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熱烈歓迎、女媧伏羲!

2人も神に!

伏羲と女媧は娘とたくましくなった国民たちに見送られて、魂は地上を離れた。

「ああ、国を作って良かったなぁ。」

「西王母も強く生きていくでしょう。不安でしたが…」

そう言いつつ2人は冥界へと旅立った、はずだった。

そこでストップをかけられる2人。

「同じく土砂崩れで死んだものたちは天国に行けてるのに…」

「私達は国を作る時に犠牲を出しすぎたということでしょうか。」

不安になる2人。土砂崩れの被害者達にとりあえず別れを告げ、プルートーの書斎に待たされる。

「プルートー様、我らはなにかしましたでしょうか?地獄行きですか?」

「いやいや、大丈夫です。」

「いえ、待たされてるのがおかしいのです。」

「うーーーん、このタイムラグの改善をお願いしないといけませんね。あっ、来ました。ほらほら」

そうして書斎に入ってきたのはオリジン。

2人は久しぶりに会ったオリジンを見て驚く。なんで冥界にいるのか。

「…っオリジン様!」

「何故、天のお方が冥界に…?」

「あー、この流れは久しぶりだわ。貴方たちは魂が神の域に達していて、引き抜きに来たのよ。」

「「我らが神に?」」

「そうそう。あ、ニードホッグもアウローラも同じく神になってるわ。」

「「父上が」」

双子故に彼らの息はピッタリである。

「ということで、天に行くわよ?」

「まままままま待ってください。我らは祖先に会うことは…」

「基本的にないわ。まあ、魂の循環に入ってるのが多くて会えないって言うのが本音。」

「魂の循環?」

「プルートーがそこら辺詳しいのだけど、魂は基本的に地上を離れたら冥界、天国地獄を経て、真っ白な魂に戻ってまた再生するのだけど、貴方たちみたいに徳を積みすぎた魂は循環させると次世代に悪影響がでるのよ。」

「ほほぅ。なるほど。」

「猫にありますねぇ。猫も9回ほど生まれ変わると獣人になります、それと同じでしょうか?」

「獣人は色々タイプがあるけどね、獣が人に化けたもの。ハーフ、生まれ変わりで変異していくもの。様々よ。そのうち落ち着いてくるとは思うわ。」

「それで、我らは…何をしたら良いのでしょう?」

「それは夫に伝えてもらうから、とりあえず着いてきて。」

ニコリと笑うオリジンがパンッと手を叩くと、ドアが新たにできる。

「その扉をくぐると天にいけるわ。」

「こんな簡単なんですねぇ。」


オリジンは玉座の間へと彼らを連れていく。

「おや、伏羲に女媧ではないですか。」

「…どなたですか?」

怪訝な顔で訊ねる女媧に苦笑いしながらドクトリナはドラゴンの姿に戻る。

「ち、父上!!!」

「ははは、若返った姿な上人の形をしていたから気づかぬのもせんなきこと。」

「あー、そうよね。後で新妻も紹介したらいいわ。」

「ははは!そうですなぁ!後で紹介しよう。」

手を振る元父に複雑な思いを抱える双子。

「…新妻…」

「あれだけ、年老いて達観されていたのに、新妻…」

オリジンは熟年結婚の末に新たに兄弟が出来たぞ!と言われた家族を思い出した。

「なかなかショッキングな出会いかもしれないけれど、納得すると思うわ。相手を見たらね。」

「まぁ、父上が楽しくなっているのであればいいのです。」

「それもそうね。」

そうこうしているうちに、夫の待つ玉座の間へ来た。

「主神様、お久しゅうございます。獣人の国、天照の伏羲と」

「女媧でございます。」

「よく来てくれたね!2人には僕達の手伝いをして欲しいんだ。」

主神はニコニコと笑いながら、彼らに近づく。

「まずは伏羲。君には言葉を司るセルモという名前を、女媧には音楽を司るムジカという新たな名前を授ける。」

「名前を授けていただきありがとうございます。」

「必ずや、それぞれの分野において活躍してまいります。」

「うんうん、すごく真面目だね!」

不真面目なのは初期型主神ですね、とオリジンは内心思う。

「神同士の恋愛も自由よ。仕事ばかりではなく楽しんでね。民達の発展を覗きにいく面白いシステムもあるから。正体は悟られずに、というルールがあるけど。」

「ほう!それは良いですね!」

「西王母の事が少し不安だったので、少し経ったら見に行ってもよろしいのでしょうか?」

「ええ、貴方たちとバレなければね。」

「ああ、ありがとうございます。」


彼らをドクトリナの元へ案内するように天使に申しつけ、玉座の間は主神とオリジンだけになった。

「ふぅー、これで獣人からの神もできた。あとは人だねぇ。」

「難しいようですよ…なんせ…小国で争っている状態で…」

「神になるだけの徳を積もうにも、寿命も短い。発達が早いから学問には向いてるんだけどね。」

「優れたものたちは既にほかの国に逃げているような状態ですよ。」

獣人の国の妲己の夫がまさにそれだ。商売を生業にしていたからこそ、人族の争いから逃げて妲己と結ばれる道を選んだ。

「魔術が進みすぎたのも問題だ。戦争に拍車をかけてる。」

「カリスマ性のある人がいたらいいのですが…」

2人はため息をつく。人族の中からも出来たらリクルートしたいのだが、ドクトリナもアウローラも首を横に振っていた。アンバランスなのは分かっている。

「…変なことにならなければいいんだけどなぁ…」

「…」

オリジンには心配がある。争いが続きすぎると、人心は荒れ、救いを求める。それが自分達であればいいのだが都合のいい変な宗教を作り始めると厄介なのだ。それが政治や、戦争の発端になるとさらに厄介である。

「善処しないとなりませんね。争いの神をもうけてある程度、パワーをセーブさせた方が良さそうです。内政干渉になるようでいやなのですが。」

「こればかりはしょうがない。」

精霊たちの声である程度情報は集まるが、どこかで見に行かないと行けないかもしれない。

「ある程度の争いがなければ発展しないので、しょうがないのですがせっかく生まれた命。大切にして欲しいのです。」

そう、ダレもトラレタクナイ。ニドとアジワイタクナイ。」

「オリィ?」

「はい?」

「今、少し…おかしかったようだけど」

「そうですか?」

疲れてるのかしら?

「疲れたのかもしれません。今日は休みましょう。」

「ならいいんだけど。」

主神は不安に思うが本人が気にしていないのであれば、と言葉を飲み込んだ。

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