101
「勇者たちとはぐれただと?!」
「うん。その後クロッチェに会って怪我しちゃったからトールを探してたんだけどノヴァを見つけて今にいたるって訳よ」
今までのことをかい摘まんで説明する。カナリアと言い争いになった理由だけは説明しなかったけど別にいいよね。
「クロッチェを探さなきゃな」
「あんな奴どうなってもいいじゃありませんの!」
ん?
アマンダとクロッチェって仲が悪いの?
よく分からなくて勇者の仲間たちの顔を見るが目を吊り上げているのはアマンダだけで騎士の人は嫌そうな顔をして神官の方は慣れたようにしているので前から悪かったみたい。
あたしもクロッチェと仲良くはないが、アマンダにいつも見張られてるような気がするからこれからはクロッチェと居た方が精神安定によさげ?
勇者避けにトールたちと一緒に居たけど、アマンダ避けにクロッチェと一緒に居るのもわるくはないかもね。
まあ、でも、それは外の魔獣を何とかしてからだけど。
さっきから柵にした木が物凄い勢いでミシミシガンガン言ってるんだけど、あたしは異能の力を減らした訳じゃないのにこの音。大丈夫か心配になってくる。
この森では異能の力が効きにくいことは言ってある。
だからいつまでも休憩されているのは不安になってくる。
アマンダの魔力が回復するのはまだ時間が掛かるそうだから仕方ないとしても騎士とノヴァはそろそろ外で戦ってもいいんじゃない?
「ところで嬢ちゃん、この柵いつまで維持出来る?」
「そうですわよね。あたくしが魔力を空っぽにしてしまったように異能も使えば消耗してしまいますわよね」
「どれくらいって言われても」
今のところ全く疲れてはないが、ずっと異能を使い続けているのは地味に神経を使うのでそういった意味では疲れてるっちゃ疲れているがどう答えたものか。
全然平気と言って引かれるのも嫌だけど、汗一つ掻いてないからすぐに嘘ってバレそう。
「聖女様の異能は歴代の豊穣の異能の方とは桁違いなので使い続けても数ヶ月はもつはずです」
「えっ」
「す、げぇな」
「なんで国で保護されてないんだ」
「え、あたしそんなに異能使えるの?」
初めて知ったんだけどと神官の方を見れば何度もそちらに向かった者たちから聞いてないのかと引かれてしまった。
「それならここでしばらく住んでも平気だな」
「あたしくこんなところで暮らしたくはありませんわ」
「あたしも嫌よ」
「俺も嫌だね」
「私もちょっと……」
あたしたちが口々に断ると騎士の人はへの字口になった。
「あの魔獣ども諦めてくれねえかな」
話を無理やり変えた騎士にからかってやろうかと思ったけど真面目な話題になったのでやめておく。
「無理じゃないの?」
「そうですわよね。ここまで敵意剥き出しにされてますし」
「お前ら何かしたんじゃねえのか?」
「あたくしたちは何もしていませんわ!」
「気付いた時には囲まれていたんですよ」
その後ノヴァがあれこれと聞いていたが本当に心当たりがなさそうであたしとノヴァは困惑した。




