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嫌です。無理です。さようなら ~聖女と呼ばれたけど関わりたくないのです。~  作者: こま
なんかどんどん巻き込まれてってる気がするんですが
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「あー、マジか」

「マジかじゃないわよ! どうしたらいいのよ! 玲琴様から毎日のように服が贈られてくるのよ! どうにかしてよ!!」

「リュリュから言えばいいんじゃね」

「あたしが何言っても好意的にしか受けとられないから無理」

「あー」

「僕の方からも言っておくよ」

「よろしく」


 こちら風の服を最初にもらった時はびっくりしたけど嬉しかったのでお礼をクミンさん経由で言ったところ日に三度も四度もいただくようになってしまってこのままじゃあっという間に服で埋めつくされてしまう。


 そうなる前にトールたちに助けを求めたけど、あんまり期待しない方がよさそう。


「そういやお前これからどうするんだ?」

「あー、そうだった」


 挨拶も終えたし、そろそろ出てこうかなと考えてるんだけど、日本らしき国の情報が欲しいのよね。それ手に入れてから出て行くのはいくらなんでも図々しすぎかしら。


「もうちょっとだけいさせてくれると嬉しいわ」 

「それはもちろん僕も母さんと同じでいつまでもいてくれていいと思ってるよ」

「ありがと」


 あたしも異能さえなければお言葉に甘えさせていたいけど、異能がある限りはねぇ。どうしようもないことなので曖昧に笑って話を変えた。


「それで、あたしちょっとお出掛けしたいんだけど」

「どこに?」

「クミンさんにオススメのお店聞いたし、観光もしたいんだもの」

「それなら人を付けようか」

「えっ、一人でも大丈夫よ」

「ここはリュリュが育った国とは違うから」

「そうだぞ。何が起こるか分からないし、まあ、何もなければ荷物持ちが付いて来たって思っときゃいいぜ」


 誰を付けようかと言い出したトールにぎょっとして慌てて止めようとしたが、ノヴァにまで賛成されると光華国の知識が殆どないあたしには頷くしかなかった。




◇◇◇◇◇◇




「一緒に行く人って」

「しっ! 静かにして見つかったら怒られるから」

「いや、でも……」


 同行人がトールだって聞いてないというか、バレたらかなり怒られる奴じゃないかと睨むが先に出ようとするので慌てるしかない。


「勝手なことして怒られたらどうすんのよ」

「その時は一緒に怒られてくれる?」

「そういう問題じゃないでしょ」

「嘘だよ。近くにシルシェもいるから安心して」


 辺りを見回してみたが誰もいない。本当にいるのかとトールに問い詰めようとトールの顔を見れば答える気のない笑顔。


「僕も小さい頃から外を出歩たことなかったから気になってたんだ」


 うっ、そう言われると断りづらい。でも、トールが外に出て大丈夫なんだろうか? うるさい連中は黙らせたと言っていたけどそれってこの家に群がってくる連中だけでしょ? それ以外は?


 言っちゃいけないんだろけど、見た目に関する差別はかなりあるんだと思う。


 この家では特に何か言われるってことはなかったけど、道中はかなり冷たい視線が多かったし、宿に泊まる時はフードを絶対に外して外に出ないようにと約束させられたし。


 それなのに赤と白の頭をした人間が外に出て大丈夫なのだろうか。フードが人ごみの中で外れて大騒ぎになったりしないだろうか。


「ね、早く行こう」


 でも、ぎゅっと握られた手はあったかくて嬉しそうに笑うとを見てると駄目って言いにくい。せめてシルシェさんに見えるところで着いて来てもらおうと主張するも一刻も早く行こうと急かしてくる。


「何でそんなに急ぐのよ」

「今日はお祭りなんだ! ずっと楽しみにしてたから早く行こう」

「あ、ちょっと……」


 ぐいっと引っ張られそのまま走り出されてしまいすぐに転ばないように着いてくのが精一杯になった。


「あっちみたいだ!」

「トールってば!」


 こんなにはしゃいでるトールは見たことがない。出て来てしまったものは仕方ないと諦めて祭りを楽しもうか。


「わっ」


 覚悟を決めて大通りに出ると人の視線が気になるもののたくさんの屋台に気分が上がり目移りしてしまう。


「あっちは串焼きに揚げ物のお店、あ、お菓子の店もあるわ!」

「あっちは遊べるみたいだ。見て、大道芸もやってるよ!」


 全然見てる物が違う。二人してそのことに気付いて笑ってると通りすがりの人に怪訝な顔をされる。フード被って顔を隠してる二人組が笑ってるんだもん不気味なのは分かるけどそんなにじろじろ見ないで欲しい。髪の毛が見えたら困るから。


 あたしは怪しくないですよと見て来た人のことをじっと見てるとその人はそそくさとどこかに行ってしまった。


 フッ勝ったわ。


「リュリュ?」

「何でもないわ。それよりどこから行く?」


 今の嫌なことはさっさと忘れてパーッと遊んじゃいましょ。


「そういえばこれって何のお祭りなの?」


 串焼きを買ってから隣にいるマハリタに尋ねた。


「リュリュは初めてだものね。んと、大昔封印された魔王の」

「げふっ」

「大丈夫?」

「ゲホッゴホッ……平気よ。それで」


 びっくりした。まさかこんなところでもその名前が出てくるとは。


「う、うん。それで、数千年前まだ世界が一つの大陸だった頃当時の勇者が魔王を封印したけど、その後何百年か経ってから魔族が魔王を復活させようとなって新たに現れた勇者と聖女様が力を合わせて魔王を再び封印したけど、その衝撃で大陸は割れて今のようになったのは知ってるよね? でも、人間は同じようなことがあったら困るからって別れてしまった大陸の人たちに何とかして連絡を取って原初の大陸で封印された魔王を復活させないようにって魔王の力をそれぞれの大陸で封じてもう二度と復活しないように鎮めるための祈祷祭なんだ」

「へぇ、由緒正しいお祭りなのね」


 全然知らなかったけどそんなことがあったのね。


「うん。でも、この祭りの為にお父様もお母様も忙しくて」


 しょんぼりするトールに烏梅様はこの出店の管理とかの為に忙しいらしく、玲琴様は玲琴様でご実家が神職のためお手伝いの為に戻ってるとかで屋敷にいない日が続いてる。玲琴様はあたしの服なんかに気を使うんじゃなくてトールと一緒にいる時間をもっと作ってあげてほしい。


 祭りが終われば落ちついて話せるようになるわよと伝えればホッとしたようだった。本当はこういうのって他人の口からするのはよくないことだけれど、からも玲琴様にトールのことをもっと気に掛けて欲しいとお願いしてみよう。


ブクマ、評価、いいねありがとうございます(。・x・)ゞ♪

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