擬人化した鯨娘のほのぼのファンタジー
私 佐藤奏。近くの小学校で教員として働いている。
私の日課の早朝ランニング。暑い日も寒い日も雨が降る日も一日たりとも欠かした事がない。
自然災害級の雨が降るという予報を聞いた時は小学校を開放し近くの住民の避難を手伝った。というのを除けば。走ってない日の方が少ないくらい。
最近の梅雨の時期はとにかく家々を回っている。この地域の住民は私が早朝ランニング日課を行っているので、全員が顔見知り。朝の挨拶を交わしている。
先程説明した避難に関わる事なので足を引き摺るような歩き方でヨタヨタ、ノロノロと歩き進むので時間が掛かる。なので、梅雨の時期はとくに学校の仕事が終わったら地域住民への声掛けを欠かさない。その為のランニングだった。
本校の校長先生、教頭先生も私の行為を解っててランニングを黙認、学校の仕事も減るように心掛けてくれている。
勿論、児童が怪我の無いよう行うのが一番だけど、熱中症やらなんやら気を付けなればいけない事は山のようにあった。そういう事情やら避難時の声掛けやらで、私のランニングはこの地域で知らぬ村人が居ないくらいだった。
避難所への移動は日常的に行っている。理由は簡潔で児童が自らの意思で避難所に向かう事が出来るように、共働きが多いこの地区は鍵っ子が多い。なので、災害時に己の判断力で避難行えるように私が普段から言っている。
大人の判断や指示無しで避難へと向かえるように、TVの天気予報とこの地区を重点的に教えている。何度と放送で呼び掛け訓練行っている。もし雨の音が酷い場合は迷わずに避難するように私は口を酸っぱくして言っている。
耳にタコが出来るくらい言っているものだから、児童達も私が口を開けば、避難所へ向かうよう言う事がわかっていた。
ランニングはその児童の避難時で歩みが遅くなる場所や雨や倒木で道路が寸断された時に児童をどう誘導したら良いかやら通常時での児童の歩行、私の体力向上、地区の家の見回りや声掛け災害時の児童やお年寄りの取り残されたのを確認行ったり。と様々。
児童が通りそうな道や児童が「近道」とか言ってしまう道を見て、倒木や土砂崩れで埋ったり木の下敷きになってないか等のいろんな危険を頭の中で何時も思い描いている私だった。
消防士を目指したが子供に教える楽しさが上回った私は教職員に着いた。という訳。日々何気ない会話の中から地区の住人や児童が通った等を拾ったりして、私は地区を守る。
浜辺に近い地区に差し掛かった私は車のタイヤみたいな大きさの物が打ち上げられている事に気付いた。
定期的にランニングで通っている私だからこそ、わかるのであって、漁師さんや釣り人達に迷惑な話しだった。この時間は漁師さんは忙しく浜に打ち上げられた物を拾う時間的余裕は無い。釣り人は気儘で時間は不定期。つまり浜に打ち上げた物を拾う人間は私くらい。なので、私は浜辺へと下りて行った。
近付くとその大きさは小学壱年生くらいで先程同様、車のタイヤくらいの大きさだった。教職員の癖なのか、子供に見えてしまう。私の小学校の生徒達は今は全員が音楽の授業中のはず。紅葉祭(文化祭)の演し物の練習の真っ最中。
集中力の低い子供だから、音楽担当の先生は遊びを取り入れながらうまく歌の練習を行う。と本人から聞いたので間違いない。歌の練習とゲームを織り交ぜて授業を行っている頃かな。
私は車のタイヤほどの大きさに近付き、両手を添えて 腰に力を入れる。腰が逝かない(ぎっくり腰)にならないように力を入れた。私は地域の農家さんのお手伝いを行っているので重労働には慣れっこ。小学校の児童のお手伝い。農家さんは暖かい目で見てくれている。でお世話になる事があるので、定期的に手伝っている。で私は重労働や力仕事には慣れっこなんです。
車のタイヤ程の大きさの物の中に溜まっているであろう。海水を排水しようと、ひっくり返す と、子供の顔が飛び込んで来る。
女の子? 男の子?。といった中性的な顔立ち。で髪の毛は耳にかからないくらい。歳は小学生壱年生くらい。とこんな感想を抱いている場合ではない。と私は吸い込まれていた意識を自身の中へと戻し。耳をその胸元へと引っ付けた。
弱々しいけど。心音が聞こえる。低体温症にならないようにしない。とならない。私は即 その子を担ぎ上げて、辺りを見回した。
此処は片田舎なので路肩に止めてある軽トラックには車の鍵が差したままなんてのは良くある話しである。で、先程の早朝ランニング。でその車の持ち主が何処の誰なのかも解っている。
先ず。病院へと連絡。こんな片田舎では救急車を待つより自分から病院へと向かった方が早い場合がある。なので、急患の旨を伝える。
次に車の持ち主である人物の家へと車を向かわせた。まぁ、この時間帯は留守である場合が多い。が家に鍵が掛かっている事はない。もし仮に玄関に鍵が掛かっていた。としても、何処かが開いている場合がある。し人が上がれるようになっている。なので、私は勝手口から上がり、倒れていた子ども、助手席を倒して横へと寝かせた子に大量の掛け布団を被せる。後は息(呼吸)が行えるように顔を掛け布団の中から出してあげれば良いだけである。置き手紙を残して 家を後にした。
緊急通話繋げたままの私は車の持ち主の家の敷地から車を出す。
頭から入ったとしても片田舎なので車が敷地内でUターン出来るだけのスペースは十分にあり、車をバックさせて入って来た場所から敷地を出て行く。
携帯電話の位置情報を活用しながら法定速度で救急車が走っている私の所まで来るのを病院へと向かいながら車を走らせ続けた。
緊急通話中の携帯電話から私が拝借した車へと近くへ来た事を報せてくれた。なので、私はウインカーで路肩に寄せて 車を停めた。
救急車が病院へと向かいやすいよう、近くのお店へと入って、事情を説明。お店の人達が何人か出て来てくれて、救急車がUターン行いやすいように駐車場の車を持ち主達へと事情説明終え、車を動かして貰う。
動かし終えた頃に遠くの方から救急車のサイレンの音が消え始めたので、近くの横断歩道の信号機を使って、車を留めた。
お店に居た人達が協力してくれたおかげだ。といっても近くの別のお店の従業員だとかそうそう人達ばかりだけど。片田舎だかこそ出来る技かも知れなかった。
救急車が目に見える位置まで来たので、私は繋げたままの携帯電話を使って、道路で誘導してくれている従業員さん。店旗を振っている。を伝えた。
緊急通話センターからその旨が救急車隊員へと伝達。救急車が店旗を振っていた従業員へとマイクで伝え 従業員は車が入る時に邪魔にならない位置へと移動。
救急車は速度を落として、私が居るお店の駐車場へと入って来る。
毛布でくるんでいた子どもを抱え、低体温症ならないようお店の温度を上げて貰っていた。お店から子ども壱人 抱えて救急車へと私は近付いて行った。
救急車隊員が救急車から降り、私達を救急車へと案内してくれて、色んな人達に軽いお礼を述べてから救急車へと乗る。
私も付き添いで乗る。軽トラックはお店にそのままだ。
お店の人も軽トラックの持ち主を知っているので、その辺りは心配しなくても大丈夫で、後で改めて家へと連絡してくれるそうだ。でお店が落ち付いたら、車二台で持ち主の家へと返しに行ってくれるそで、返し終えたら、拝借した車は置き、所有している車でお店へと帰って来るそうだった。以上を救急車の中で学校へと連絡・報告行う私。
車は運転、お店では子どもの容態が気になって、学校への連絡・報告は遅れた。が校長先生は私からの連絡・報告を理解してくれたし寛容な対応・応対してくれた。
軽トラックとお世話になったお店の人達と今日関わった人達のお礼は後程と校長先生は子ども壱人の命を案じますくれた上で今後の事を相談に乗ってくれる旨を私に通話で約束してくれた。
さて、何処の子か?。というのが浮かび上がって来る。私はこの辺りには詳しい方だと自負しているし周辺の小学校教員との繋がりも持っているしその児童も記憶している自信がある。が、この目の前の子は私の記憶に無い子ども。
‘それ’も校長先生には伝えてある。親が役所に届け出てない無戸籍の子どもかもしれないし何か別の問題を抱えている子どもである可能性は大きい。その旨は校長先生は通話の連絡・報告とはいえ伝っているはずだった。なので、役場、警察、児童相談所、児童養護施設等と言った関係が動き出すだろう。
どんな答えに辿り着くか?は未だわからない。だけど、教員としの私は笑顔で学校通えられれば、私は苦虫を噛み潰したような気持ちのまま胸の奥へと置いておこう。と思う。世の中‘そういう’事例や場合ばかりで漫画やアニメのように綺麗な世界てばないし綺麗事で済むような話しではない。とにかく今は助かって欲しい一心だった。
緊急搬送された子どもはそのまま病院へと担ぎ込まれて、救急隊員はお医者様へと引き継ぐ。低体温療法の適切が良かった事がほめられる。後は病院が処置してくれる。で、病院の駐車場に警察車両が停まる。と警察官が二名。私へと事情聴取に来る。最近は救急センターへと連絡すると最寄りの警察署へと連絡がいく。ので私が救急通話センターへと話した事は一通り伝わっていた。なので確認作業と事項確認となる。
助手席に座っていた私服の警察官が私の学校の校長先生へと連絡するように言ってくれた。私は校長先生へと連絡・相談している事を伝えると助手席の警察官はこの事件?・事故の事情聴取、確認作業と事項確認する為に自身が挨拶行いたいと私へと言ったので、私はもう一度 校長先生へと携帯電話を掛けて、繋がった事を確認後に助手席の警察官へと渡した。
助手席の警察官は今日 浜に打ち上げられた場所に私に案内して貰う事とどういう状態・状況・打ち上げられた向き、仰向けなのか俯けだったのか事細かく聞きたい。と私に聞こえるように通話する。
場合によっては警察署に同行して貰う必要が出て来る旨を伝える。と今日は私は警察署へと泊まり込みになりそうだと校長先生へと助手席の警察官は伝えた上で通話を終わらせてから「お聞きした通り。長い1日になりそうですのでご協力宜しくお願い致します」と言った。