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ワンピースを沢山買って着替えて帰ったらセリーナさんがびっくりしてたけどあたしのこと男の子だと思ってたのだろうか?
でもセリーナさんあたしの看病してくれたし、着替えも手伝ってくれたよね? 胸が平らだって? いや、あたしまだ成長期だもん。一応ぺったんこじゃないもん。これから育つんだもん。ぐすん。
泣きそうになりながらもセリーナさんに今までの分の宿代と追加で一週間ぐらい泊まることを伝えて髪を切るのを手伝ってもらった。
ハサミはセリーナさんに借りたけどやっぱり自分のハサミは買おう。
髪の長さバラバラだったから切れて良かった。肩につくぐらいの長さで切ったけど変じゃないかしら? 大丈夫よね? 鏡を見ながらくるりと回ってみる。新しい服も相まってなんだか落ち着かない。
「さて」
いつまでも浮かれてても仕方ないので荷物を片付けよう。
さっき手に入れたぬいぐるみを取り出してウキウキと片付けようと鞄の中身も部屋の中にぶちまけた。
そうだ。さっき買った赤いフード付きのローブ! 赤ずきんちゃんみたいで可愛いなと思って買った奴早速着てみよう! これから夏になると日差しきつくなるから日焼け対策にもいいと思って買ったんだけど結構可愛い?
膝近くまであるローブを着て鏡の前でくるっと回ってみたけどあたしの目立つ髪も隠せていい感じっぽい。これは買って正解だった。後でレースとか縁に付けたら可愛いかも。今度暇があったら改造でもしましょっと♪
「あれ?」
ぬいぐるみの中に何か入ってる? ぬいぐるみを振ってみるとカラカラと何かが転がるような音がする。というかぬいぐるみ振ってこんな音が出るって変よね。どうなってるのかしら?
カナリアさんが棚を出したり入れたりして見せてくれた時に間違って箱の中に落ちてしまったのだろうか? 気になったので取り出してみると遺跡で見つけた綺麗な赤色の球と色違いの球が入っていた。
あたしが拾った方は赤色だったけどこっちは金色だ。
キラキラと光るその球と拾った球を見比べる。どちらも光ってて綺麗だし、金色の球の方は暗い夜道でも明るく光ってそうなくらい眩しい。
「同じもの? どうしようカナリアさんに返すべき?」
いや、でも、棚出した時に確認してたから多分間違ってないと思うけど、どうなんだろ? というかいつ入りこんだんだろ?
「うーん」
しばらく考えてたけど分かんなくて立ち上がる。分かんないんだったら聞きに行こう。
せっかく出した荷物は簡単に鞄に入れて球をポケットに入れる。あ、これ二つ共胸のとこに入れたらあたし巨乳になる!?
球を入れて遊びたいけどそれはまた今度でいいや。カナリアさんのお店にさっさと行かないとお昼になっちゃう。
セリーナさんの宿はお昼出ないからどっかのお店に出ないといけないんだけど、この辺のお店どこも混んでるから早めに行かないといけない。
急いで骨董品のお店に戻ったが閉まってる。
「ごめんください」
声を掛けてみるが返事がない。留守? 昼前にお店を閉める? ご飯にでも行ったのかしら?
お店の前に張り紙はないから買い付けに行ったとかではないだろうけど。まさか留守だとは思わなかった。
しばらくこの町に滞在する予定だからまた別の日に来よう。
◇◇◇◇◇◇
あり得ない。こんなことってあるのだろうか。
カナリアさんのお店に連日通い続けたのにも関わらずずっとお休み。
日によって尋ねる時間を変えたり、置き手紙を店のドアに挟んでみたりしたけどそれを見た形跡は一切なし。
「普通こんなに店を空けるなら張り紙かなんかしてくもんじゃないの……」
周りのお店の人に聞いてもあのお店は開いてたり開いてなかったりしてるのでよく分からないという返事しかもらえなかった。
「どうしよっかなこれ」
見つめる先にはキラキラと輝く球。
明らかに高そうだし、価値がありそうってのは誰にでも分かりそう。そろそろまた旅に出たいけどこれを持って行く訳にはいかないでしょ。でも、いつお店が開くのかも分かんないってだけでこの町に居続けるのもねぇ。
店の前に置いてく? いや、高そうだって思ったばっかりだし、こんな綺麗な物置いてって盗まれたら大変だよね。人に預ける? 誰に? そう考えて一瞬セリーナさんの顔が思い浮かんだけど、セリーナさんもあの店は知ってるけどっていう反応だったから預けていいものか迷う。
「本当にどうしよっかな……」
一番いいのがカナリアさんがお店開けていてくれることなんだけど、開く気配はないし……。まさか閉店とか夜逃げとかじゃないよね?
そうだったらどうしようもないんだけど。
「うーん」
手持ちのお金はまだあるけど、いつ戻ってくるか分からないカナリアさんを待つ内に路銀が尽きて異能を使わないといけなくなるのはちょっと避けたい。
ほら、あたしの異能珍しいから誰かに見られると監禁とかされちゃいそうだし。最悪この国のトップに話が行って、そこから芋づる式にあの国に話が漏れないとも限らないので、出来るだけ長居はしたくないのよね。
豊穣は本当にそれぐらい珍しいから各国のお偉方は血眼になって探しているらしい。なので、見つかったらどうなるか分かりきってるので、本当に町中で使いたくないのだ。
でも、そうなるとこの球を持って行くことになるんだけど、本当に持って行ってもいいものか悩んでしまう。
赤色の方は遺跡で拾ったから別にいいような気もするけど、金色の球にそっくりだからカナリアさんのお店に関係するものかも……いや、でも、これは拾ったんだからあたしの物でもいいよね。
ちょっと迷ってから手紙を書くことにした。
いつ来るか分からない人を待ってたって仕方ない。あたしの異能は人のいないところで使いたいんだもん。
だから手紙に宝石箱の中に金色の球が入ってたことと何度か伺ったけど誰もいなかったので申し訳ないが持って行くこと、もし必要ならば……どうしようかしら……また手紙でも出して届けるか尋ねましょ。
落ち着いて手紙が出せるようになるのがいつになるのか分からないけど、いない方が悪いんだしね。
出来上がった手紙に誤字がないか確認してからカナリアさんのお店に向かったが、やっぱり留守だった為に手紙をドアに挟んで町を出た。
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