41勇者の仲間 モンスパル視点2
「どうかしましたの?」
「いえ……」
先ほどの女性? いや、少年か。どこか清々しいような落ちつくような独特な雰囲気が漂っていてまるで神殿に居た時のような雰囲気を感じましたが、きっと気のせいでしょう。
「ああ、そう言えばクロッチェがしばらく別行動するらしいですよ」
「あら、大丈夫なんですの?」
話題を返ればきりりと吊り上がる眉にアマンダはクロッチェだけには手厳しい。
旅をする上で仲間を信頼することが一番重要なのに。
どうしてこの方はクロッチェだけには厳しいのか。
「彼は仕事柄探し物を見つけるのは得意なんですよ」
「それで聖女様とやらが見つかればいいんですけど!」
「アマンダ言い過ぎですよ」
段々と大きくなるアマンダの声に誰が聞いているのか分からないのでもう少し声を抑えて欲しいとたしなめるものの聞いてはないみたいで段々と声が大きくなっていく。
「あたくし本当のことを言っただけですわ! 与えられた役目から逃げ出すような方が聖女だなんて! もし、見つかったとしてもあたくし仲間だなんて思えませんわ!」
「それからあまり聖女様のことを言うのは……」
「分かってますわよ! だから先ほども勇者様や聖女のことを言わなかったでしょう。それぐらいの分別はありましてよ」
このままアマンダが孤立するぐらいならいいのですが、聞いた話ですと聖女様の性格もかなり尖っているらしいですから最悪みんなバラバラになりかねません。
それから往来で聖女様や勇者様の呼称を呼ぶのはどうかと思いますよ。近くに誰も居なくても注意するべきなんです。
後でお説教だなと思いながら先ほどの人には断られてしまいましたが、誰かクッション役に入ってもらわないと本当に危険な気がします。
アマンダをメンバーから外すことを考慮するべきなのですが、戦力を考えたら彼女に抜けられてしまうのはかなり痛い。
……こんな時神官仲間のオレガノに言われた言葉が頭の中でやけに反芻されて抜けてしまおうかと理性を揺らす。
神託のことさえなければとっくにこの人たちはバラバラになっていたはず。
ならば、今さらですが、自分が抜けてしまっても──
「モンスパル? どういたしました?」
「……いえ、何でもありません」
よくない方に思考が反れて行きそうになっただけです。
ここで抜けてしまえば見送ってくれた人々の期待を裏切ってしまうことになってしまいます。それはするべきではない。
「何でもありませんではないでしょう。あなた先ほどから声を掛けていましたのに全く反応いたしませんでしたのよ。疲れてるんじゃありません?」
「疲れてる……もしかしたらそうかもしれません」
あなたの話に付き合っていると10歳ぐらい年を取ったような気分にさせられますからね。多分かなり疲れているのでしょう。
「あなたここに来るまでずっとクロッチェの看病してましたものね」
「……今は勇者様が見てくれてますから少しは休めてますけどね」
クロッチェの看病の方がだいぶマシでしたよ。
ですが、そんなことを言えるはずもなく曖昧に笑って誤魔化しました。
「ええ薬草は買いましたし、聖女様なんかは見つかりませんから早く戻って休んだ方がいいですわ」
「もう少し言い方を……」
「別にいいではありませんか。本当のことなんですし」
嗜めてもアマンダはどこ吹く風。本当にこんなメンバーで上手くいくのか。
一刻も早く聖女様を見つけなくては。
「それと、この大陸にある魔王の力のカケラも集めすよ」
「ええ、ですがいくつあるんですの?」
「とりあえずこの国に1つと別の国にもう1つあります」
「他の大陸にも回りますの?」
「そうなると思いますが……」
ですが、その前にも行くところがいくつかあるのでもう少しゆっくりとした旅になるかもしれませんが。
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