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森の中たまに魔獣が出てくる以外はわりと平和で魔王だなんだのなければここに居るのも悪くないんじゃない? 妖精たち可愛いし。
そんなことを考えてしまうぐらい進展がなくて本当にまだ魔王の力の欠片がこの森のどこかにあるのかと疑ってしまうぐらいだ。
「ねえ、アマンダ」
「何ですの?」
「魔法で魔王の力の欠片の場所とか分からないの?」
いい加減なこと言ったらぶつわよみたいな顔をされたので慌てて気になったことを聞けばアマンダは首をゆるく振った。
「無理、ですわね。移動型の魔法陣も使えませんでしたし」
「でも、魔法は使えるわよね?」
魔獣と戦っている時も使っていたしと言えばあなたの異能と同じですわと言われてようやく納得した。
探索とか移動系はずっと魔力を使い続けていると考えればいいのかと聞けばそうだと言うので諦めた。
確かに使い続けると疲れるので戦力を減らしてしまうと考えるとそれは駄目だ。勇者一行だから戦力過多な気もするけど何かあるか分からない以上は必要な魔力は抑えたいというアマンダの意見は尊重するべきだろう。
そうなるとまだまだこの森をさ迷わなければならないんだって軽く絶望。
「あ、あの、あたしが変わりにやりましょうか?」
声のした方を見たらカナリアがいた。
ちらりとアマンダを見ればアマンダも驚いた顔をしている。誰か止める人は居なかったのか? とカナリアの後ろを見たが近くに居ないっぽくてちょっぴり離れた場所でみんな休憩していた。
いや、ちゃんと見とけよ。あたし近付いたら駄目なんだろ!
離れた方がいいよねとアマンダに目配せして離れようとしたらカナリアに腕をがしって掴まれてしまった。
「えっ」
いいのこれ?! 浄化の力って勝手に発動したりしないわよね?!
「な、何?!」
びっくりしてドキドキうるさい胸を抑えようとしたが声が裏返ってしまった。
「あの、あたしあの時のこと反省していて」
「あ、ああ、あの時ね。あたしも言い過ぎたわ。じゃあ、これで!」
これでと離れたいのにカナリアはまだあたしの腕を離そうとしてくれないので困った。
「カナリアその話はあたくしとしましょう」
「そうよ。あたしは魔法の話は分からないから詳しい人とした方がいいわ……っいた!」
カナリアに掴まれている腕が痛くなった。
何だと腕を見ればカナリアが掴んでる場所にカナリアの爪が食い込んでいた。
「ちょっ、やめて! 痛い!!」
「カナリアやめなさい!」
アマンダはそういうとカナリアを羽交い締めにしてあたしから引き剥がそうとするが中々離れない。
これ浄化の力使った方がいいんじゃないの?!
「痛い痛い! 離してよ!」
「あたしはただリュリュさんと仲直りがしたいだけなんです。それなのにどうして避けるんですか?」
「避けるとかそういう問題じゃないでしょ! 痛いんだって!」
「カナリア離しなさい!」
しばらくあたしたちが格闘していると他の人たちも気付いたらしくカナリアを数人掛かりで引き剥がしてくれた。
カナリアに傷つけられた腕は血がにじみところどころ内出血にみみず腫れになってしまったがすぐにトールが治してくれて傷と痛みは消えてカナリアにもあたしに近付かないようにと接近禁止を言い渡され、カナリアにはアマンダとモンスパルが付きあたしにはクミンさんとトールが側に居てくれることになった。
カナリアがあの魔王の力の欠片の影響を受けてない訳がないって改めて思い知らされた気分だった。




