敗者のセオリー
短編です。(-_-メ)
はるか昔のこと。人類は農耕を営み、それぞれが手を取り合い、生きていた。国々は交易で互いに栄え、称え合い、世界には闘争なんて存在しなかった時代が確かにあったとか。
そんな御伽噺のような幻想は魔物という異界から侵略者によって、一瞬で崩れ去った。
世界には魔物が蔓延り、人類は見る見るうちに生存圏を縮小の一途を辿った。神はそれを嘆き悲しみ、人類に聖壁という魔物の脅威から守る聖域と、ギフトと呼ばれる異能を与え、世界に声を大にして発したという。
「人類よ、栄光へと続く鍵は与えてやった。あとは汝らの不断の努力によって未来を切り開け」
と。人類は聖壁という箱庭とギフトという力を手に魔物から世界を切り開き続ける果てのない闘争にその身を投じていった。
絵本『神の試練』より引用。
***
二月十日。義務教育満了まで残り数ヶ月となった力々学園までは今日もまた、大訓練場で教官や生徒達の訓練が繰り広げられていた。
力々学園は聖壁内部にある国、エインヘリヤルの北方に位置する学園だ。エインヘリヤルでは全ての学生に対して、五才から十二才の間にかけて義務教育が行われている。内容はその大部分をギフトの使用方法や成長法、効率的な運用、集団におけるギフトの連携といったものまで多岐にわたってギフトを学ぶものとなっている。基礎的な語学や知識の授業よりもその比率は高く、生徒の年齢が上がるにつれてその傾向にある。
そんなことをあり、今日も今日とて力々学園では生徒が大訓練場でギフトの習熟に励んでいた。
空気を歪ませる高温の火炎兎が片手剣と盾を構えた中年へと突進。中年はそれを蚊を払うように容易く斬り飛ばす。
「直線的すぎる。仮に動物型で攻撃するのなら、フェイントも交えることも覚えろ!」
「はい!」
「それとギフトだけの攻撃で満足するな! もうすぐお前達は成人の儀を控えているだるんだ! 兎を囮にして不意打ちをするくらいやってみろ!」
「はい!」
こんな光景が訓練場の至る所で繰り広げられている。教官の数は生徒ほどではないが数十人単位でおり、どこも実践的な訓練を行っている。ただし、訓練は一律ではなく、一対一、多対一、多対多で訓練している生徒もいれば、標的に攻撃を行い、その出来について教官と議論し合う生徒もおり、それぞれがそれぞれなりにギフトの習熟をしている。
そんな中、闘争心剝き出しで訓練に励む生徒がいる一角があった。俺がいる所だ。
「おい、ネバギブ! また俺に負けに来たのか? お前これで何回目だ? ああ? いい加減身の程を知れよ、最弱王。底辺のお前が何度俺様に挑もうが負けんだよ。現実見ねえなら、また土の味を教えてやるよ」
赤髪短髪の少年、力々学園の暴れん坊レックスが相対する俺、ネバギブを見て、拳を鳴らす。
レックスはこう見えて学内序列十位の秀才である。
ギフトは『透明の箱』。実体を持つ不可視の箱を自由に生み出し、操作できるというもので、幼少の頃から何度も挑んでいるがなかなかに厄介である。
しかし、だ。俺が何回レックスに負けて来たと思っている。いい加減その性格や傾向、攻撃パターンも把握できている。それに課題だった不可視の箱にしても、解決の目星はついている。
「レックス。お前もいい加減に学んだ方がいい。俺は諦めが悪い。……確かに昨日の理論には狂いがあって負けてしまったかもしれない。だが、今日の俺は違うさ。既にお前に勝つ方程式は組み立てた。つまり、勝つということだ」
「ガキの頃から相変わらずの減らず口だな。ああ、わかったよ。今日は手加減しねえ。お前の覚めない夢を悪夢に変えてやる」
俺は不敵に笑い、内心でほくそ笑む。
そう、それでいい。お前が怒りで単調な動きをすれば、透明の箱の絶対的なアドバンテージは相殺できる。
試合にあたり、俺は刃引きした片手剣と盾、レックスは武器を持たない状態。生徒は訓練において一番戦いやすい格好で訓練するので、決してレックスが俺にハンデをくれているわけではない。むしろ、互いのギフトを考慮すると、現状でも俺が不利だろう。
審判役の教官が開始を告げると同時、俺はレックスに向けて、駆け出す。
レックスのギフト『透明の箱』は実体を持つ不可視の箱を自由に操作できるので、規格外の幼なじみのような反則じみた確認方法以外では基本的に視認することは不可能と考えていい。だからこそ、必要なのは箱を作成するタイミングを測ること、そして箱の軌道を読むことだ。これが出来なくては一撃でクリーンヒットをもらってしまい、負ける。
この難題は開始直後のスタートダッシュで、発動タイミングを試合開始直後に誘導することで解決できる。レックスは言動に反して存外臆病だ。毎回試合において常に攻守に優れた不可視の箱を傍に配置する。
そして、軌道に関しても対策がある。
レックスに近づいてから、すぐにその周囲を弧を描くように走る。強引な方向転換に足を痛むが、我慢できないほどの痛みではない。
「舐めてんのか、クソ野郎! 昨日はそれで負けたことを忘れやがったか!」
レックスの鋭い眼差しが俺を睨みつける。
よし、狙いをつけたな。
一気に走る速度を上げる。しかし、腕に衝撃があり、盾を落としてしまう。あまりの痛みに体勢を崩して、その場に膝をつく。
左腕が折れたか。やはりより詳細な軌道を読むには少し小細工しないと無理そうだ。……といけない。
俺はよろよろと少し横に移動してから、片手剣を持つ腕を折り畳み、刺突の体勢でレックスに向かう。
ギフト発動。対象は左腕の骨折とする。
歩きから駆け足へ、駆け足から疾走へ、レックスの懐に近づく頃には折れた左腕も片手剣を掴み、両手で刺突する。
「この……俺を軌道上に……鬱陶しい真似しやがって!」
レックスは腕を薙いでから胸元の引き寄せる。
まさか、一度自分を軌道上から外して箱をぶつけるつもりか! いや、これまでの戦闘から考えて間に合うわけが……。
「ぐえっ!」
潰れた蛙のような声を出し、俺は真横からの衝撃で吹き飛ばされた。
ギフト発動。全身を対象とする。
ゴムボールのようにあちこちを跳ね回ってから、俺はゆらゆらと立ち上がる。
「ちっ、本当しぶてえな、生ける屍が……」
「俺はまだ……負げでない」
レックスは深々とため息を吐く。
「ああ、そうかよ。クソ野郎。いいから寝てろ」
払う仕草の後にやって来た不可視の箱によって、今度こそ俺の意識は途絶えた。
***
灰色の雲と死体の海と、一つだけ残った温かい背中。空には一つ目の死神と流星のような光と耳を劈く爆裂音の大瀑布。
「なあ、ネバギブ。よーく覚えてけ。人生ときには負けることもあるだろうさ。でもよ、最後には絶対に勝てよ。……絶対に絶対に絶対だぞ。たとえどんな苦難があってもよ、最後には勝て。絶対に……
「おーきーてー! 早く起きてよ、ギブー。早く帰らないと日が暮れちゃうー!」
目覚めると、そこには白銀の髪の美少女が俺の顔を覗き込んでいた。
……なんだ。よく見れば、幼なじみじゃあないか。見知った顔に驚き半減、しかして、寝覚めに美少女追加点。
「なにボーとしているの。さっ、早く帰ろギブー」
「何度も言ってるだろう? 俺の名前はネバギブだから、ギブーはやめろ。育ての親がギブギブだから本当にやめてくれ」
「いーや、ギブーはギブーだもん」
「ふん、もういい。行くぞミア」
「ダメだよ、ギブー!」
「何が?」
俺はミアをじとっと睨みつける。
「靴箱は逆方向」
「…………」
…………。静かに方向転換。
「さ、行くぞ、ミア」
「うん」
夕暮れ時、片手に華を携えつつ、力々学園を出て、信号を一つ過ぎたら、最寄り駅。改札を入って、電車が到着するまでしばしベンチで一息。
「そう言えばさ」
ミアは反対側のホームを見つけて切り出した。
彼女の白銀の髪を夕日が照らして、眩しく美しく、やっぱり眩しくて視線を足元へ。
高身長で、胸は少しだけ控え目な幼なじみ。どうして俺なんかと登下校してるかと言うとなんてことはない。小さい頃は内気な彼女を俺があちこち連れ回していた頃から縁を彼女は律儀に守ってくれているだけだ。
今では容姿も学力も実力も、全てにおいて俺は彼女のはるか下で遊泳中である。
「どうしてギブーはいつもレックスに挑もうとするの?」
流し目で、どこか哀愁の漂うミアの言葉に、俺はすぐに言い返した。
「勝ちたいから」
悩む理由などなかった。俺にとっては当然のことすぎて考えるまでもないことだから。
「でも、いつも負けてるよね。私、何年も前からギブーがレックスに勝ったところ見たことないよ」
「…………」
痛いところを突いてくる。事実勝ったことがないから言葉に説得力がない。
とはいえ、返事はいつだって変わらない。
「俺はまだ負けてない」
「負けてるよ」
否定しようとして、出そうとした言葉を失う。想像以上にミアの眼は真剣で、強者としての迫力があった。
「私が言うんだから間違いない。ギブーはいつだってレックスに負けてるよ」
非情な言葉に身体がこわばる。
これがミア以外の言葉なら一笑で終わったことだろう。だが、彼女はこれまでずっと一緒にいたし、何より力々学園の序列一位からの言葉は思ったよりも俺に突き刺さった。
「もうギブーが頑張らくてもいいんだよ。ギブーがそこまでしなくても、私がいるから。Sランクの魔物が現れて、みんなが危なくなったとしても私が全部守るから。任せて」
威圧的すら伴うミアの言葉だったが、俺にはすぐそこに心優しい幼い頃のミアが重なって見えて、笑ってしまった。
「なんで笑うの?」
「……ミアが的外れなこと言うから」
「的外れって何が……」
「ストップ」
手でミアの言葉を遮る。
「電車来たから、続きは内のベランダで星でも見ながら」
「もしはぐらかしたら、本気で一発殴ってやる」
「もちろん、そんなことしないって」
危ない危ない。あやうく死ぬところだったな。
そこからはひたすらに無言だった。電車を降りて、沈む夕日に視線を逃がして、ミアは三歩後ろを歩く慎ましさを見せつつ帰路についた。
家は隣同士だから逃げ場はない。俺は育ての親が家を残して他界。ミアは両親揃って現役の開拓者で、年中家にいない。たまに帰って来たときはミアに連行される形で一緒に食事をご馳走してもらう仲なのでもはや他人という感じもしない。
かくして。満天の星空と薄っすら光る聖壁の膜の下、俺の家のウッドデッキのベランダでミアとサイダーを一杯片手に続きを話す。席は隣同士。小さい頃からこの配置は変わらない。
「別にさ、嫌々レックスに挑み続けているわけじゃないんだよ。言うなれば、そう、好きでやってる」
「えっ……ギブーは痛めつけられることが快感な性癖……」
「違う! 勝てない相手に挑んで、最後には勝つ喜びを俺は味わいたいんだよ」
「……まだ一回も勝ったことないよね? レックスよりも弱い人から始めた方がいいじゃない? 私、もう何度もレックスにギブーが負けるところなんて見たくないよ。毎回レックスがやり過ぎないように鼻をへし折って凹ませるのも大変なんだよ」
おっと、思わぬところでレックスに同情してしまう理由ができたな。まさか、毎回俺と戦った後に序列一位にボコボコにされていたとは初耳だ。しかし、始めは意地であったとはいえ、今からレックス以外に挑むっていうのもなあ……。
「うん、わかったよ。明日こそレックスに勝つ」
「冗談じゃないんだよね?」
「ああ、明日から本気出す」
「ふざけないで」
「すまん。……冗談じゃなくて、本当に勝つよ。ギリギリな勝負にはなるかもしれないけど、必要な情報は揃っているはずだから、後は俺の判断能力次第」
「……わかった」
ミアはこっちに身体を向けて小指を出す。
「じゃあ、ギブーが尊敬するギブギブに誓って」
開拓者ギブギブ。俺の育ての親だ。元々天涯孤独だった俺を養子にして育ててくれていたが、七年前のSランクの魔物『ファントム』が襲来したときに、俺の目の前で命を落とした。彼がいたからこそ、エインヘリヤルは守られたと俺は信じて疑わない。誰もが俺の言葉を妄言だと笑うが気にしない。
なぜなら、俺はこの目で見たんだ。確かにギブギブの剣が『ファントム』を討ち果たしたところを。
「ギブギブとの約束なんだ。……一時的な敗北を一生背負い続けるなって」
「うん」
「ギブギブに誓って明日は勝つよ」
「わかった。信じる」
俺はレックスに勝つ。そのために……。
「だから、ミア。レックスの動きの癖とかあったら全部教えてください。お願いします」
「ギブー、せっかく格好良かったのに……。そこは自力で倒すところじゃないの?」
「これもギブギブの教えだよ。勝つために誇りを捨てられないやつは二流だそうだ」
ある締まらない決意の夜のこと。俺は対レックス戦における特上のノウハウを刻みつけるのだった。
***
翌日。訓練場。俺は再び力々学園の暴れん坊レックスと相対していた。
審判役の教官も、レックスの昨日完全に負けたのに再び挑戦する俺に呆れている。
つまり、良い傾向である。今日の勝利に賭けている俺にとって、レックスのモチベーションが低いことはプラスに働くことだろう。
「生ける屍って名づけた奴はネーミングの才能があるな。本当にお前にぴったりだ。ゾンビみたいにしぶとい」
「ありがとう」
「お前に言ってねえよ」
いや、実はそのあだ名をつけたのは俺自身だから間違ってない。残念ながら最弱王なんていう不名誉なあだ名を先につられてしまったので、苦肉の策でひそかに広めたあだ名である。
開始前に、一度を目を瞑って頭の中の情報を整理する。
レックス。十二才。男。身長は中背。ギフトは『透明の箱』で実体を持つ不可視の箱を作成・自由に操作できる。ギフトの成長がなければ、ギフトランクC。サイズは直径三十センチ、重さは五キロ、速度は四十キロ毎時くらいだったか。半年前に教官に報告しているところを聞いた内容だから絶対とは言えない。
直情的な性格で、攻撃を直線的なものが多い。フェイントにもかかりやすいが、反射神経が抜群で、反応がとにかく速い。痛みには強く、多少の衝撃程度では怯まない精神力がある。
ギフト『透明の箱』の作成・操作には目で見る必要がある模様。
ミアの推測では、『透明の箱』はレックスのイメージによって形成・操作されているものだからしっかりと意識していなければ発動できないのではとのこと。
うん。情報は揃っているから、後は実行するだけだ。
俺は腰のようにしたものがしっかりとあることを確認する。よし、あるな。
「レックス、お前は最高のライバルだった」
「お前……」
教官によって試合開始が告げられる。
「一度も勝ったことがない奴がなに過去形で語ってやがるんだ! ああっ!」
第一段階。レックスの挑発完了。
昨日と同様に、レックスに向けて駆け出す。基本戦術は昨日と大きく変わらないし、変えない。一朝一夕の戦術よりも無駄を省いた行動の方が対処が難しいからだ。
ただし、今回は全力疾走はしない。途中でレックスの周囲を走れるように、速度は抑え目だ。当然ながらレックスもそれが分かっているだろうから、移動直後を狙うだろう。だからこそ、走り出す前に一度フェイントを織り交ぜて、逆をつく。
かかった。
舌打ちするレックスの反応で成功を知る。
第二段階。不可視の箱の初撃を回避完了。
分かりやすくて助かるよ、レックス。
ここまでは昨日と同じ。だが、昨日と違うのは既に不可視の箱を一度回避したこと、そして、無傷のままであることだ。
大事なのはここからだ。無策で接近してもすぐに昨日の二の舞になる。だから、小細工の時間だ。
俺は用意しておいた小袋をいくつも地面に叩きつけていく。小袋には小麦粉が詰まっており、袋の素材は開拓者御用達の衝撃で炸裂する使用になっている。
辺りを粉塵が包み、実体を持つからこそ不可視の箱が粉塵でその輪郭を形作られる。
これまでは周囲の生徒や教官を気遣って使ってこなかったが、今回はギブギブに誓ってしまったからな、すまないみんな。勝利のために犠牲になってくれ。
可視化された箱はレックスの手元でフワフワと浮遊している。やっぱり傍に置いているか。
第三段階。不可視の箱の可視化完了。
さて、これ以上は実力でどうにかするしかない。
「ネバギブ、お前なんてもん持ってきてやが……ゴホッゴホッ」
俺は走りながら、用意していたマスクを装着する。安物なので気を抜くと、俺も普通に咳をしそうになるから注意だ。
打って変わって、ジグザグになるようにレックスへと接近していく。
「こんな小細工だけで俺が狙いを外すと思ってんのか!」
あと数歩のところで、俺の眼前に直径三十センチの箱が近づいてくる。
ああ、やっぱり無理かあ。
ギフトは『回帰』発動。俺の時間を一秒回帰。
「思ってないさ」
俺は前方を突き進み、後方へと飛んでいった箱にニヤリと笑う。
「なんだと!」
初見の行動に驚くレックス。
ありがたい。おかげで一歩分タダで稼げた。
俺のギフト『回帰』が現時点では自身の治癒と任意の物体の一秒の巻き戻しができる。ただし、一秒の巻き戻しはクールタイム十秒あるからもう使う機会ないだろうけど。
あと二歩。
「今日は俺が勝つ!」
片手剣を持った腕を折り畳み、刺突の準備体勢のまま駆ける。
「ふっ、ふざけんな!」
俺に向けて手を翳すレックスの腕の先から、新たに箱が作成される。
ああ、やっぱりレックスにもあるよなあ。奥の手。
こればっかりは予想しかできない不確定要素だから、その場で対処するしかない。
――――。
「そこまで!」
審判の制止によって、試合が終わる。
腹が痛い。無性に痛い。ジーンと衝撃が残っている。
本当……。
「盾は偉大だな」
「くそがっ!」
「勝者、ネバギブ!」
ようやく勝てた。
「よっしゃーーーーーーーーーーーーーー! 勝った! 勝った! レックスに勝ったぞーーーー!」
「一回勝っただけでいい気になってんじゃねえよ」
「なるさ、なるに決まっているだろう! 一体俺が何回レックスに負けてきたと思ってるんだ! たった一度だけだとしても、一度でも勝てたという事実は至上の喜びだ!」
「ふざけんな! もう一回やるぞ!」
「やらん! 今はただこの勝利を嚙み締めるのみだ!」
「ネバギブううううううう!」
今日は俺は敗者から勝者になった。
まあ、明日にはまた対策されて負けるのだろうが、そのレックスにまた勝つのも面白そうだ。
「レックス」
「なんだよ」
「挑戦を待っている」
「…………ぜってーぶっ殺す」