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嫌です。無理です。さようなら ~聖女と呼ばれたけど関わりたくないのです。~  作者: こま
仕方がないからあたしがやる! でも勇者お前は許さない!
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 その場に居た全員がどういうことだと慌てふためいてパニックになりそうだったけれど、それを止めたのは勇者だった。

 

「カナリアの中に消えてしまった」


 何を言ってるんだこいつは?


 そう思ったのはあたしだけじゃない。


「何を言っていらっしゃるの?」

「あんな物騒なモンが人間の中に入る訳ないだろ! 俺が持っていた時はそんなことなかったじゃねえか」

「そうだぞ勇者。それに聖女の嬢ちゃんが持っていた時だってそんなことなかっただろ、な嬢ちゃん!」

「ええ、なかったわよ。勇者の見間違いなんじゃないの?」  


 あたしは殆どクマの中に入れていたけど、触ったことだって何度もある。その時だってただの光る珠にしか見えなかった。


「いいえ、リュリュ様、確かに吸い込まれるのが見えました。彼女のことをもっと調べるべきかと」

「まさか、カナリアの生まれが不可思議なことと関係があると勇者様は考えておいでですか?」


 モンスパルが勇者に尋ねると勇者は一つ頷いたが、あたしとトールたちは意味が分からずに首を傾げた。


「どういうこと?」

「実は……」


 モンスパルの説明によるとカナリアは遺跡の中で発見した子で近くに親が居た形跡もなく、どうやってそこに置いて行ったのかも分からないそうだ。


 多分あたしが異能を使った遺跡なんだそうで大部分をあたしが植えた植物が侵食してしまって勇者たちもあまり探索出来なかったらしい。


 だけど、カナリアの育ての親のナーダって人の話だと、あの遺跡は元々閉じられた場所でナーダって人が開いて開けたらしくそれまでは人の入った形跡もなかったそう。


 あたしが入った時は魔族がうじゃうじゃしていましたけどね。


「なので聖女様あの遺跡で何か見つけた物ってありませんか?」

「そう言われても……」


 あの遺跡で見つけた物は殆ど売ってしまった。


 魔王の力の欠片をあそこで見つけたけど、それは言いたくないような。でも、あれは盗賊に渡してしまったから言ってもいいよね。


「あの、実はあの遺跡で魔王の力の欠片を見つけたんです」

「!」

「どうしてそれを言わなかったんですの?!」

「いや、だって、忘れてたんだもの……」

「そんな大事なことなんて忘れるだなんてある訳ありませんでしょう!!」


 アマンダの怒る姿にやっぱりこうなったかと思う。


 ぎゃんぎゃんと怒ってくるアマンダにお説教されているとトールがあたしの前に立った。


「トール?」

「怒っても仕方ないよ。それよりも今出来ることをしよう。カナリアに魔王の力の欠片が入って行ったって言うのならカナリアに何か変化だってあるんじゃない?」


 その言葉に全員がカナリアに視線を向けた。


 カナリアはすやすやと眠っているけど、魔王の力の欠片が入って行ったって言うのならばその内起き上がってあたしたちを攻撃するんじゃないの?


 そうなった時この人たちはどうするんだろ?


 アマンダはカナリアのことを気に入っていた。それなのにカナリアが魔王だったとしたら? 勇者の仲間として戦う? それともカナリアを庇って勇者と戦うのだろうか?


 勇者は分からないけどモンスパルだって騎士だってカナリアのことを気に掛けている。


 どうするんだろ? と成り行きを見守るけど、誰も何も言わない。動かない。


 疑問を投げたトールに視線を移すとあたしの視線に気付いたトールはちょっと困った顔をしていた。


「どうしよっか」

「分かんないわよ」


 あたしに聞かないでよ。あたしだってどうしていいのか分からないわよ。


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