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機神戦記(仮題)  作者: 木揚 清水市余
第1章 蕎麦か饂飩か拉麺か
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第1章 4

説明回その2です。今後もちょいちょい説明回や小話を挟むかもですが、暫くは2~3日に1投稿出来れば良いかなぁぁぁぁ…………。と、趣味全開で書いておりますこの話、新キャラ登場アァ~ンドあの爺様がご出陣なさいます!!!!拙作ですがお楽しみいただけたら幸いです。それでは、始まり始まり~!

side;南雲 獅郎


春先の月明かりのもと、重吉を連れて基地の屋上にて酒を酌み交わして互いに杯を掲げた後に、杯のなかの酒を飲み干す。………やはり、地元の酒は漠逆の友と呑むに限る!と口許を綻ばせたときに重吉が口を開く。


「……なぁ………獅郎さん、あんたの所の壮一だがよぅ、前から思ってたが、一体どんな訓練をあいつに施したんだ?明日から合流する訓練校でしごかれた連中でさえあそこまで肝は据わってねえし、何よりアンタと[バサラ]にあそこまで食らいつけるDMと操者は、真一狼くれぇしか俺っちには想像がつかねぇぞ…。」


「だろうな…。(おれ)でさえ、壮一があそこまで付いてこれるとは思わなんだ。おそらくは[毘沙門天]の………。」


そこまで言って己は口をつぐむ。


『なんじゃ?妾のことを呼んだかぇ?』


「呼んではおらぬがちょうど良い、お主も呑まぬか?聞きたいこともあるゆえな…。」


壮一が顕現させた『毘沙門天』の人格とされる女性にそう返答を返す。


『そうじゃのう、久方ぶりにそなたと再会できた事でもあるし、約束通り呑み明かすのも悪くないのぅ。』


傾国の美女もかくやと言った笑顔と洗練された所作で長椅子に座り、余った杯を手に取り酌を所望する姿がなんとも絵になるものである。杯に酒を注ぎつつ己は『彼女』に問うた。


「では聞くが、壮一はあんたの(あるじになったんだな……?」


『彼女』は、杯に入った酒を飲み干し、少し照れたように、


『いいや……。どうやら妾は振られてしもうた様じゃ。』


との事。


………学徒の色恋とはちがうのだがと、言い出しかけて慌てて酒と一緒に飲み込むも、むせて咳き込む羽目になってしまった。


~~~~~>>~~~~~~~~~~>>~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


side;南雲 壮一


『召喚』の青い燐光が収まり、視線を光が集まっていた所に向けるとそこには、袴姿をした白金色の髪の絶世の美女と、その妹だろうか7~8歳位の女の子が美女の袴の裾を握りながら佇んでいた。 


『お兄ちゃんが、操主………さん?』


最初に言葉を発したのは、女の子の方で美女の方は何やらぶつぶつ言って考え事をしていた。


『…何故妾まで顕現されたのだ?…………本来は新たな意識に妾は組み込まれる筈では………?いやっ、………しかし………それは………?』


何やらイレギュラーがあった御様子で困ってらっしゃる!!?


「そうだよ、君たちをここに呼び出したのは確かに俺だよ。俺は壮一って言うんだ、宜しくね!」


出来るだけ怖がらせないように優しく答えを返していき、お姉さん(?)にも声をかける。


「……あの~、『びくっ!(゜Д゜)!!』…………声をおかけしても宜しいでしょうか?」


『あっ!………もっ、申し訳ない!なかなかに理解出来ぬ現象が起こった様で考え込んでしもうた!!』


やっと再起動してくれたよ……(汗)


「でわ改めて、俺は南雲 壮一といいます。あなた方を召喚させていただいた者になります。こちらとしてもお一人だけの召喚と聞いていたので、良ければ事情なりをお聞かせ願いたいのですが…?」


おやっさんを筆頭に、俺、絵莉、白丸、世良准将(人格召喚辺りからちゃっかりいたらしい)ら召喚された美人姉妹(?)以外の人間はすべからく、鳩が豆のショットガンにでも撃たれたような顔をしており、居合わせた者全員の頭上に巨大な『?』が出ているような状況が出現してしまった…………。

………たが、この状況はけたたましい警報の音によって一変することになる。


[当基地に接近するunknown(アンノウン)を感知しました。防衛部隊はただちに発進準備、基地防御部隊は[アマノイワト]の展開をいそいでください!!]


急にスイッチが入った様に慌ただしくなるハンガー内。


「南雲伍長及びその眷属は[毘沙門天]操縦席にて待機!状況によっては出撃することになる。中山 絵莉機付整備士は二式装備の準備とレクチャーを行い、出撃準備を済ませろ!中山整備班長はDMTを格納庫に搬入を行え!各員、これは訓練ではない!!迅速に作業を完遂しろ!解散!!」


世良准将の指示に素早く対応し待機状態の[毘沙門天]の操縦席に入る。眷属たちの顕現を解除して、再起動させて機体を立たせる。すると、絵莉より通信が入った。


「南雲伍長、ニ式装備の準備完了しました!二式は近接主体の装備で携行火器一丁と近接専用ブレード2本、立体機動用ブースターの構成になります。」


「了解。それぞれの装備で[神力]が必要になるヤツか…。 白丸、伯狼、火器管制とブースターの機動制御を頼む。」


『承知!!』『ウォン!!』


それと……。


「すまんっ、[毘沙門天]の二人についてだけど、個別で名前なしだと支障があるので大人の方を[桜花](おうか)、ちっちゃい方を[さくら]と呼称させてもらうぞ。」


『承った。』『わかり…ました。』


「二人はそれぞれ、伯狼、白丸と連携して[神力]の出力制御を頼む。必要なだけ[心力]は使ってくれて構わない!よろしく頼むぞ。」


『『了解〔です〕!!』』


操縦席のコンソールを操作して、司令室と連絡を取る。


『こちら、〔毘沙門天〕出撃準備整いました!敵の数は何機ですか?』


ややあって、返答が返ってきたがそれがまた、何とも不可思議なものだった。


『それが何とも奇妙で、反応は1機のみではあるものの、所属不明の敵なのか味方なのかも不明なんだ。更には「毘沙門天」と戦わせろと要求してきてんだ。』


うぅ~ん?何が目的なのか全く読めないっ!…………っつうか何で〔毘沙門天〕が此処にあるってアイツは知ってるんだ?……………って、まさかっ!!


『こちらも現状戦力は限られているし、何より相手は1体であるのならば安全策を取ろうと思う。15分もすれば定時哨戒からDMT一個師団がこちらへ帰投するだろう、その間の足止めを〔毘沙門天〕に頼みたい。……やってくれるか伍長?』


と、世良准将より頼まれ、


「…………了解しました。これより当機は所属不明機との戦闘に移行します。」


ある意味‹最悪›の結末が頭をよぎるが、これ以上は出たとこ勝負と諦めて、現状の対応に集中する。目の前では黒い布を全身に被った所属不明機が〔毘沙門天〕の姿を見つけると海上から一直線にこちらへと突撃して来ており、俺は携行していた拳銃を両手で構え、自機の周囲にある「仕掛け」を施して『ヤツ』が有効射程内に入ってくるのを待ち構える。


「………3……2……1っ、いっけえぇぇぇ!!!」


携行していた拳銃にギリギリまで〔神力〕をため、それを一気に解き放つ。極太の光線が『ヤツ』に襲いかかろうと殺到するも、黒い布に〔神力〕を籠めて『ヤツ』は光線を海中にたたき落としつつ反動をも利用して上空へと飛び上がる。


「やっぱりそう来たか………白丸っ、今だ!!」

『ウォン!!』


俺は白丸に合図を送り、先ほど仕掛けた「仕掛け」に〔神力〕を送る。何を仕掛けたかと言うと、出撃時に装備した立体機動用ブースター2基をこっそり外して白丸に遠隔操作を行わせて即席の追尾ミサイルとして待機させていたのだ。ブースター2基は左右から『ヤツ』を挟み込むように発射され、『ヤツ』を巻き込み盛大な花火をさく裂させる事に成功した。『ヤツ』の視界はこれで潰れたはず!


「こいつで………どうだああぁぁぁ!!」


とどめと言わんばかりに2本のブレードを抜き、『ヤツ』に切りかかる。…………だが、そこに『ヤツ』の姿はなく、


『ふむ、なかなかに面白い攻撃だったぞ。次の機会に期待しよう。』


背後からそんな声を聞いた後、背面に『義足の闘神』得意の右回し蹴りを頂戴して、俺の意識は乗機と共に海中へと叩き込まれる事となった……………。

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