1話 ドラゴン
だいぶ長い間またせてしまい申し訳ありません!
プロローグの改変が思っていた以上に長くなってしまったため投稿するのが遅れてしまいました...
それからはもっと早いペースで投稿できるよう努力します!うわあああああああああああああああ
「はぁ...はぁ...はぁ...ま、まだー?そろそろ休憩したいんだけど」
マナジェネレーターの実験で気を失い、見知らぬ花畑で目が覚めた後、人を探し歩き始めて30分。もはや歩きすぎて足が棒である。さすがに休みたい。
『はぁ?まだ数十分しか歩いてねぇぞ?』
「いや30分以上も歩いてるのよ!?疲れるに決まってるじゃない!」
何を馬鹿なことを。30分も歩いたのなら誰だってへばるだろう。「死神」はそもそも人間かどうかすら怪しいから体力は無尽蔵なのかもしれないが私はれっきとした人間だ。一緒にしないでほしい。
『...お前、運動はしてるのか?』
「えぇ?そんなのしてないわよ。苦しいし汗かくし疲れるし、嫌だもの。たとえ健康に影響が出ようとも私は部屋から出ないわ!」
『...』
30分も歩いているので足はぱんぱんで汗も大量に流している。シャツがべとべとでかなり気持ち悪い。しかも実験の最中での格好なのでタオルはないしそれどころか白衣の姿なのである。加えて道のない森を通っているので体力がごりごり削られる。最悪だ。
『はぁー...仕方ねぇな。一旦休憩に入るぞ』
「やった...」
ようやく休憩ができる。木々が連なり、結構ジメジメしているので本来ならこんな場所で休憩したくないのだが体が悲鳴を上げている。とりあえず適当な木の下に座り一息つく。
「はー...もう、ほんとにここどこなのよー!」
マナジェネレーターが暴走し、気が付いたら知らない花畑にいて、なれない運動をして...今日は厄日なのだろうか。
『あんまり騒ぐな。どんな生き物が出るかわからん』
「そんなこと言われても...ん?そうよ!生物よ!森に生息してる生き物を捕まえて特徴を見ればどこにいるか分かるかもしれない!」
生物は生息する環境、場所によって種が異なる。あまり動物や昆虫について詳しいわけではないがメジャーな生き物くらいなら多少知っている。これで少しは手掛かりに...
『いや、不思議なことに俺が見たことない生物だらけだ。似たような特徴を持ってたりもするが俺が知ってる種はいない。まるで未開拓地だな』
「はぁ?それはないでしょ。現代では未開拓の地なんてほとんどないし、あったとしても島くらいでしょ?島だってほとんど見つかってるだろうし...」
今時無人島だの未開拓地だのあるわけないだろう。あったとしてもここは既に誰かが踏み入れているだろう。
『あくまでも例えだ。そう真に受けるな。お前の言う通り、今時未開拓地なんてそうそうあるもんじゃない』
「そうよ。きっと誰かいるはずよ!」
『...』
しかしなんとなくここは日本ではない感じがする。まあ日本にこんな森だらけの場所はそうそうないと思うので恐らく日本ではないだろう。
「...はぁ」
白衣のポケットからスマホを取り出す。電源を入れると14:54と表記されていた。もちろんネットは繋がっておらず、画面の左上には圏外と表記されている。なので、スマホのアプリで位置情報を知ることもできない。
「で、どこに向かってるの?」
『山だ。高い場所ならあたりを見渡すことができる』
「えー、登山?私そんなに体力ないんだけど」
そういえば近くに山があったのを思い出す。しかし見たところかなり高かったので頂上まで登るのはさすがにきつい。
『それとあともう一つ理由がある』
「?なによそれ」
『建築物が見えた』
「本当!?」
人がいるならここがどこだか分かるかもしれない。山を登る必要があるのは痛いが、この非常事態四の五の言っている場合ではない。
『...だがいい結果は得られないかもしれないぞ』
「どうして?」
『...パッと見た感じ手入れがされてない廃墟って感じだな。』
「廃墟?」
『おそらく人はいないだろうからあまり収穫はないかもな。行かないという手もあるが、どうする?』
「うーん...廃墟なんでしょ?人がいなかったら情報も得られないし、あまり行く価値はないと思うけど」
『俺個人としては行くのをおすすめするぞ。俺は必要ないが、雨宿りができる場所のほうが野宿をするにはいい。廃墟になったとしてももともとは人が住んでた場所ならそれぐらいはできるだろ。それに、もうすぐで日が暮れる』
「うーん...」
確かに未知の土地で野宿するのは危険が多い。ならばやはり行くべきなのだろうか。
「はぁ...行く宛もないし、そこに行くしか...」
『待て』
仕方ないので、その廃墟に行こうと決めたその時、「死神」から話を遮られる。
「な、なによ」
『なにかがこっちに近づいてくる。どっかに隠れろ』
唐突でよくわからなかったが、言われたとおり近くの茂みに隠れる。しばらくすると、森の奥からかさかさという小さな音が聞こえてきた。その音はだんだんこちら側に近づいてきて、大きな影が目の前に現れた。
「ギシャアアアアアアアアアアアアアアアア!」
正体はムカデの姿をした巨大昆虫である。まだ全長は見えないが少なくとも3mは軽く超えており、横幅は60cmもありそうだ。頭を高く上げ、私達を威嚇するように叫んだ。
「何あれ何あれ何あれ何あれ何あれ!!??」
私の人生経験上こんな巨大な昆虫は見たことない。明らかにどう見てもサイズがおかしい。私が未知の生物に対し驚愕していると、パァンッ!という乾いた音が数回響く。音がした方向に向くと「死神」が拳銃を構えており、銃口から煙が出ていた。直後、巨大ムカデは叫び声を上げ「死神」を襲う。
『チッ、頭を撃ったのにびくともしねぇのかよ』
巨大ムカデの顎が「死神」を噛みつく。しかし、まるで「死神」がそこにいないかのようにすり抜け、「死神」がダメージを受けることはなかった。
『じゃあこいつはどうだ?』
拳銃が効かないと判断したのか、「死神」はどこから出したのかまた違う形状の銃を取り出した。銃身は短く、銃口が2つあった。それを巨大ムカデの頭にゼロ距離でバン!バン!と2回発砲する。その後、巨大ムカデはうめき声を上げ動かなくなった。
「な、なんなのこれ...」
戦闘が終わったのを確認して、巨大ムカデに近づく。
『バカ!まだ来るんじゃねぇ!』
そう「死神」が叫んだ直後、息を引き取ったと思った巨大ムカデが動き出し、私に向かって攻撃しようとする。とっさに目を閉じ痛みに耐えようとした。しかしバン!という音が響いたあと、衝撃が来なかった。恐る恐る目を開けると、「死神」が持っている銃から煙が上がっており、ムカデが痙攣していた。「死神」が発砲して私を守ってくれたのだろう。
「あ、ありがとう...でも死んだのよね?なんで動いたの?」
『ああ。あの2発で死んだ。だが、ムカデには脳が潰れたあとでも体を動かせる器官があってな』
「...あぁ、確か食堂下神経節だったっけ」
虫は嫌いなのであまり詳しくは知らないのだが、研究者知り合いで虫に詳しい人がいたおかげで多少は知っている。それでも頭を潰されてもあんな動きができるとは聞いていないが。
『特にムカデは他の昆虫に比べて神経が非常に多い。あまり油断はするな』
そういったあと、使った銃を点検した後にどこかへとしまった。
「わ、わかった。でもそれより...これ、一体何なの?」
すでに息を引き取っている巨大ムカデを見ながらつぶやく。ムカデの頭からは体液が漏れ出ており、気分が悪くなるほどの異臭を放っていた。
『明らかに異常だろうな。こんな昆虫を発見したとなれば世界記録ものだ』
確か現在記録されている世界最大のムカデが26cmのペルビアンジャイアントオオムカデだったはず。しかしこのムカデはその記録がかすむほどの巨体である。こんな化け物が出るのであったら、ここが未知の土地と言われても納得するしかない。
「じゃあ...私達はいったいどんなところに来たの...?」
もしも、こんな化け物が山ほどいるのだったら危険なんてレベルではない。早急に帰る方法を見つけなくてはならないだろう。
『ひとまず先へ進むぞ。まずは状況を整理したい』
「ええ...そうね、ぐずぐずしてられない」
本音を言うとまだ疲れが取れきってないので休んでいたいのだが、いつこのムカデのような巨大昆虫が襲ってくるかわからない。ならば今のうちにその廃墟にいって身の安全を確保するのが大事だ。
『ついてこい。できるだけ早くつくぞ』
「分かったわ」
巨大ムカデから視線をそらし歩みを進めたのだった。
*
「はぁ...はぁ...はぁ...」
歩き続けて一時間ほどだろうか。「死神」曰くもうすぐで着くとのことだがそろそろ私の限界が近い。それにだんだん体調が悪くなってきた。気分が悪くなってきたのと、腹痛、胸痛、頭痛がする。登山に慣れない者が山に登ると不調になると聞くが、このことだろうか。
『少し休むか?』
「いえ、大丈夫よ。それにもう日が暮れるでしょ」
スマホを見ると16:12と表記されていた。日もだんだん傾いてきており、数時間したら日は沈むだろう。休めないのはキツイが、安心できない場所で野宿するよりはいいだろう。
疲れでうまく動かない体にムチを打ってそのまま森を歩いていき、ついに木々が連なる場所から脱出したとき。
「はぁ、はぁ...あ、あれが?」
山の頂上に沿っていくような形で人の建造物が連なっていた。材質は石を主に使っており、ところどころ金属らしき素材も使われていた。そして一際目を引くのは石と金属を主に作られた巨大な建物であった。形からして洋風の城といった外観である。しかしところどころ壁や天井が崩壊しており、金属も錆びていることから誰も手入れをしていないことが予想できる。さらに、人の姿もいない。まさに廃都市という感じであった。
その廃都市の周りには、すでに崩壊した巨大な壁が囲っていた。
『あぁそうだ。無事に着いたな』
これなら日暮れまで間に合いそうだ。そう安堵したとき。
『何者だ。我が領域に侵入する愚者よ』
巨大な影が空を覆い、頭に響くような声が聞こえた。この声は「死神」の声と既視感を感じる。何事かと上を見上げると、空にはトカゲに翼を生やしたような巨大な生物が滞空していた。その姿はまさに前世でファンタジーによく出てくるドラゴンそのものである。
「な、何あれ...巨大ムカデの次は...ドラゴン!?」
次から次へと予想外なことが起きる。ドラゴンの全長は少なくとも50mはありそうで、全身が硬そうな鱗で覆われている。どう考えても生身では勝てない相手だろう。
『脆弱なる生物よ。我が業火に焼き尽くされ、我が領域に侵入したことを悔いるがいい!』
『掴まれ!』
その瞬間、強い衝撃が走り、周囲の温度が急激に上昇した。気がつくと、「死神」にお姫様抱っこされていた。恥ずかしさよりも何が起きたのかという驚きの方が大きい。
「え!?ちょ、え!?」
『あれはやべぇな。悪いがお前をかばいながら戦う余裕はねぇ。どっかに隠れてろ』
状況を整理するために周囲を見てみると、私達がいたところが大量の炎で燃えていた。どうやら「死神」が私を抱えて助けてれたらしい。
「わ、分かった」
かなり距離を取った場所で「死神」は私をおろし、ドラゴンに向かう。私は「死神」に言われたとおり草むらに隠れて、息をひそめるのだった。
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(ったく、ムカデの次はトカゲか)
さっきから非常識な出来事に遭遇しすぎだ。明らかに異常事態なのだが、今は考えるよりこの状況を何とかするのが先だろう。先程、対応が遅れていれば竜のブレスに紗月が焼き焦げるところだった。余計な思考をしていると致命的な失敗を招くかも知れない。
『ほう。我の炎を避けるとは』
『もう少し口臭を気にしたほうがいいんじゃないか?臭すぎてまともに嗅げなかったぞ』
『...貴様、よほど死にたいらしいな。いいだろう、死よりも激しい苦痛を味あわせてやろうっ!』
ひとまず挑発をすることで竜の意識を俺に向けさせる。これで多少は紗月の安全を確保できればいいのだが。
竜は翼を大きく羽ばたかせ、鉤爪で攻撃してくる。俺は回避行動をせず、そのまま攻撃を受け止める。竜の鉤爪は地面を引き裂いたが、俺を引き裂く事はできなかった。反撃として、俺は竜の頭へとジャンプして近づき、ゼロ距離でダブルバレルショットガンを撃った。しかし硬い鱗を貫くことはできず、大したダメージはなさそうだった。
『チッ、無駄にかてぇ』
再びジャンプして、竜から距離を取り、滞空する。散弾が効かないのであれば別の手段を取るしかない。俺は対物ライフルを取り出し、眉間に狙いを定めて発射する。しかしそれでも鱗を貫くことはできず、特に痛みもない様子だった。
『貴様、只者ではないな。その魔力、隠しているようだがわずかに漏れ出ておるぞ』
『あぁ?魔力?何の話だ』
『とぼけても無駄だ。我くらいになればその本質を多少は理解できる。この魔力、貴様エルフ族か?それとも吸血族か?』
竜がわけのわからない単語を並べる。あまりファンタジーなどは見ないので詳しくはないが、確かエルフというのは森に住む種族だったはずだ。しかし吸血族という単語は聞いたことがない。語呂的に吸血鬼のことだろうか。
『多分どっちでもないと思うぞ』
『答える気がないか、ならばいい。少々我も貴様の力を見誤っていたようだ、詫びとして少し本気を出すとしよう!』
直後、竜を覆う全身の鱗が炎をまとい、あたりに無数の炎の柱が発生する。すでに周りは灼熱の温度となっていた。
(これは早めに終わらせないと紗月が危ないかもな)
今回の銭湯はひと筋縄ではいかないだろう。だが...
(久しぶりに歯ごたえがありそうだな)
長い間まともに戦える相手がいなかったせいか、自然と笑みがこぼれた。
ついに第一章の一話を投稿することができたので、質問コーナー的なのをやろうかなと思っております。ちなみに質問宛ては投稿者ではなく物語に登場するキャラでお願いします。既に死んだキャラでも生きてるキャラでもモブでもいいのでじゃんじゃん質問をしてください!好きな食べ物はなんですかーだったり日中何してますかーとかっていうものでも全然いいです!
質問は感想などで伝えてくだされば幸いです。返信は毎話あとがきでする予定です!
では、たくさんの質問待ってます。




