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勇者の意味不明の告白から一夜明けてあの時の言葉がじわじわと頭に染み込んであたしにもモテ期到来?! って思ったけど相手は勇者だから嬉しくないし、なんならノーカンってことにしてしまいたい。
断ったんだけど最後まで勇者はずっと考えて欲しいの一点張りだったので最後にはこちらが折れるはめになったんだけど、勇者はあたしのどこを見て好きになったの?
よくよく思い返してみてもあたしの勇者たちに対する態度ってかなり悪いわよね。アマンダは今もだけどクロッチェも最初はあたしに対していいイメージはもってなかったし。
勇者に聞く? いや、それだと意識しているみたいでめちゃくちゃ嫌だ。
誰かに相談する?
でも、誰に? アマンダはそんな仲じゃない。
カナリア、話し掛けに行けないから論外。
それじゃあクミンさん? いや、クミンさんも勇者のこと嫌っているからそんなことを言ったらあたしも嫌われちゃわないかな?
そうなってくると男性陣に相談ってなるんだけど簡単に相談できそうな人がパッと思い浮かばないな。
トールやクロッチェには話やすいかもだけどこんな相談されても他人の恋愛事情とか興味ないわよね。
騎士は無神経そうだしモンスパルは聞いてくれそうだけど、俗世とは関係ありませんって感じで生きていそう。そうなると残りはシルシェさんとノヴァの二人。
ノヴァも騎士みたいに無神経なところあるし、シルシェさんは何か話し掛けづらい。あの人生真面目な先生みたいなタイプって感じで苦手までは行かないけど、話し掛けづらい雰囲気があるのよね。
そうなると考えなくちゃいけなくなるんだけど勇者のことは考えたくないのよね。
妖精たち? 人間のことにあんまり興味なさそうだから相談するつもりはない。
というか、今勇者のことで頭を悩ませているのも嫌なんだけど。どうしたものか。
しばらく頭を悩ませていたけど、勇者のことだしと思考を忘却の彼方に追いやることにした。
だって嫌いって感情しかないのに迷うことすらなかったんだもん。放っておくのが一番だ。勇者がまた何か言ってきたらちゃんとお断りすればいいだけだし。
というか、あたしの好みのタイプは行商のおじさんだし勇者は好みのタイプですらないんだもん考えるだけ無駄だったわ。
「クミンさーん。お腹空いた!」
変に悩んだらお腹が空いてしまった。
料理担当のクミンさんのところに行ってちょっと早いけどお昼の催促をする。
あたしも料理は出来るけどクミンさんのは同じ材料でも全然味付けが違ってもの凄くおいしいのよ。
いつかクミンさんの味付けが出来たらいいなと料理中にあれこれ尋ねるけどあんまり上達した気がしないのよね。何でかしら?




