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嫌です。無理です。さようなら ~聖女と呼ばれたけど関わりたくないのです。~  作者: こま
仕方がないからあたしがやる! でも勇者お前は許さない!
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「この辺りでよろしくて?」

「いいんじゃないか?」

「では、この辺りで。今日の見張りはリュリュと勇者ですがよろしくて」


 やっと休めると荷物を下ろして地面にへたり込もうとしていたところで聞こえてきたアマンダの声にぴたりと動きを止めた。


 森の中を闇雲に移動しても仕方ないとクロッチェが言うのでとりあえずな感じだったけれど西に向かって移動することになった。


 そうやって何度か休憩を挟みつつ移動を続けてようやっと日が沈むから森の中で野営をすることになった時にそんなことを言われた。


「見張りって何するのよ」

「魔獣が来ないかとか見張るんですわ」

「それなら勇者一人でも平気じゃない?」


 強いし。


「勇者も人の子ですわよ。寝てしまう可能性もありますし、全方位を警戒するのは無理ですわ」

「そんなことをアマンダとかの方が適役なんじゃ?」

「いい加減にしてくださいまし」


 あたし気配とか分かんないわよと言えばドでかいため息を吐かれた。


「あなたが勇者のことを嫌いなのは知っていますけれど、いい加減仲良くしてくださる? でないとあたくしたちも今後に影響するかもしれませんの」

「影響って……」

「とにかくよろしくお願いしますわね」

「あ、ちょっと……」


 どんな影響があるのよって聞こうとしたのにアマンダは言いたいことだけ言うとさっさと行ってしまった。




◇◇◇◇◇◇




「……」

「リュリュ様冷えませんか?」

「焚き火があるから平気」

「そうですか」


 パチパチと焚き火のはぜる音を聞きながら顔を見るのも嫌な相手と朝まで過ごさなくちゃいけないのかと考える。


 日が落ちきる前にトールが変わろうか? と聞いてくれたんだけど、クミンさんが熱っぽそうにしていたからと駄目出ししていたので気持ちだけ受け取ったが他の人はアマンダが止めていたのか変わってくれそうな優しい人は居なかった。


 なので早く朝になれと祈っているんだが、さっきから勇者があれこれと話し掛けてきて鬱陶しいことこの上ない。


「リュリュ様小腹は?」

「……」

「喉渇いたりしていませんか?」


「リュリュ様」

「リュリュ様」


「……」


 しばらく我慢していたけどこれ朝までずっとこの調子なの?


「静かにして! お腹が空いたら勝手に食べるし、寒かったら毛布だってあるの! 黙っててよ!」


 朝までずっとかと思ったらもう駄目だった。


 さっきからずっと小うるさい勇者に癇癪が爆発してキレた。


 みんな寝てるから声を落とした方がいいのは分かっていたけど我慢の限界だったのよあたしも。


「小さい子どもじゃないんだしちょっとは黙っててくんない?!」

「……すみません。リュリュ様と中々話す機会がなくて」

「あっそ」


 あたしはあんたとは話したくないからね。仕方ないよね。


 やっと静かになったとホッとしたが、これはこれで静かですることがないのは暇だ。


 誰かに本でも借りればよかったかもと考えているとようやく静かになった勇者がまた口を開いた。


「リュリュ様が俺のことを嫌いなのは薄々分かってましたが、それでも俺はリュリュ様のことが好きです」

「は?」


 今こいつ何て言った?


「リュリュ様が俺のことを嫌いでも特定の相手がいなければ俺のことを少しは考えてもらえませんか」

「え、嫌なんだけど」


 本当に何を言ってんだこいつは。


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