかして魔族を退けるか、ここを守るようにするのが先決でしょと思ったところであたしも浄化の力を生きてる魔族相手に使えるのか試そうって思ってたのに実際魔族を目の当たりしたらすっぽり頭から抜け落ちてしまっていた。


 ここは安全だからしなくてもいいんじゃない? って気持ちもある。でも、思い出してしまったのならここの人たちも不安な気持ちをしなくてもよくなるように動いた方がいいんじゃないかっていう気持ちもある。


 特にこうやって何もせずにただ突っ立っている時はそわそわしてしまう。


 このまま黙って魔族がどっかに行くのを待つのが懸命な判断なんだ。


 そうだよそれがいい。


 勇者だの魔族だのましてや魔王だなんてあたしみたいなか弱い人間がどうにか出来る訳がないんだ。


「!!」


 そう思っていると近くで爆発音がして、遺跡全体がビリビリと揺れるぐらいの振動まであった。


 さっきまで騒いでいた人たちも外の様子を伺うかのように大人しくなった。


 外はどうなってんのよ。


 何でこんなことになったのよ! そうやって叫びたいし、全部勇者せいにして安全な場所でこんな恐怖とは無縁にぬくぬくと暮らしていたいのに!


 周りを見回しても外に出ようとする人は1人も居ない。


 こんなに沢山の人が居るのならば戦闘系のスキル持ってる人だって1人ぐらい居たっておかしくはないだろう。それともさっきの鎧の人みたく外で戦って居るんだろうか?


 そんなことを考えていると再び爆発音。


 今度はパラパラと音を立てて土埃が降ってくる。


 生き埋めになったりしない? 大丈夫?


 同じことを思った人は何人も居るみたいで息を飲む音や神に祈りを捧げる声に小さな悲鳴がそこかしこから聞こえてくる。




◇◇◇◇◇◇




 あれから数時間。何度も聞こえてくる爆発音にいつまでこの状態が続くか分からない状況に精神的に参ってしまいそう。


 そして近くで爆発音が連続で続くと鎧の人や避難してくる人はぴたりと止まり、外がどうなってるのか情報が入って来なくなった。


 その間に遺跡の中にはもう一層あるらしくてみんなそちらの方に移動したりしてるということを知り、あたしもようやく座れるようになった。


キュルルルル


 お腹空いた。


 そういえばすぐに宿を取ってからすぐに温泉に向かったらからここにきてまだ何も食べてない。


 こんな時でもお腹は空くんだなと思いながら鞄から食糧をとりだす。


 そういえばこういう避難所ならご飯とか出してくれないの? 出した食糧をもう一度仕舞ってから周りの人たちの動向を確認する。


 大概が外の様子を窺うように出入口を見つめたり、神に祈りを捧げていたりしている。


 外ではまだ爆発音がするものの、最初の頃よりはだいぶと少なくなってきた。


 だけどまだ爆発音がするため、外に行って確認しようとする人はいない。し、あたしみたいに何か食べようとしている人は居ないのか?


 あたしだけ食べていたら恥ずかしいんだけどと思いながら周囲を見回しているんだけど、あたしみたいに何か食べようとしている人は居なかった。


 この中で食べようとするのは勇気がいる。


 どこかでこっそりと食べられたらいいんだけど、都合よくそんな場所はあるのかしら?


 どこかで食べられたらとうんうんと唸っていると出入口からバタバタと人がやってきた。


 かなり煤で汚れている。鎧の人?


 誰?


 みんな外がどうなってるのか知りたいから煤で汚れきったその人のところに殺到していて近付けそうもない。


 この隙にささっと食べちゃえ。


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