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「もう大丈夫なんですか?」
「あ、はい。ちょっとフラフラするかもなんですけど平気です」
握りこぶしを作り元気アピールをするカナリアを横目に見ながら妖精たちと戯れる。
ミックーは女の子らしく可愛い物が好きなので持っていたリボンを一つあげたら喜んでいた。
トッキーは人見知りなのかまだ人間が怖いのか不意打ちで誰かが近付くと悲鳴を上げたりするのであまり近付かないようにしている。スヒィは何故かあたしの頭の上に乗りっぱなし。
重くはないんだけど、何故?
そんなことを考えるとカナリアと目が合った。
声を掛ける? 一瞬どうしようかと迷った。
だってカナリアとは森に入る前に言い争ったけど、高熱で意識がなくて可哀想だったし。
でも、あたしがカナリアと話す必要はなかった。
勇者の仲間たちがカナリアの気を引いたから。
何か話さなきゃって思ったけど、カナリアに何も言うことはなかったからいいけど。一応仲直り的なことしといた方がいいかな? 向こうも色々あったからワンチャン覚えてないとかないかな。
「カナリアの体調が心配ですけれども、この森の調査も終わっていませんから歩きますけど体調がよくなかったらその時は教えてください」
「はい。それはそうと何があったんですか?」
「……行きましょう」
カナリアの体調が回復してから移動を続けるが魔王の力の欠片の手がかりは特にない。妖精たちが何か知っているかとも思って色々と聞いてみたけど、何も分からない。
モンスパルはカナリアの質問に答えずに歩き出した。
カナリアが高熱で意識がなかった間にみんな集まったからね。カナリアが不思議に思うのは無理はない。
妖精とか増えてるし他にも色々あったけど、とりあえず魔王の力の欠片のことはカナリアには内緒にすることになった。
だってそんなこと言えないし、言うとしたらかなりの無神経になってしまう。それに、言わないことで後々面倒なことになったとしてもあたしは知らない。勇者たちが何とかすればいい。
カナリアが復活したけど勇者たちの空気はカナリアが起き出す前より悪くなっている。
こんな空気耐えられないのでトールの横をぴったりキープしておく。あっちの空気はあたしには無理!
でも、妖精が増えていることだけは説明してあげてもいいんじゃない? かなり説明不足だと思うの。
あたしがそんなことを考えたけど、カナリアにそれを教える人は居なかった。そこはちょっとだけ可哀想だった。




